2017年4月25日火曜日

回文から対称図形へ

「何が見えるかな?」と言って,次の文を板書します。
「①若山や はるか光るは 山や川」
 子どもたちは,「俳句かな」「でも,季語がないよ」などと呟いています。

 さらに,次の文を板書します。
「②丸くなるな 車」
 「字足らずの俳句かな」という声も聞こえてきますが,どう見ても俳句や川柳の仲間ではありません。やがて「回文?」という声が聞こえてきます。①②とも平仮名に置き換えると回文になります。回文という共通点が見えてきました。

 そこで,「これは回文かな」と言って,今度はデジタル数字を提示します。
「③11111」
 数字の形だけに注目すると,これも回文と見ることができます。さらに,
「(百の位の)1を中心に同じ形が並んでいる」
「(百の位の)1で折ると,ぴったり重なる」
という新たな視点も生まれてきました。この視点を使うと,4番目に提示したデジタル数字(2115)も回文と見ることができます。

 回文の見方が深まったところで,今度は二等辺三角形を提示します。そして,「これは回文かな?」と尋ねます。
子どもからは,「文じゃないよ」という声も聞こえてきました。一方,「回文じゃないけど,回図だよ」という声があがります。回文の図形版ということです。子どもはおもしろいネーミングをするものですね。底辺の中心と上の頂点を結んだ直線で折ると,ぴったり重なります。回文と同じ視点が,図形にも当てはまることが見えてきました。この回図という視点で見ると,等脚台形なども回図の仲間になります。


 この授業は,線対称の見方につながる1時間です。回文から線対称へと子どもたちが見方を拡張した点が優れた1時間となりました。

2017年4月14日金曜日

新刊本「算数の授業がもっとうまくなる50の技」のご案内

明治図書から発刊
4月が始まりました。先生方は新しいクラスの子どもたちと充実した1年のスタートを切られているのではないでしょうか。

さて,新刊本が明治図書より発刊されます。タイトルは,
『算数の授業がもっとうまくなる50の技』
です。

昨年,ご好評をいただいた『算数授業はじめの一歩』の続編とも呼べる本です。新学習指導要領がめざす「主体的・対話的で深い学び」のある算数授業をどのように構築していくのかにつながる授業の創り方を,具体的場面を通して提案しています。

 また,板書や教科書の使い方,ノート指導の進め方についても紹介しています。

 今よりも算数授業のレベルをアップしたいと考えている先生方のお役に立てる本だと考えています。5〜6月頃店頭に並ぶ予定です。もう少しだけお待ち下さい。