お待たせしました。2023年3月4日(土)に京都で開催されるGAKUTOセミナーの申し込みが,12月28日12時から開催されます。私の師匠・田中博史先生や,熱き算数人・志田倫明先生・樋口万太郎先生とのジョイント企画です。是非,ご参加ください。
定員は先着80名です。今回は対面のみの開催予定です。
お申し込みは以下のアドレスからお願いします。
https://gakuto-sansu-seminar2023kyoto.peatix.com/
お待たせしました。2023年3月4日(土)に京都で開催されるGAKUTOセミナーの申し込みが,12月28日12時から開催されます。私の師匠・田中博史先生や,熱き算数人・志田倫明先生・樋口万太郎先生とのジョイント企画です。是非,ご参加ください。
定員は先着80名です。今回は対面のみの開催予定です。
お申し込みは以下のアドレスからお願いします。
https://gakuto-sansu-seminar2023kyoto.peatix.com/
今日が2学期最終日の学校が多いのではないでしょうか。本校は,すでに冬休みですが・・・。
この冬休みは依頼されている原稿の執筆を進めます。これがなかなか大変な作業です。終わりが見えない果てしない作業です。冬休みは原稿執筆に明け暮れそうです。
さて,新年1月21日(土)には,広島県三原市で全国算数授業研究会広島大会が開催されます。3年ぶりの地方大会です。 コロナ感染拡大で延期が続き,ようやく開催にたどり着いた大会です。公開授業も14本予定されています。「授業を見て語り合う」という本研究会の趣旨にふさわしい大会が3年ぶりに開催されます。是非,多くの先生にご参加いただき,忌憚のないご意見を頂戴したいと考えています。
私は最後のシンポジウムに参加します。こちらは「見つめ直す私の授業」というテーマで話をします。私の場合は,毎日見つめ直しているので,この見つめ直しに終わりはないのですけどね・・・。
参加される先生は,以下のQRコードよりお申し込み下さい。
今年の夏、公開授業で訪問した新潟県柏崎市。秋に講演で訪問した新潟県長岡市。いずれも今回の豪雪で大きく交通機関に影響があった地です。私も長岡地区には6年住み、雪の大変さは知っていますが、一気に降り積もると大変です。
雪の中でも、きっと子どもたちはたくましく学校生活を送っていることと思いますが・・・。冬休み前のあと一息、頑張って学校生活を送ってもらいたいなあと考えています。柏崎・長岡の子どもたち、頑張れ!
今年もあと2週間となりました。外部研修は,オンライン講座の1つを残すのみとなりました。飛び込み授業は,先日の大阪の6年生が今年最後の授業となりました。
冬休みは,依頼されている原稿作成に取り組みますが,ゆっくりと体も休めたいと考えています。充電の冬休みにしたいと考えています。
年が明けると,また外部の仕事も始まります。島根県での飛び込み授業も予定されています。こちらが学校改革・授業改革に燃える校長先生からのご依頼です。熱い校長先生がいるところはいいですねえ。
大阪吹田の公開授業は、データの活用領域でした。この領域の授業で大切なことはなんでしょうか。
「最大値」「最頻値」「中央値」「平均値」などは、データの見方です。
「ドットプロット」「柱状グラフ」「度数分布表」などは、データの表現方法です。
以上の2つの分野がデータの活用にはあることを、先ずはしっかりと踏まえます。その上で、これらの2つの分野につながるアイディアを子どもから引き出す授業展開を行うことが大切なのです。
教師から、「○○のデータをドットプロットにしてみましょう」「○○のデータの最大値はなんですか」と尋ねるのではないのです。これでは、子どもはデータを教師から指示された視点で強制的に見させられているだけなのです。そうではなく、授業を通して「自分のクラスが勝つためには、最大のデータで比べたらいいんだ」「(ドットプロットにつながるアイディアで)データを整理するとわかりやすくなる」などのように、子どもがそれを使いたくなるように授業を構成することが大切なのです。このあたりの詳細については、昨日の授業後の講演会で話させていただきました。
データの活用領域は、今回の学習指導要領から新設された分野です。日本の子どもは、データ活用領域が国際比較で低いことが明確になったことなどが、その要因となっています。
データは、教師が視点を与えて見させるのではなく、子どもがその視点で見たくなるように授業展開を工夫することが大切なのです。
今日は大阪の6年生に授業を行いました。会場校の玄関には,授業クラスの子どもたちが手書きをしてくれた私の似顔絵入りの横断幕が迎えてくれました。
授業は体育館で150名の先生の前で行いました。クラス対抗でじゃんけんの強さを比べる授業を展開しました。「こんな声が聞こえたらいいなあ」と事前に私が思い描いていた声が,次々と聞こえてきました。素直で素敵な子どもたちでした。そんな声が生まれてきたので,授業後半は指導案とは異なる展開になりました。授業で子どもから引き出したいと考え板「最大値」「最小値」の見方は,子どもの中から自然に生まれてきました。
本当に素直でかわいい子どもたちでした。担任の先生が,4月から上手に育てられてきたことがよくわかる1時間でした。
そういえば,このクラスではジャンケンの掛け声が「さいしょはワクワクジャンケンポン」でした。これを両腕を曲げ,上下に動かし踊りながらジャンケンを行うのです。こんな姿もかわいかったですね。私も一緒に踊りました!
今日の午後は,大阪の6年生と公開授業を行います。データの活用領域の授業です。私のクラスの6年生の反応と比較しながら,子どもたちと授業を進めたいと考えています。さて,どんな子どもたちの反応が返ってくるのでしょうか。子どもの反応によって,授業展開を大きく変えたいと考えています。こちらも私はワクワクしています。
明治図書からこの春発刊された「算数授業の当たり前を『子どもの姿』から問い直す」が,好評により3刷りが決定しました! お買い求めの先生方,ありがとうございました。
本書は,「めあて」「まとめ」「ふりかえり」などの指導が本当に必要なのかなどを具体的実践例をもとに問い直す本です。私の師匠である田中博史先生との共著です。是非,まだお読みでない先生方は,お求め下さい。詳細は,以下のアドレスからお願いします。
https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-266542-4
ゲームセンターにあるエアーホッケーをもとに、次のように子どもたちに投げかけます。
「45°でパックを発射します。ゴールに入るまで何本の線ができますか」
入射角と反射角の関係やスタートとゴールの位置,ゲーム版は円形であることなどを確認します。45°の場合は、多くの子どもたちが、ゴールに入る線は2本だと予想しました。
そこで、本当に2本なのかを実験します。これは作図も簡単でした。子どもたちの予想通りの2本となりました。この時点で、「だったら90°なら1本になる」と声があがります。これはすぐにイメージができます。この段階で、きまりに気づく声も聞こえてきましたが、ここはまだ早いと考え、次の問題場面へと移動します。
「30°になったら、何本の線ができるでしょう」
ほとんどの子どもが3本とイメージします。しかし、その軌跡のイメージが違いました。半円の右半分に沿った動きのイメージの子どもと、円全体をジグザクに動くイメージの子どもです。予想段階で、後者が多くを占めました。
果たして、パックの動きはどのようになるのでしょうか。実験の結果、パックの軌跡は前者の動きであることが見えてきました。軌跡の本数は3本です。
この段階で「きまりがある」という声が多く聞こえてきました。
「90÷xで本数が分かる」
「90°は1本だから,90÷90で1本。45°は90÷45で2本。30°は90÷30で3本と式で本数が分かる」
「表にすると,もっと分かりやすくなる。本数が2倍・3倍になると,角度は1/2倍・1/3倍になっている」
「これは面積が20㎠の長方形の縦の長さと横の長さの変わり方と同じです」
90°〜30°の3つの情報から,子どもたちはきまりの存在に気がついてきました。これは反比例の見方につながるものです。表に整理するアイディアや文字式を使うアイディアが子どもから生まれてきたことも,素晴らしい子どもたちの発想力でした。
さて,これらの見方を使えば15°の発射角も計算で軌跡の本数が求められます。90÷15の答えなので6本の軌跡ができます。その後,実験で確かめます。この作図は苦労しました。かなりの精度が求められるからです。30°の発射角を描いてから,それを二分割することで6本の軌跡があることを簡単に求められることを発見した子どももいました。
反比例の見方を,エアーホッケーから引き出した授業でした。
子どもたちに次の問題を提示します。
「植木鉢を1個・2個・3個・・・と積み重ねていきます。植木鉢の個数x個と高さy㎝はどのような関係になりますか」
当初は「比例のやつだ」と,問題場面を比例と認識する声が聞こえてきました。ところが,それからしばらくすると「向きいっしょ?」という声が聞こえてきます。「向き」を考えることに,なにか意味はあるのでしょうか?
そこで,「『向き』と言っている人がいるけど,気持ちは分かる?」と尋ねます。
「植木鉢の向きを上下にしたら,比例になる」
「もし高さが5㎝なら,5㎝・10㎝・15㎝となって比例になる」
植木鉢を上下向きを交互にして積み重ねたら,比例関係になるといのです。比例関係を作るために,植木鉢の向きが関係があったというわけです。
一方,「同じ向きなら比例にならない」という声も聞こえてきました。そこで,「同じ向きに重ねるとはどういうこと?」と,その積み重ね方を尋ねます。
「植木鉢の中に植木鉢が入っていく」
「植木鉢の頭のところだけが増える」
「もし,頭が1㎝なら1㎝ずつ増える」
子どもたちは,同じ向きに植木鉢を重ねると,増え方が先ほどとは異なると考えたのです。この場合は,積む個数が2倍・3倍となっても,高さは2倍・3倍にはなりません。積み方によって,比例にはならない場合があることが見えてきました。それと同時に,次の声が聞こえてきました。
「紙コップも同じ増え方だ」
「水筒や宿題を入れるかごも同じだ」
「お皿もそうだ」
「給食で出たゼリーカップもそうだ」
同じ向きで植木鉢を積み重ねるのと同じ増え方をする例を,子どもたちが見つけてきました。場面を拡張して考える姿勢は,すばらしいものがあります。
さて,このあとこれらの2つの変化の関係をグラフに表現しました。子どもたちは,「1個で5㎝,2個で10㎝。3個で15㎝・・・」などと点を打ち,その後,それらを直線でつないでいきました。2つ目の表も同様にして,グラフ化しました。子どもたちは,ここで完全に安定しています。ここで,このグラフへの違和感を抱く子どもが現れることを期待しましたが,子どもたちは全く安定しています。
そこで,「もう一度問題を読んでみよう」と揺さぶりをかけます。しばらくすると,「前の勉強でリボン1mの値段が150円のとき,2mでは,3mではという勉強をしました」と既習とつなげた考えが生まれてきました。これをきっかけに,子どもが気付き始めます。
「間がないんだ」
「植木鉢2.5個とかないんだ」
「2個の次は3個だ」
「リボンはつながるから小数があるけど,植木鉢はつながらないから小数はない」
「水の量はつながるけど,人はつながらない」
植木鉢の高さは分離量です。子どもたちの比例のグラフに対するイメージは,単なる一直線です。連続量が対象の場合は当てはまりますが,分離量では当てはまりません。この思い込みが,植木鉢のグラフを疑うことを避ける原因になったのです。
この場合のグラフは,単に点が連続するだけなのです。子どもたちが獲得した学びの当たり前に揺さぶりをかけた1時間となりました。
昨日は京都で開催された私の師匠である田中博史先生の算数講座に参加しました。田中先生の講座は,何回参加しても新しい発見があります。今回は中学数学の話題から,演算記号と式の意味について深く考えました。中学数学の内容ですが,小学校6年生にも授業できないかなあと考えながら,講座に参加しました。
対面講座は適度な緊張感もあり,学びの深度がオンラインよりも明らかに異なりますね。自分が参加者役になって,より一層対面のよさを実感しました。
この講座では,懐かしい先生方との再会もありました。東京,名古屋,和歌山,宮崎と遠方から参加された先生との再会が可能のも対面のよさですね。本当に充実した時間を過ごせました。
2023年3月4日(土)には,京都で師匠・田中博史先生と私のジョイント講座が開催されます。詳細が決まりましたら,お知らせします。会場は京都御所の近くです。もう少しだけお待ちください。
先日、ある市の学校を訪問しました。17クラスの授業を参観しました。多くの教室で共通した課題は、板書の情報量です。問題文と式と答えだけで終わってしまう板書では、算数が苦手な子どもにとっては理解の助けとはなりません。
板書の基本姿勢は、その時間に保健室で休んでいた子どもが教室に帰ってきたときに、板書を見ただけで「こんな話し合いが行われたんだ」「こんな声があがったんだ」などと、45分間の授業展開がイメージできる板書であることが基本だと考えています。
板書はその気になれば、すぐにでも改善できます。是非、チャレンジされてみて下さい。
私が執筆している板書シリーズを参考にしていただけたらありがたいと考えています。
昨日は,吹田市の先生方に6年生「比」の模擬授業を行いました。始まったのは19時からです。こんな遅くに集まる先生方の熱意に頭が下がります。
私のクラスで行った授業を再現しました。子ども役の先生からは「次が48㎝だったらいいのに・・・」と素敵な呟きがあがりました。「これはすごい呟き」と直感し,その後はこの呟きを軸に授業展開を変えていきました。
授業は計画通りには運びません。子どもたちの反応に応じて,柔軟に展開を修正していくことが大切です。それは大人相手の模擬授業でも同じですね。
子どもたちに,次の問題を提示します。
「ロボットABCがあります。1番速く歩けるのは,どのロボットでしょう」
子どもからは,「ABCのロボットの表を見せて欲しい」「グラフでもいいから見せて欲しい」と声があがります。そこで,ロボットBCの2体の歩く速さが表示されたグラフを提示します。このグラフから,次の声があがります。
「これならBとCは,比べられる」
「見たら分かるから,計算はいらない」(H子)
H子の声の意味を,読解していきます。
「5秒のところを見たら,Bは15㎝進み,Cは10㎝進んでいるからBが速いと分かる」
「だから,Aも5秒が分かれば決まるよ」
グラフのデータを読解することで,計算をしなくても歩くのが速いロボットを判定することができることが見えてきました。そうなると,子どもから「Aの5秒のデータを教えて欲しい」と声があがります。しかし,そのままそのデータを与えてはおもしろくありません。そこで,次のように投げかけます。
「Aは3秒で7.5㎝でした」
3秒のデータのみを提示します。これに対して,子どもたちは次のように話し合いを進めます。
「これで1秒当たりが分かる」
「7.5÷3で2.5㎝」
「だから,決まった数は2.5ということになる。文字式でいうと,y=2.5×xになる」
「5秒のときは,2.5×5で12.5㎝と計算ができるね」
「だからBが一番速いことが分かるね」
Aのデータを提示したことで,子どもからは文字式にデータを一般化するアイディアが生まれてきました。そこで,BやCのロボットも文字式に置き換えてみました。
さて,この一連の活動の中で「でも,このロボット歩くのが遅すぎないか?」という声が子どもからあがります。最速のBでも,5秒で15㎝です。確かに遅すぎる気がします。
そこで,子どもは5秒間でどれくらい歩けるのかを実験しました。代表の子どもが歩きます。結果は,5秒で478㎝でした。文字式では,y=95.8×xとなりました。その後,Bロボットの速さも子どもたちは体験してみました。人とロボットとのあまりの差に,次の声があがります。
「ロボットは遅すぎる!」
「わかった!きっとロボットは小さいんだ」
「それなら少ししか進めない」
ロボットの大きさが自分の身長と同じだと考える前提条件を,子どもたちは疑い始めたのです。提示されたデータを鵜呑みにするのではなく,批判的に見ていくことも大切な視点ですね。
この授業は「板書で見る全単元・全授業のすべて算数6年下」(東洋館出版社)の教材を活用して展開しました。
昨日は,西宮市で算数授業づくりセミナーが開催されました。対面開催でしたが,70名以上の先生方にご参加いただきました。淡路島や和歌山からも多くの先生方においでいただきました。ありがとうございました。
久々の対面講座ということもあり,ご無沙汰していた先生方にお会いすることもできました。やはり顔を合わせてお話をすると,いろいろなことへと話題が広がっていきますね。オンラインではなかなか話題は広がりません。講座だけでなく,休憩時間の先生方とのつながりという点でも楽しく過ごせた1日でした。
前回の学習で,最も分厚いのノートや本を探しました。クラスではある一冊の本が最厚になることが分かりました。そこで,本時は次のように提示します。
「分厚い本のページ数の厚さのデータをまとめよう」
この発問と同時に,「グラフにできる」「それなら表にもできる」と声があがります。そこで,本の厚さを表からグラフの順で整理することにしました。
本の紙は100枚でした。その厚さは17㎜です。このデータから1枚は0.17㎜と計算できます。この確認活動で「比例を使えば分かるね」「4ます関係表みたいだね」と声があがります。
その後,このデータを元に,「250枚」「678枚」「1000g」の場合の対応するデータを見つけていきます。これらのデータは,文字式にも置き換えられます。
その後,表をもとにグラフ化していきます。グラフ化の前に「右上がりのグラフになる」「0からスタートしそう」と声が上がります。比例のグラフのイメージができているようです。
そこで,実際にグラフ化していきます。予想通り,0を視点とした右肩上がりのグラフになりました。この結果から,「比例のグラフは0からスタートして右に上がるんだね」とまとめます。
すると今度は,次の声が上がります。
「比例でないのは,途中から出てくる」
「最初にコップに水が50L入っていて,そこに水が入ると比例と違う」
この子どものアイディアで,グラフ化していきます。こちらも予想通りにy軸の途中からスタートするグラフが完成しました。
分厚いデータを提示しただけで,グラフや表のアイディア,さらには比例でないグラフのアイディアも子どもから生まれてきたことに,子どもの思考の成長を感じました。
今日は新潟県長岡市で対面講座を開催しました。150名の方が集まってくださいました。対面での講座は,先生方の反応がよく見えて話しやすいですね。私も子ども相手に授業を進めているつもりで,90分間一気に話しまくりました!
やはり対面は最高です。久しぶりにお会いする先生方もたくさんいらっしゃいました。懐かしい時間を過ごすこともできました。
11月23日に西宮市で開催予定の「算数授業づくりセミナー」は,お陰様で満員御礼となりました。早々にお申込みいただいた先生方,ありがとうございます。当日,愉しい算数についてともにじっくりとかんがえていきましょう!
残念ながら申し込みできなかった先生方,すでに次回の計画が予定されています。
2023年3月4日(土) 京都市
詳細が決まりましたらお知らせします。こちらは私の師匠・田中博史先生とのコラボ企画です。こちらもお楽しみに!
15分ほどの隙間時間を使って,比例の学習を行いました。子どもたちに,
「一番分厚いノートや教科書はどれでしょう」
と投げかけます。子どもたちは,自分の持ち物の中で最も分厚そうな本などを選び,その厚さを測定・計算します。1ページそのものの厚さは測定できませんので,それぞれのテキストの全ページ数の厚さを測定し,そこから比例の考えを使って1ページ当たりの厚さを計算しました。
厚さランキング第1位は「子ども六法」でした。1ページ当たりの厚さは,約0.175㎜でした。僅差の第2位は「お茶でふやけた漢字ドリル」でした。1ページ当たりの厚さは,約0.166㎜でした。前回,子どもたちが測定したコピー用紙は約0.09㎜でしたので,かなり分厚いことが分かります。「子ども六法」は紙を触っただけで,その厚さを実感できました。
新年1月21日(土)に広島で,全国算数授業研究会広島大会が開催されます。地元広島の先生が多数授業公開をされます。合計14本の授業公開です。また,フィナーレは筑波大附属小の夏坂先生・お茶の水女子大附属小の岡田先生,そして私の3人でのシンポジウムです。是非,ご参加ください。お申し込みは,以下のQRコードからお願いします。
今日は数年前から指導に入っている京都の小学校を訪問しました。半数のクラスの授業を参観しました。公開されたクラスの先生方の授業力は着実に向上していました。今年度2回目の訪問ですが,この半年でぐっと授業力を上げられた先生もいらっしゃいました。
同じベクトルで研修を続けていくことで,先生方の指導力も着実に高まっていくのですねえ。
校内研修がどの学校も取り組まれてますが,ポイントは同じベクトルで全教員が研修に取り組むことと,そのベクトルでの公開授業を継続していくと意外にないのかもしれませんね。
昨日,新潟の先生方のオンライン講座を開催しました。ホスト会場に半分の先生方,残りの半分の先生方は自宅などから参加する形式でした。ハイブリッド型のようでハイブリッドではない形です。オンライン講座も随分と体験してきましたが,今回はホスト会場に集まった先生方は,お互いに顔を見ながら参加ができましたので,リアル感があったのではないでしょうか。
90分の講座でしたが,先生方が熱心に考え,発言をして下さり,とても話しやすい講座でした。これは子ども相手の授業も同じで,リアクションがないと進めにくいのです。新潟の先生方は,よいリアクションをしていただきました。
今週末は,対面で新潟の講座に参加します。
今日は京都の小さな小学校を訪問しました。昨日までの5日間の修学旅行の代休日だったんですが,仕事に出かけました。代休でしたが素敵な子どもたちの声や呟きが聞こえて,疲れも吹っ飛びました。やはり子どもは元気をくれますね。
各学年1クラス,子どもも1クラス6名程度の小さな学校訪問でした。5月以来の2回目の訪問でしたが,どのクラスの先生の授業もずっとレベルアップしていました。この半年,研究主任の先生を中心にしっかりと研修を進めてこられたのだなあと感心しました。教師の授業スキルが高まると,子どもの呟きの質も高まります。「例えば…」「だって」などの素敵な呟きがたくさん聞こえてきました。先生方の地道な努力の積み重ねが,子どもを素直にさせていくのですねえ。
京都は観光客の随分と戻ってきましたね。帰路の嵯峨嵐山駅を過ぎると,電車はすし詰め状態になりました。
昨日,担任する6年生との東北縦断5日間の修学旅行から帰ってきました。
今日は,午後から京都の小さな小学校を訪問します。全クラスの授業公開です。すべてのクラスを訪問し,先生方の成果と課題を共有する研修会です。こちらの学校は,今年度からこのスタイルで研修会を始めました。今回はその2回目です。京都の第2向陽小学校と同じように,すべての先生が修羅場に立つことが授業改革の第一歩です。
明日は,オンラインで新潟の研修グループの講座を担当します。オンラインですが,ブレイクアウトルームを使って,リアルに近い形での講座運営をしたいと考えています。
来週も新潟の講座がありますが,こちらは別の研修会からの依頼で対面開催です。
京都第2向陽小学校の算数の学校作りの本「算数の学校ができるまで」(東洋館出版社)が,Amazonではまだ予約段階にもかかわらず,学校教育書部門でなんと10位にランクインしました。予約していただきました先生方,ありがとうございます。
Amazonでは,発送までまだ10日ほどかかるようです。東洋館出版社のサイトからのお申し込みいただければ,すぐに発送できるそうです。東洋館出版社の申し込みサイトは以下の通りです。
既にご購入いただいた指導主事さんから,学校改革について大いに参考になったとうれしいお言葉を頂戴しています。是非,皆さんもお求めください。
子どもたちに「コピー用紙1枚の厚さは何ミリでしょうか」と投げかけます。
子どもたちからは,「厚さはない」「えっ?」「測ればいいよ」「㎜まではないよ」などの声が聞こえてきました。一方,「重ねたらいい」という声も聞こえてきました。
そこで,紙1枚に厚さはあるのかを実際に測定します。全員にコピー用紙を1枚ずつ配布します。子どもたちは定規を当てて,厚さを測定します。すると「測れない」「無理」と声がします。ところが,その声と同時に子どもたちが紙を折り始める姿が見えてきました。2枚折り,4枚折り,8枚折りと折り進め,ある程度の厚さが出た時点で長さを測定しようというアイディアです。子どもは,困った場面に出会うと自然に動き出すのです。
さて,子どもたちの測定結果は大きく2つに分かれました。8枚で1㎜と16枚で1㎜です。1枚当たりに直すと,8枚は0.125㎜,16枚は0.0625㎜になります。これはかなりの差です。
そこで,「全然違うねえ」と子どもたちに投げかけます。子どもから生まれてきたのが,「だったらもっと多くする」「100枚ならいいよ」「200枚の方がきりがよくなる」という,枚数を多くすることで誤差を減らそうとするアイディアでした。
今度は200枚で厚さを測定します。結果は18㎜。1枚当たりに直すと,0.09㎜です。この結果から,今度は「だったら11枚で約1㎜になる」「11枚なら,0.99㎜だから」と声があがります。そこで,11枚が1㎜になるのかを定規で測定します。結果は,どの子どもたちもほぼ1㎜という結果になりました。
上記の考え方は,これまでのどの学習と結びついているのでしょうか。子どもたちは「比例の考えだ」と,その関連先を指摘してきました。比例の考え方が前提条件としてあるからこそ,上記の考え方が成立するのです。
昨日,京都第2向陽小学校の研究会が終わりました。東は東京から西は広島まで100を超える先生方が参加されました。算数日本一の学校を標榜する先生方の授業はいかがだったでしょうか。どのクラスからも,素敵な子どもたちの呟きが聞こえてきたのではないでしょうか。
研究会と同時に発刊された「算数の学校ができるまで」(東洋館出版社)は,なんと参加された方の半数の方がご購入されました。ありがとうございます。書店に並ぶのはもう少し時間がかかるようです。ネット購入が早そうですね。東洋館出版社の申し込みサイトは以下からお願いします。
いよいよ明日は京都府第2向陽小学校の研究発表会です。それに先立ち,本日,東洋館出版社より「算数の学校ができるまで」が発刊されました。私と第2向陽小学校の先生方でタッグを組んで作成した本です。読みやすいだけでなく,どのように校内研修を進めていけば学校全体の授業レベルが向上していくのかがまとめられています。こちらの本も,是非,お買い求めください。表紙も素敵な装丁に仕上がりました。こちらは東洋館出版社の北山さんのアイディアで教育書らしくない装丁を敢えて使ってみました。素敵ですよね!
企画本のお求めは,以下のアドレスからお願いします。
https://www.toyokan.co.jp/products/4105
2倍の拡大図の作図に取り組みました。先ずは三角形だけを提示します。子どもからは、次の声があがってきます。
「辺の長さを教えてほしい」
「それならできる」
「角でもできるよ」
「えっ?角だけだとできないんじゃない?」
その後、「3本の辺」「2本の辺と1つの角」「1本の辺と2つの角」の情報で作図ができるのかを確認します。いずれのパターンも、2倍の拡大図が作図ができました。
続いて四角形を提示します。当初は「4つの辺の長さが分かればできる」と声があがります。しかし、しばらくすると「待って、できないかも」「無理だ」と声が続きます。すると今度は、次の声が聞こえてきます。
「条件は5ついる」
「さっきのは条件が4つ。これではできない」
作図の情報の数を「条件」という言葉で表現する声が聞こえてきました。イメージしやすい表現です。この声をきっかけに、「辺が3本と角が2つならできる」「辺が2本と角が3つでもできる」という条件数に視点を当てた考えが生まれてきました。
そこで、これらのパターンを試していきます。その結果、条件が5つあれば四角形の2倍の拡大図が作図できることが見えてきました。
すると今度は、次の声が聞こえてきます。
「だったら五角形は条件が7つ」
「だって、三角形から四角形で条件は2つ増えた。だから、四角形から五角形も条件が2つ増えて7つになる」
「それなら、六角形は条件は9つになりそう」
図形の辺の数と拡大図を作図する条件数にきまりを見つけたのです。果たして、子どもたちの予想通りに作図の条件数は変化していくのでしょうか。
今週11月2日(水)は京都府第2向陽小学校の研究発表会です。
6学年の公開授業と私の講演があります。私の講演では,学校の校内研修がなぜ活性化しないのか,なぜ先生方の授業力が高まらないのかを,成功例である第2向陽小学校と比較しながら述べいきます。これまでの私の講座でも話してこなかった内容です。校内研修がうまく進んでいない学校の先生にも,是非お聞きいただきたい内容です。
お申し込みは以下からお願いします。
いよいよ私と京都府第2向陽小学校がタッグを組んだ「算数の学校ができるまで」(東洋館出版社)が発刊されます。本章の概要は以下の通りです。
・「すぐやる」
校内研究で講師から提案を受けても、それを「学校ぐるみ」で取り組んでいる学校はそう多くはないのが現実。しかし、第2向陽小学校はちがう。学んだ成果を「すぐやる」からこそ学校が変わる。
・「必ずやる」
講師の授業の「技」を自分たちの授業に積極的に取り組む。しかもどの教師も共通して取り入れる。学んだことは全員が「必ずやる」。
・「できるまでやる」
提案を受けたものでなくとも、公開授業で講師の授業を分析し、技を取り入れる。その上で教師全員に共有する。そして実際の授業で何度も何度も試す。まさに「できるまでやる」そのものである。
このような成功する校内研究の秘密を紹介。その鍵となるのは「学び合う教師集団」。学年団で校内研究をするだけではなく、「縦割り」と「メンター制」を導入。助け合い、学び合うための関係性の構築が強み。
授業改善の全施策を具体的に余すことなく紹介。テーマは、
「問いが連続する授業をつくる」
児童の思考によりそう授業をつくる
数学的な見方・考え方を意識した授業をつくる
さらに、全員の学力の定着を図る施策についても解説。
研究授業を担当する方はもちろん、研究主任や、ベテランの先生以外にも、「授業で学校を変えたい」という方におすすめです。
本書のお申し込みは,以下のアドレスからお願いします!
https://www.toyokan.co.jp/products/4105?variant=43870425022697
子どもたちに「校舎の高さは何mあるでしょうか」と投げかけます。
子どもたちが真っ先に動き出したのは、教室の床から天井までの高さを測定することでした。この高さを調べ、それを校舎が13階建てなので13倍しようと考えたのです。
椅子の上に乗ったり、頭の上に1m定規を載せたりしながら天井までの高さを調べていました。子どもたちの調査の結果、教室の高さは2.6〜2.7mであることが分かりました。しかし、階と階の間には隙間があります。この隙間を子どもたちは0.5m程度なのではないかと考えました。その結果、子どもたちの校舎の高さの予測値は、40〜46m程度となりました。
さて、実際の高さは何mなのでしょうか。今度はその測定方法を考えました。比を使った方法がいくつか発表されました。校舎と立っている人の高さと間の長さの比、校舎と立っている人の高さの割合、校舎と棒の陰の長さの比などを使った測定方法のアイディアが生まれてきました。どの方法でも、校舎の高さを求めることはできそうです。次回は、グラウンドで測定作業に取り組みます。果たして、子どもたちの予測値は正しいのでしょうか?
今日の午後は,大阪での国語の研究会に参加します。会場校は,かつて算数を研究教科に設定されていました。そこでの学びを国語にも応用して校内研修を進められています。今回取り上げるのは3年生「すがたをかえる大豆」です。この授業で,ズレを意識した授業展開が計画されています。さて,どんな授業が展開されるのか楽しみです。
かつて私は基幹学力研究会で国語と算数のジョイント研究会を行っていました。筑波大附属小学校の国語部の先生方とも随分と喧々諤々のパネルを行ってきました。国語も算数も授業作りも授業展開も基本は同じです。どこからでも攻めること,また代案を出すことは可能です!
2023年3月に明治図書から「図解 算数の授業デザインー主体的な学びを促す50のしかけ」が刊行されます。この休日は,この校正作業に取り組んでしました。
今回の企画本は「図解」というタイトルが示すように,授業作りのポイントを文章だけではなく,図解式での説明も加えている点が特徴です。例えば,やっていはいけない授業展開とおすすの授業展開を対比的に図解するページもあります。これだけでも「ドキッ」と感じる先生もいらっしゃるのではないでしょうか。
来年3月刊行です。お楽しみに!
昨日は大阪府吹田市の3年生に授業公開を行いました。教材は学校図書の教科書に掲載されている問題です。提示の仕方を少し変えることで,子どもたちの計算に対する興味が一気に高まっていきました。150名以上の先生方に囲まれた子どもたちでしたが,とても元気に45分間に渡り集中することができていました。
最後は,答えを教えないオープンエンドで終わりました。授業が終わった後も,「もっとやりたい」「答えはなんなの?教えて!」の大合唱でした。きっと今日の授業では答えに辿り着いたのではないでしょうか・・・。
お待たせしました。京都府向日市立第2向陽小学校の算数授業改革の軌跡を綴った企画本が,いよいよ11月2日に発刊されます。タイトルは,
「算数の学校ができるまで~ふつうの学校が挑んだ授業改革」東洋館出版社
です。私は第2章を執筆しています。第2向陽小学校の取り組みが他校のそれとはどこが違うのかを赤裸々にまとめました。他校の先生のは耳の痛い話かもしれませんが,正直な私の実感をまとめました。
11月2日に第2向陽小学校で開催される研究発表会では,全国で一番速く購入できるブースが設定される予定です。お楽しみに!
第2向陽小学校の研究会のお申し込みは,以下のアドレスからお願いします。
http://www.kyoto-be.ne.jp/2kouyou-es/cms/
昨日、京丹後市にあるプロ野球ヤクルト・阪神・楽天で監督を務められた野村克也元監督の母校で、公開授業と講演を行いました。校長室には、野村さんから寄贈された「敵在我」の書や「失敗(と書いて成功と読む)」の色紙が飾られていました。他にも野球セットを寄贈されたり、野村杯と呼ばれる子どもたちの野球大会も企画されていたそうです。母校を愛する野村イズムを実感できました。
3年生の子どもと、円の導入場面の授業を行いました。素直でかわいい子どもたちでした。授業後半は、会場である体育館半分を使って的当てが公平になる並び方を試してみました。子どもたちが公平だと考えた並びは、ほぼ円に近い形になりました。最後は、1人の男の子にステージ上からクラスメイトが公平に並べているかどうか判断してもらいました。マイクを通した「うまくできています!」の判定に、子どもたちも安心していました。野村克也元監督の魂を継いだ子どもたちと、楽しい1時間を過ごすことができました。
子どもたちに,次の問題を提示します。
「矢印をコピー機で拡大しました。正しく拡大したのはどれでしょう」
この問題だけで,子どもから次の声が生まれてきます。
「長さが分かればできる」
「角度も必要だよ」
「角度だけでいいんじゃないの?」
「角度が同じなのに,長さが違う図形があるんじゃないかな」
「辺だけが伸びているのがあるよ」
角度だけでは正しい拡大図を判定できないと,子どもたちは考えました。その反例の図も生まれてきました。その結果,「やっぱり,辺も角度もいるね」と子どもたちは考えました。
図を提示する前に,これだけのことを考えられる子どもたちの力に脱帽です。
ここで,今回の教材である元の矢印と,拡大後の4つの矢印を提示します。直感での判断では,バラバラになりました。その後,実際に長さなどを調べていきます。やがて,「1番だ」と声があがります。
1番の図形が正しい拡大図である理由を尋ねます。
「元の辺の長さと,1番の辺の長さはどこも2倍になっている」
「他の図形は,2倍になっている場所もあるけど,2倍じゃない場所もあるから違う」
「他の図形は,角度も違っているから正しく拡大していない」
これらの話し合いの中で,「長さだけでいいんじゃない」と声が上がります。正しい拡大図と判断するためには,辺の比が等しいことだけが分かればいいという声です。果たして,角度の情報は必要ないのでしょうか。
「角度の情報はいるの?」
と子どもたちに投げかけます。多くの子どもは,矢印の判断基準をもとに「辺だけでいいんじゃないの」と考えはじめした。ところがここで,K子が図(右端)を描きながら説明します。
「下と右の斜めの辺は2倍。矢印の三角の左の辺を少し右に傾けると,上の横の辺と左端の縦の辺が台形みたいになる。これも辺は2倍になっているけど,コピーにはなっていない」
K子は,反例の図をイメージできたのです。この図を見た子どもたちから「おー,確かに」と驚きの声があがります。素晴らしい反例の図です。このK子の説明で,拡大図を判定するには,辺の情報だけではなく,角度の情報も必要であることが明確になった1時間でした。
10月が始まりました。今年度も残り半年ですね。
今月は,京都と大阪の3年生に公開授業を行います。きっとかわいい子どもたちとの出会いが待っていることでしょう! 楽しみです。
11月2日に開催される京都府向日市第2向陽小学校との企画本も順調に仕上げ作業が進んでいます。こちらは11月2日の研究会でお披露目できる予定です!
算数授業づくりセミナーの申し込みアドレスは,以下のものです。こちらからお願いします。
算数授業づくりセミナーIn西宮 2022年11月23日(兵庫県) - こくちーずプロ (kokuchpro.com)
比の学習が進み,様々な文章問題に取り組んでいたときのことです。子どもから,「偶然かもしれませんけど…」という声が聞こえてきました。
なにかを発見したのです。その発見を聞いていきます。
「3:12は15:60でした。これを,ななめにかけて3×60をすると180で,反対の斜めも12×15でかけると180で同じ答えになる」
この発見を聞いて,「本当だ」「すごーい」と驚きの声があがります。それと同時に,次の声も聞こえてきました。
「さっきのもそうなっている。3:12=21:84も3×84と12×21は同じ答えだ」
最初の発見が,他の問題でも当てはまるのかを考えたのです。このような見方ができることもすばらしいですね。しかし,ここまでに確かめたのは2種類だけです。これだけでは,まだ見つけたきまりの一般性を確信することはできません。そこで,子どもたちに等しい比を自由に作らせ,見つけた決まりが当てはまるのかを考えさせました。しばらくすると,「同じ答えになった」という声が次々と聞こえてきました。きまりの一般性が確かめられました。それらの中のいくつかを板書させました。どの比でも,同じ答えになることが確かめられました。これは中学数学で学ぶ内容ですが,小学生でも自然にそのきまりを発見することはできるのです。
子どもたちに「画用紙を半分に折ると,角はどうなるでしょうか」と尋ねます。意図的に曖昧な発問を行います。この発問から,子どもたちは「どこの角のこと?」「どう半分に折るの?」と声をあげてきました。このように,問題の曖昧さを子どもに指摘させ少しずつ問題場面を明確にしていくことも,ときには必要です。
紫の大きな画用紙に対角線を1本引きます。そこと底辺の間にできる角が,本問題での角です。これで角の位置が確認できました。次に,画用紙は左右に半分に折ります。その半分になった画用紙にも,対角線が引かれ同じ位置に角が出現します。その角と,紫の画用紙の角との大きさを比べるのです。
多くの子どもたちは,「同じ長方形なのだから,角の大きさは変わらない」と考えます。一方,「なんとなく大きくなる」と感じている子どももいました。
さて,本当は角の大きさはどうなるのでしょうか。実際に紫の画用紙を半分に折って確かめます。すると,角は大きくなったのです。これには子どもたちもびっくりです。予想とのズレに出会ったからです。
すると,この結果から「だったら,もう半分に折ったらもっと角は大きくなる」と声があがります。角の大きさが,小→大と変化したので,次はもっと大きくなると考えたのです。多くの子どもが同様に考えました。一方,「小さくなる」「今と変わらない」という考えもありました。子どもたちの予想にはズレが生まれました。
そこで,さらに黄色い画用紙を半分に折ります。結果は,紫の画用紙と同じ角の大きさが出現します。こうなると,「分かった! 小→大→小→大が繰り返す」と角の大きさの変化の予想が生まれてきました。子どもたちも,今回の予想には自信満々です。そこで,ピンクの画用紙を半分に折り,角の大きさを確認します。結果は,子どもたちの予想通りとなりました。
さて,自信満々の子どもたちに赤い画用紙を提示し,「小と大,どちらの角の仲間かな?」と尋ねます。茶色い画用紙から,一気にジャンプしたのが赤い画用紙です。このままでは,何回折ってできた形なのかは分かりません。すると,「辺の長さを教えてほしい」「赤と紫を教えてほしい」と声が聞こえてきました。そこで,赤は2㎝×3㎝,紫は32㎝×48㎝であることを教えます。すると,「小さい方の仲間だ」と声があがります。そこで,その根拠を尋ねます。
「横の長さは,3㎝が48㎝だから16倍。縦の長さは,2㎝が32㎝だから16倍」
「縦も横もどちらも16倍だから,小さい角の仲間」
「赤の横の3㎝は縦の2㎝の1.5倍。紫の横48㎝は縦の32㎝の1.5倍。どちらも1.5倍だから,小さな角の仲間」
「黄色の横の32㎝は縦の24㎝の1.333・・・倍だから,倍の数が違うから同じ仲間じゃない」
縦の辺同士と横同士の割合,また,縦と横の割合で比較する2つの見方が生まれてきました。これらは「比」の学習につながる見方です。「比」の導入を,画用紙を使って展開した1時間でした。
以下の日程で,算数授業づくりセミナーを西宮市で開催します。興味のある方は,以下のアドレスからお申し込み下さい。
算数授業づくりセミナーIn西宮 2022年11月23日(兵庫県) - こくちーずプロ (kokuchpro.com)
子どもに算数を好きになってもらいたい、クラスみんなで学べる授業にしたい、算数の授業を少しでも良くしたいと思う先生のために、教科書を通して、その視点や方法を一緒に考えるセミナーです。
山本先生と樋口先生の模擬授業後の協議会では、会場の皆さんも一緒に授業について考えていきます。最後は、授業名人であり多くの書籍を出版されるなど幅広くご活躍されている尾﨑正彦先生にご講演をいただきます。オンラインはなく会場開催のみです。ぜひ皆さん会場にお越しください!
※新型コロナウイルス の感染拡大状況によっては、延期まはたオンライン開催に変更となる可能性がある旨、予めご了承ください。
※本セミナーは、小学校の先生および教育委員会・教育センターにお勤めの方、または先生を目指している学生の方が対象となります。
<日時>
2022年11月23日(水)12:50~16:20(12:30受付開始)
<テーマ>
「教科書を活用した"わかる"が生まれる授業」
<開催場所>
兵庫県西宮市勤労会館 第8会議室
(〒662-0912 兵庫県西宮市松原町2-37)
※JR西宮駅から徒歩約7分。阪神西宮駅から徒歩約8分
※会場は感染症対策を講じたうえで開催します。
<講師>
尾﨑 正彦 先生 (関西大学初等部)
樋口 万太郎 先生 (香里ヌヴェール学院小学校)
山本 正貴 先生 (兵庫県公立小学校)
久保田 健祐 先生(兵庫県公立小学校)
<プログラム>
12:30~12:50 受付
12:50~12:55 開会行事
12:55~13:20 山本正貴先生 模擬授業 3年生「三角形と角」
13:20~13:55 協議会、質疑応答、リフレクション(司会:久保田健祐先生)
14:05~14:30 樋口万太郎先生 模擬授業 5年生「図形の面積」
14:30~15:05 協議会、質疑応答、リフレクション(司会:久保田健祐先生)
15:05~15:15 休憩
15:15~16:15 尾﨑正彦先生 講演「なにがわかれば、"わかる" 授業なのか」
16:15~16:20 閉会行事
※スケジュール、内容は変更になる場合がございます。
<参加費>
2000円 ※当日会場にてお支払いください。
L字型の立体の体積を求める問題は、教科書にも掲載されています。縦分割・横分割・直方体と見立てて増やした部分を引く方法が、一般的な考え方です。ところが子どもたちは、私の想定を超える様々な求め方を考えました。子どもの発想の柔軟さにびっくりしました。思わず「すばらC」マークを連発しました!
11月2日(水)に京都府向日市第2向陽小学校で開催される研究発表会の新しい申し込みアドレスをお知らせします。
研究テーマ「子どもたちの問いを大切にした算数の授業」~数学的な見方・考え方を生かして、より深い学びの実現へ~
お申し込みは,以下のアドレスからお願いします。
辺の長さの合計が同じ3つの立体の体積を求めていました。これまでに直方体・三角柱の体積を求めました。いずれも24㎤でした。残るは底面が菱形の四角柱です。
この立体の体積の計算に入る前に,子どもたちは三角柱の底面を4分割すると,それが菱形の底面の1つの部分になるから体積は同じになるのではないかと考え始めました。具体的な長さがなくても,ここまで考える子どもたちの力にびっくりしました。
さて,子どもの予想通りに体積は,これまでと同じになるのでしょうか。菱形の対角線の長さを提示し,計算を進めます。
「4×3÷2×4=24」
この式の「4×3÷2」の部分は,菱形の底面の高さ1㎝分の体積であることを確認します。従って,先の式を言葉の式に置き換えると,「底体積×高さ」となります。底面積を何個積んでも,薄いままだと子どもが考えたからです。
3つの立体の体積はいずれも24㎤になりました。そこで,子どもたちに次のように尋ねます。
「周りの辺の長さが同じ立体なら,体積はいつでも24㎤なのですね」
これにはほとんどの子どもが「そうじゃないのもある」「菱形は潰したら細くなるから,体積も小さくなる」などと,声をあげてきます。具体的な図形がイメージできている子どももいます。
そこで,ノートに自分がイメージする見取り図を作図させ,長さを入れて体積を計算していくことにしました。やがて,「24㎤より小さい体積がありました」「24㎤より大きいのもありました」などと声があがってきました。
子どもたちが最もシンプルと考えたのは,一辺が3㎝の直方体です。この体積は27㎤なので,これまでの3つの立体よりも大きい体積になりました。この他にもたくさんの24㎤以外の体積の図形が発見されました。
前回の3つの立体の体積問題の続編です。 授業冒頭に,次の声があがります。
「全部,同じ。この前のケーキの問題と同じ。正方形の中に1つの円,4つの円,9つの円が入った面積は,全部同じだった。この問題もそれと同じじゃないかな」
円の面積の学習とつなげたよい考え方が生まれてきました。一方,次の声もあがってきます。
「円は全部が同じ形。でも,今回は形が違うから同じとは限らない」
これもよい視点です。
その後,新たな視点が生まれてきます。
「三角柱は2でわるから,体積は他の立体よりは小さくなる」
「高さが同じだとしたら,直方体の底面の長方形と四角柱の底面のひし形は同じ長さ。でも,ひし形は長方形をつぶした形だから面積は小さくなる。だから,四角柱の体積は小さい」
ここまでくると,子どもたちの視点は底面の面積に焦点化します。代表の子どもが,立体の実物の底面を合わせて大きさを確かめます。その結果,底面が長方形と三角形は面積が同じように見えることが分かりました。そうなると,長方形と三角柱の体積は同じで,四角柱はそれよりも少し小さいと子どもたちは考え始めます。
そこで,辺の長さを提示していきます。簡単に計算できると考えた直方体から考えます。高さ3㎝,縦2㎝,横4㎝なので,2×4×3=24(㎤)と計算できます。
するとここで,「でも,三角柱の体積はどうやって求めるの?」と声があがります。ここでは,「簡単」という声と「どうやるか分からない」と2つの声が聞こえてきました。そこで,三角柱の体積の求め方を考えます。
「もし高さが7㎝の三角柱だとします。底面積が15㎠なら,1段目は15㎤。これが,1段,2段…7段とあるから,15㎤×7で計算できる」
形式的に「底面積×高さ」と考えるのではなく,高さ1㎝の1段目の体積が高さ分あるという考え方が生まれてきました。体積の学習の基本に立ち返った素晴らしい考え方です。
この考え方で三角柱の体積を求めると,24㎤となりました。ここまでは子どもたちの予想通りです。残るは四角柱のみ。こちらは時間切れで次回となりました。
体積の基本的な考え方をベースにした見方・考え方が生まれた1時間でした。
提示したのは,直方体・三角柱・四角柱(菱形)です。まずは,直感で判断をさせます。多くの子どもは,「3つとも同じ」と考えました。一方,直方体と四角柱は同じで三角柱は小さいと考える子どももいました。
なぜ,三角柱の体積は小さいと考えたのでしょうか?
「三角柱は,四角柱を半分にするから,体積は小さくなる」
「辺の長さの合計は同じ。でも,底面の三角形の面積は底辺×高さ。高さは三角形の辺の中になるから,外の辺より短くなる。同じ長さの辺なのに,内側の高さは外の辺より短くなるから長さの損をしているから,体積は小さくなる」
なるほど!子どもらしい発想です。
一方,次の声もあがります。
「直方体が一番大きい。底面の長方形とひし形を重ねたとすると,ひし形は長方形の中に入るから,体積は小さくなる」
「本当にひし形は長方形の内側に入るの?」
底面の大きさで比較しようという発想です。しかし,この時点では長方形がひし形よりも大きいかははっきりとはしません。
すると子どもたちは,直方体と四角柱の底面の大きさを比較したいと考えました。そこで,2つの立体の底面を重ねてみます。すると飛び出す部分と引っ込む部分があることが分かりました。これらが凸凹が相殺されるなら,体積は同じになるのではと子どもたちは考え始めます。
最終的な子どもたちの考えは分裂したままでした。意図的に具体的な辺の長さを提示しないことで,子どもたちは深く考えていくことができました。25分間の体積授業の導入場面でした。
子どもたちに「大山古墳の面積を求めよう」と投げかけます。古墳の地図を配り,面積を求め始めます。ところがしばらくすると,「正確に求めるのは無理だよ」「それなら,ある程度でいいんじゃない」と声が続きます。古墳には凸凹があったり,既習の多角形ではありません。そこで,およその形と捉えて面積を求めようと考えたのです。
多くの子どもは,古墳の下部を台形か長方形,上部を半円と捉えることで面積を求めました。多くの子どもは,50万㎡前後の面積になりました。
次に,好きな都道府県を1つ選択させ,その面積を計算させてみました。「沖縄」という声がかなりありましたが,「でも,島がたくさんあるよ」「だったら東京」「東京も小笠原諸島があるよ」などの鋭い指摘があがってきます。
子どもたちは,県の形が長方形や台形などに見立てやすいところを探していました。岩手県・秋田県・香川県などが,子どものわかりやすさ度では人気がありました。
計算後は,地図帳の県別データで答え合わせを行いました。多くの子どもが,本当のデータに使い計算結果になりました。子どもの力はすごいですね!
11月2日(水)13時30分から,京都府向日市立第2向陽小学校で算数科教育研究発表会が開催されます。私と田中博史先生,小松信哉先生が長年指導に入らせていただいている学校です。第2向陽小学校の算数教育レベルは,日本の公立学校の中でも群を抜いています。「日本一の算数学校」を標榜できるレベルまで高まっています。「公立学校の奇跡」と言っても語弊がないほど進化した第2向陽小学校の研究会に,是非おいで下さい。6学年の公開授業が行われます。私は,第2向陽小学校が進化した秘密を解き明かす講演を行います。
研究会では,これまでの学校改革をまとめた本が発売予定です。私と第2向陽小学校の先生がで共同執筆しています。こちらもお楽しみに!
詳細・申し込みは以下からお願いします。
円の面積問題も大詰めです。子どもたちに円形の円の折り紙を配ります。これを使って、円の面積の概算ができないかを考えました。
円の折り紙を16分割して並べ替えると、平行四辺形もどきが完成します。これを平行四辺形だと考えれば、面積を求めることができます。底辺は、円周の半分です。高さは半径です。 従って、「円周の半分×半径=直径×円周率÷2×半径」という式になります。この式を見た子どもから、「直径÷2で半径になる」という気づきが生まれてきました。この声をもとに、先の式を変身していくと、「半径×円周率×半径」となります。
円形の折り紙を使って、円の面積の公式を見つけ出す時間となりました。
対面でサークル「わっしょい」主催の講座を終えました。
私のクラスで行った授業を,参加の先生方にも体験していただきました。対面だと,先生方の「なんで?」「あれ?」「わかった」などの小さな呟きや不安そうな表情が手に取るように分かります。この反応は子どもと全く同じです。これらの反応を授業の舞台に載せていくことで,授業は活性化していきます。
授業とは本来は子どもの反応をもとに,瞬間瞬間で作り変えていくべきものです。対面ではこれができます。オンラインでは,子どもたちや先生方の反応を見るのは難しいですね。
今日の午後は西宮市で開催される「わっしょい」サークルの講座です。算数授業と学級経営を軸に2コマ担当します。これがこの夏最後の講座です。
現在,私は新潟にいます。これから飛行機で大阪空港に入り会場に向かいます。ご参加の先生方,対面でお会いできるのを楽しみにしております。
昨日,新潟算数夏祭りが終わりました。対面とオンラインのハイブリッド開催でした。対面で参加された先生方とは,夏祭り終了後も30分ほど参加者全員で座談会的なディスカッションを行いました。夏祭りの時間帯には聞けなかった本音が,たくさん聞けました。また,ディスカッション終了後には,佐渡の小さな小学校の先生と算数実践についてじっくりと語り合いました。対面のよさは,会が終了したあとにもこのようなつながりの機会がもてるのがいいですねえ。
また,次回の夏祭りでお会いしましょう!
昨日は,新潟県柏崎市の小学校3年生に授業を行いました。2枚の大小の折り紙を落としたら,どちらが早く落ちるのかを考えさせました。子どもの予想は,見事に分裂!
そこで実験をして確かめることにします。ポートボール台に乗って,大きい折り紙を手に持ちました。それを見た子どもから,「なんで2つ落とさないの?」と素敵な声があがりました。それに対して,「8月26日は折り紙を2枚同時に落としてはいけない日だよ」と返しました。すると今度は,「じゃあ,どうやって調べるの」「タイムを測ったらいいの?」「1,2,3,4とか・・・」「でも,いち・にい・さんと,いーち・にーい・さーんだとだめだよ」と素敵な声が次々と聞こえてきました。
その後は,目には見えない時間を見えるようにするためには,全員が同じリズムで「1,2,3,4」とカウントする必要性があることなどを話し合いを通して明らかにしていきました。
秒の単位の必要性やその単位の普遍性に気付かせる授業でした。柏崎の素敵な子どもたちの反応であっという間に1時間が終わりました! 子どもの素直さやかわいさは日本全国同じですね!
また,この日は私が新潟市で教員時代を過ごしていた時の同僚とも再開しました。当時新採用だった先生が,今では教頭先生とお伺いしてびっくり!とても素敵な教頭先生に成長されていました。時間の経過の速さも実感した柏崎訪問でした!
8月はオンラインでの研修会をかなり行いました。オンラインですので,主催者の地域も様々です。主催者の方はお気づきにならないでしょうが,私は全国各地のオンライン研修に参加していますので,地域によるその進め方などの差を大きく感じています。これは,対面でも同じなのですけどね。
8月のオンライン研修を通して,子どもたちの学力の高さとオンライン研修のあり方に相関関係があるのかもしれないと感じるようになりました。「オンライン研修のあり方」ってなにと思われるかもしれませんね。その詳細はここでは述べません。是非,先生方にも考えていただきたいなあと考えています。
この部分については,11月に東洋館出版社から発刊される京都府第2向陽小学校との共著本にもまとめています。是非,お読みください!
オンライン研修だからと休憩モードで参加していると,子どもの学力に影響するかもしれませんよ!
先週末,私の故郷・佐渡島で開催された世界的和太鼓集団・鼓童のアース・セレブレーションに参加してきました。3年ぶりの対面でのコンサート開催でした。過去2年間は,オンライン開催でした。
小木港近くの港公園での屋外コンサートでした。オンラインでは決して体感することができない太鼓の響きを,「ドスン・ドスン」と体全体で感じることができました。演奏している鼓童メンバーの方々の表情も,本当にうれしそうでした。やはり目の前にお客さんがいる中で演奏できるのは,この上もない喜びなのでしょうね。
コロナ感染が拡大してから,研修会もオンラインが増えました。遠方から参加できるメリットはあるものの,やはり対面開催の方が,そこで感じる空気感や学びの質の深さに違いがあるように感じています。今回のアース・セレブレーションへの対面参加で,一層そのことを実感することができました。
佐渡の小木地区は鼓童とともに街の歴史を歩んできました。アース・セレブレーションが開催される3日間は,街に外国からのお客さんがあふれ「ここはどこの国?」と勘違いするほどの熱気に包まれます。シャッター商店街が多い中で,小木地区にはたくさんのお店が,今も元気で営業を続けています。江戸時代に北前船で栄えた歴史を生かした商店街は,とても魅力的です。おいしいお蕎麦や海鮮,古民家を改装したかわいいカフェもあります。来年も8月にアース・セレブレーションが開催されます。是非,対面で参加し,和太鼓の素晴らしさを実感されてはいかがでしょうか?
夏休みももうすぐ終わりですね。今週末は,新潟県柏崎市の3年生に公開授業を行います。柏崎市での授業は初めてです。そんな子どもたちとの出会いが待っているのか,楽しみです。
私の教材の準備は完成しました。あとは子どもたちが,どんな反応をしてくれるのかを待つのみです! 今回は参加される先生方には,事前には指導案を配布しません。先生方にも,子ども目線になっていただき参加してもらいたいと考えるからです。もし自分が子どもだったら,ここでどんな反応をすればよいのかなどと考えながら参加することも,悪くはないですよ!
島に籠って執筆を進めた本は,もう1冊あります。算数の授業の作り方のあらゆる疑問に,360°の全方向からお答えする内容の本です。今回は,「図解式」のタイトルの通り,イラストや図を多用して,その部分だけを見ても内容がすぐに分かる体裁になっています。
こちらは来春,明治図書から刊行予定です。お楽しみに!
お盆休みが終わりました。いかがお過ごしでしたか?
私は山ではなく島に籠って,原稿を書いていました。11月,京都にある第2向陽小学校が算数からの学校改革の本を,東洋館出版社から刊行します。私が長年にわたって,校内研修にかかわっている学校です。
当初はあまり「話せなかった」子どもが,今では元気に「話せる」子どもへと変身していきました。その秘密を,私と第2向陽小学校の先生方で共同執筆していきました。
11月2日に第2向陽小学校で研究会が開催予定です。その際に,本のお披露目も予定されています。
第2向陽小学校が行ってきた校内研修は,表面的に見たらどこの学校も取り組まれていることなです。それにもかかわらず,第2向陽小学校の変革は別格なのです。その秘密を,私は述べていきます。どんな本になるのか,お楽しみに!
新潟祭りは延期されましたが,算数夏祭りは開催します!
日時:8月27日(土)13時~16時20分
会場:新潟市立中央図書館(ほんぽーと)&Zoom
会費:1500円
テーマは,
「キーワードに振り回されるな!!~本当に子どものためになる教育ってなんだろう?~」
です。「個別最適」「協働的な学び」など,次の学習指導要領のキーワードと呼ばれる言葉がすでに氾濫しています。「見方・考え方」「主体的・対話的で深い学び」が今回の学習指導要領のキーワードですが,この言葉はすでに過去のもの?
残念ながら,これらのキーワードはすべて国から降ってきたものです。現場からの声で創り上げられたものではないのでは? 今回の会では,これらのキーワードを吟味するとともに,本当に子どものためになる授業の進め方とはなにかを,実際に毎日授業を行っている授業人だからこそ発信できる内容を軸に,参加される先生方と考える会にしていきます。
今回も新潟の熱き算数人とコラボします。また,ハイブリッド開催ですので,遠方の先生も参加可能です。
参加お申し込みは,以下のアドレスからお願いします。
https://www.kokuchpro.com/
昨日は,全国算数授業研究大会でした。私のクラスの授業提案を行いました。久々のパネルディスカッションも盛り上がりました!
さて,久しぶりに東京に集まって会を開催出来ました。3年振りに再開する先生方も多くいらっしゃいましたが,それを感じさせない空気感がありました。1日の対面開催でしたが,様々な話題で盛り上がりました。授業のことだけでなく,各地域の教育問題,研修の依頼など対面でなければ広がらない話題が自由にできるのが対面のよさですねえ。
来年はもっと多くの先生方を会場に入れた開催ができたらと考えています。対面で参加いただいた先生も,オンラインで参加いただいた先生も,本当にありがとうございました。また来年,お会いしましょう!
明日,8月9日(火)は全国算数授業研究大会です。3年振りに限定100名ですが,会場となる筑波大附属小学校への参加ができることになりました。この夏,対面講座,オンライン講座といくつか体験してきましたが,やはり対面が一番進めやすいですね。これは子どもたちとの授業でも同じです。
明日は,私の2年生「分数」の授業提案(ビデオ)もあります。さてさて,どんな授業が展開されるのかお楽しみに!
今日は淡路島で,学級経営と算数授業作りの研修会でした。昼食をはさんでたっぷり4時間の講座でした。地元淡路島の先生方だけでなく,島外の先生方も明石海峡大橋を渡って参加されていました。橋がある島は,本当に便利ですねえ。私の故郷・佐渡島は橋がありませんので…。
今回は学級経営の奥の奥までお伝えしました。参加された先生方の反応もすばらしく,愉しく4時間が過ぎました!
今日は淡路島の小学校5年生に授業公開を行いました。11人の子どもたちと,それを倍以上上回る先生方に囲まれて,子どもたちも最初は随分と緊張していました。
「小数と分数」単元の導入場面の授業でした。硬かった子どもたちも,後半ある女の子がきまりを発見してから動き出しました。ちょっとしたきっかけで子どもたちは変わっていくのですねえ。授業の難しさや楽しさを実感した1時間でもありました。
明日は淡路島で学級経営&算数講座です。ご参加の先生方,淡路島でお会いしましょう!
先日,私が講演を行った長岡算数教育を語る会で夏の算数フォーラムが開催されます。講師は,筑波大附属小の森本先生です。算数を熱く愛する先生です。
8月21日(日)14時~ アトリウム長岡&オンライン併用
是非,ご参加ください。詳細は,以下のアドレスからお願いします。
https://forms.gle/gryhkwPYYwixYxTc8
もうすぐ8月ですね。8月は淡路島と新潟県柏崎市で授業を行います。淡路島は校内研修,柏崎は市の全体研修です。淡路島は5年生,柏崎は3年生の子どもたちとの授業です。さて,どんな子どもたちとの出会いが待っているのでしょうか。楽しみです!
多くの学校が夏休みに入ったのではないでしょうか。
さて,先日スタディサプリ関係者による感謝祭が東京で開催されました。その中で,スタディサプリが順調に視聴者数を伸ばしていることが報告されました。神授業の講師陣による授業のオンデマンド配信がこれからに時代のニーズに合致していることを証明するデータだと考えられます。
今回の感謝祭の中では,ある高校でのスタディサプリ活用の取り組みが紹介されました。その高校では,スタディサプリ動画視聴を授業に取り入れていることや,夏休みや週末の課題としてスタディサプリを使って予習や復習に活用することが教師から提示されている事例が報告されました。
スタディサプリというと,家庭で学校の授業の予習・復習用に取り組むというイメージがあるかもしれません。しかし,高校では授業時間帯や教師からの宿題としてスタディサプリが活用されているのです。この波は,いずれ義務教育である小中学校にも波及してくるのではないでしょうか。小中学校ではすでに1人1台のタブレットが完備されています。環境面の整備は十分にできています。あとはタブレットでどんなコンテンツを活用することが,子どもの学力を高める上で最も効果的かを考える時期です。
これまではタブレットを使っていればよかったのかもしれません。子どもはタブレットを触ることが「好き」ですから。しかし,その「好き」は残念ながら授業内容に対する「好き」ではありません。そろそろ「好き」の中身を教師がしっかりと考え,授業内容の充実へとシフトを変える時期です。その意味では,スタディサプリは有効なコンテンツとして活用できるのではないでしょうか。
前述の高校では,スタディサプリ動画を視聴したことで,歴史に対する興味が向上し,それが模擬テストの得点向上にもつながり,最終的には希望した以上の大学に合格したという実績が報告されていました。
タブレットを活用するのであれば,授業内容を「好き」になり,さらに学力も向上するというコンセプトで授業デザインを行うことが必要ですね。
正多角形の面積の面積を求めてきました。辺の数が増えると,面積も大きくなりました。この事実から多くの子どもたちは,円の面積が最大になると予想しました。しかし,正多角形とは異なり,円には「底辺がないから,どうやって面積を求めるの?」と子どもたちは問いを持ちました。
そこで生まれてきたアイディアが,円を1/4の扇形に切ってその部分の面積を先ずは求めようとするものでした。
「扇形の中に,三角形をたくさん描いていきます。そうすると,底辺の当たる部分はほぼ直線に見えます」
「切った三角形を横に並べます。高さは同じだから,(上の頂点を)くっつけたら1つの三角形になる」
「底辺の演習が32㎝だから,それを4でわって8㎝」
「高さは半径になる」
「1/4じゃなくて,円全部の中の三角形を互い違いにくっつけたら,長方形みたいになる」
「そうしたら面積は,半径(高さ)×(円周÷2)になるね」
「円周は,半径×2×3.14だから,さっきの式は,半径×半径×2×3.14÷2=半径×半径×3.14になる」
子どもの中には,三角形に分割して並べ替えると長方形になるということは,イメージとしては理解ができても,実際には底辺が凸凹になると考える子どももいました。
そこで,実際に円の折り紙を折り込んでから切り分け,並べてみました。すると,「あれ,長方形に見える」「以外に長方形」と驚きの声があがりました。
長方形や三角形に置き換えることで,円も概算ではありますが面積を求められることが分かった時間でした。
前回の授業の最後の問いを子どもたちに投げかけます。
「辺の数が増えると,面積も増えるのでしょうか」
これまでの結果から,この問いについては子どもたちも面積は増えると考えています。しかし,この考えから「だったら,円の面積が最大になる」という前時にも生まれた反応についての考えには,ズレが生まれました。
「もし正五角形なら,それは円の中に入って隙間ができるから,円の方が面積が大きいよ」
「周りの長さはどちらも同じだから,円と正五角形は中に入る場所と飛び出す場所がある。だから,隙間が埋まったり逆になったりするから面積は同じになるかも」(K男)
「そうかあ,それなら円が最大とは言えないかも」
K男の考えで,子どもの考えは面積は同じに揺れ始めます。おもしろくなってきました。
先ずは,正多角形と面積の関係を確かめていきます。
正八角形の面積は76.8㎠,正十六角形の面積は80㎠,正三十二角形の面積は81.6㎠と増えていきました。この結果から,子どもたちは次のように考えました。
「面積は増えてきたね。でも,増え方は減ってきたね」
「でも,円で面積が減るということはなさそうだね」
「やっぱり円が最大になりそうだね」
「極限まで角が増えたら,円に近づきそうだね」
「円の面積はどうやって求めたらいいんだろうね」
「円を無理矢理三角形に分けたらいいのかなあ」
円の面積が最大になりそうだということは,見えてきました。しかし,その面積をどのように求めたらいいのかが問いとなりました。三角形に分割するアイディアが生まれてきました。ここで時間切れとなりました。次回は,ここからスタートです。
子どもたちに次のように投げかけます。
「周りの辺の長さが同じ正三角形と正方形,面積が大きいのはどちらでしょうか」
具体的な長さは,この時点では意図的に提示しません。すると子どもたちが話を始めます。
「辺の数が多いから正方形の方が面積が大きいよ」
「でも,三角形の方が辺の長さは長いから,そうとは言えない」
「三角形の面積は底辺×高さ÷2。三角形の高さは一辺の長さよりも短くなるから,三角形の面積は小さくなる」
具体的な数値がなくても,このように子どもたちは論理を深めていくことができるのです。
さて,子どもたちの予想が正しいのか実際の長さを提示し,計算をしていきます。周りの辺の長さの合計は32㎝です。計算を行うと,三角形は49.752㎠,正方形は64㎠となり正方形が圧倒的に大きいことが分かりました。
続いて,「正方形と正五角形では,どちらの面積が大きいかな」と尋ねます。すると今度は,先ほどとは異なる反応が生まれてきました。
「辺の数が増えていくと,角の大きさがとれていくみたいになるから,小さくなるんじゃないかな」
「円に近くなるね。だから,円に近くなると面積大きくなるんじゃないかな」
「えっ,そうかな。円に近づくと小さくなるんじゃないの」
「円の中に正五角形と正六角形が入るとすると,正五角形は隙間が大きいけど,隙間の数は少ない。正六角形は隙間が小さいけど,隙間の数は多い。だから面積はどこかで同じになる?」
円という同じ図形をイメージしているのに,面積のイメージは真逆の反応が生まれてきました。想定外の反応でしたが,子どもの考えはおもしいですねえ。さて,これらの話し合いを受けて,子どもの考えは面積は同じに揺れ始めます。おもしろくなってきました。
そこで,正五角形の面積を求めます。結果は,70.4㎠となります。子どもからは「えー」「なんでえ」という声もあがってきました。予想とのズレに出会った声です。
今度は,この結果から新たな考えが生まれてきます。
「だったら,正〇角形の角の数が増えたら面積も増えるんじゃないかな?」
よい予想が生まれてきました。しかし,ここで時間切れとなりましたが,よい考え方が生まれてきた1時間でした。
今週は北海道帯広の小学生と授業を行いました。円の導入場面です。3年生の素直でかわいい子どもたちでした。
想定外の反応がありましたが,しばらくすると子どもから「あれ,なんか変!」と声があがり,想定外の場面を乗り越えることができました。正直あせった場面でしたが,こちらに子どもを待つ姿勢があれば,解決策は子どもから生まれてくることを実感した瞬間でした。
普段はあまり活躍しない子どもたちが,大活躍をしてくれたようです。「いままで一番楽しい算数だった」とうれしい声が最後に聞こえてきました。この一言が聞こえるだけで授業をした甲斐があったなあとうれしくなります。
8月28日(日)に兵庫県で「2学期スタートダッシュセミナー」を開催します。
会場は,西宮市立生活文化会館です。12時30分〜の開催です。
兵庫県の算数大好き先生と私のコラボ企画です。詳細は,以下のチラシをご覧下さい。申し込みも,以下のQRコードからお願いします。
子どもたちに,次のように投げかけます。
「グラフの50年後を予想しよう」
この時点では,まだグラフは提示していません。それにもかかわらず,子どもたちは次々と話し合いを進めていきます。
「どんなグラフか分からないと予想できない」
「どうやって予想したらいいの?」
「例えば,1年前が32mで,今が35mだとします。3mずつ増えたから,1年後は38mと予想ができる」
「でも,32mから35mに増えたとしても,次は違う増え方かもしれないから,もっとデータがほしい」
「1,3,5,8みたいな変わり方もあるからデータは多く欲しい」
「円安・円高みたいに同じきまりで変わらないものもあるよ」
これらの話し合いから,先を予測するためにのデータ数は多いほどいいということが見えてきました。
ここで,データを提示します。人口ピラミッドの1950年のものです。社会科でも目にした子どもがたくさんいました。
「子どもが多い」「だいたいピラミッドみたいになっている」
「線対称みたい」
これらの気付きが生まれてきました。
次に,2000年のデータを提示します。
「子どもが減った」
「大人が増えた」
「1950年の時に子どもだった人が,50歳位になっているから50歳当たりが多い」
「それなら,また50年後は50歳位の大人がそのまま上に行くということだね」
1950年,2000年の2つの年代のグラフを提示することで,自然と子どもからさらに50年後を予測する声が生まれきました。
そこで,白紙の人口ピラミッド用紙を使って2050年の人口ピラミッドを予測しました。多くの子どもは,老人の人口が多くなってました。「医療が発達するから,亡くなる人は少なくなる」と老人が増える理由を予測する子どもたちもいました。
データをもとに根拠を明確にし,その先の未来を予測する学習に取り組みました。子どもたちが予想したデータの答え合わせは,28年後にできます・・・。
子どもたちに次のように投げかけます。
「今の子どもは昔に比べると体力が落ちていると言われています。本当でしょうか」
子どもたちは,この問いかけに次のように考えました。
「お母さんが,子どもの頃は外で遊んでいたと言ってたから本当」
「昔はゲームがなかったから,外で遊んだから本当」
これらの指摘は最もです。しかし,これで本当に体力は落ちたと断言できるのでしょうか。すると,子どもからは「データがほしい」と声があがってきます。そこで,子どもたちに右のデータを提示します。これは,学校図書の教科書に掲載されている「今と15年前の6年1組のソフトボール投げ」の記録です。このデータをどのように分析するのかは,子どもに任せました。ただし,3つの視点で分析し,自分なりの結論を出すことを条件として提示しました。
子どもたちは,これまでに学習した「平均」「ドットプロット」「度数分布表」などを作成し,さらに「最頻値」「中央値」「最大値」などの視点でデータに向き合っていきました。2時間,子どもたちはじっくりとデータに向き合い,自分の結論をノートにまとめていくことができました。多くの子どもは,ノート2ページに渡り考えをまとめていきました。
その後,子ども同士でノートを交換し,お互いの分析結果を読解する時間を設定しました。交換後は,友だちのノートに刺激を受けて自分の分析レポートを修正する姿も見られました。こんな前向きな姿勢も素敵ですね。
全国算数授業研究大会が8月9日(火)に開催されます。今回は,3年ぶりに対面での参加募集(100名限定)も行います。また,オンラインでの参加も併用します。
本大会では,私も授業ビデオの提案を行います。久々の対面での実施ですので,私もどんなパネルディスカッションが開催されるのかワクワクしています。
参加申し込みは,以下のアドレスからお願いします。
全国の算数のエキスパートが集結! 東西の授業名人の授業など、対面&オンラインで同時公開!
2年「分数」尾﨑正彦(関西大学初等部)、5年「面積」青山尚司(筑波大学附属小)。
大会名: 第33回 全国算数授業研究大会
日 時: 2022年8月9日(火) 08:50-16:40
テーマ: 今こそ問う、個を大切にする授業とは
授業者: 2年「分数」尾﨑正彦(関西大学初等部)
5年「面積」青山尚司(筑波大学附属小学校)
時 程:
08:20-08:50 待機室入室開始[オンライン]/受付開始[対面]
08:50-09:00 開会の挨拶
09:00-09:40 基調提案&シンポジウム
提案者: 盛山隆雄 (筑波大学附属小学校)
平川 賢 (昭和学院小学校)
河内麻衣子(東京都・豊島区立高南小学校)
09:55-11:20 授業ビデオ公開&協議会 5年「面積」
授業者: 青山尚司 (筑波大学附属小学校)
司会者: 永田美奈子(雙葉小)
協議者: 小泉 友 (東京都・立川市立幸小学校)
中村 佑 (宮城県・仙台市立八幡小学校)
11:20-11:40 休憩、移動(オンライン参加者)
11:40-12:00 ワークショップ1 <セッションA/7講座>
12:00-13:20 昼食・休憩
13:20-13:40 ワークショップ2 <セッションB/7講座>
13:55-14:35 Q&A講座 <セッションC/12講座>
14:35-14:50 休憩、移動(オンライン参加者)
14:50-16:15 授業ビデオ公開&協議会 2年「分数」
授業者: 尾﨑正彦 (関西大学初等部)
司会者: 森本隆史 (筑波大学附属小学校)
協議者: 江橋直治 (国立学園小学校)
千々岩芳朗(福岡県・田川郡香春町立香春思永館)
16:15-16:30 会長総括 夏坂哲志 (筑波大学附属小学校)
16:30-16:40 閉会の挨拶
主 催: 全国算数授業研究会
協 力: 東洋館出版社
参加費: 4,000円
開催形態: オンライン&対面 ハイブリッド開催
・オンライン参加(500名まで): Zoomウェビナー,Zoomミーティングを利用
・対面参加 (100名限定) : 筑波大学附属小学校にて開催
※ 現在準備中 対面参加時の検温等について、会場校と最終調整をしています。
申込締切:
・オンライン参加: 8月8日(月)まで
(入金確認が取れ次第、会員ページの[購入済みコンテンツ]内で当日の資料とZoom情報をダウンロードできるようになります。コンビニ決済を選択された場合はお早めに入金をお願いいたします。)
・対面参加: 8月7日(日)まで
(入金確認が取れ次第、会員ページの[購入済みコンテンツ]内で当日の資料をダウンロードできるようになります。コンビニ決済を選択された場合はお早めに入金をお願いいたします。)
キャンセルについて:
・コンビニ決済の場合は入金後のキャンセルは不可となります。
・開催日5営業日前の8月2日までにご連絡下さい。それ以降のキャンセル対応は致しかねますのでご了承ください。
注 意:
・あと払い(ペイディ)でご購入された場合は、注文取消し処理をさせて頂きます。
・コンビニ決済について入金後のキャンセルは不可とさせて頂きますのでご注意ください。
子どもたちに,次のように投げかけます。
「5年生の時のソフトボール投げの記録を,ドットプロットにしてみよう」
この投げかけから生まれてきたのが,「横軸がめちゃめちゃ長くなる」という声でした。よい声が生まれてきました。そこで,この声の気持ちを共有していきます。
「もし,5m〜40mだとしたら,ノートに入らない」
「でも,1m刻みの記録なら入るんじゃない」
「それでも無理。ノートは横にしても28ますだから,たりないよ」
「それなら,0のデータを省略したらいい」
おもしろいアイディアです。0を省略したらノートに収まるかもしれません。ところが,この声に反論があがります。
「ないものがないと分かりにくくなる」
「1m,7m,100mと○があると,途中が省略されすぎて,よく分からない」
「なにが0mかも必要」
これで,データ数が0人の長さも必要だと子どもたちは考えます。しかし,これではノートに収まりません。すると,次のアイディアが生まれてきます。
「それなら5mずつデータをまとめたら。0〜5m,5〜10mみたいに」
「あー,それなら入る」
度数分表につながる見方が生まれてきました。このアイディアでドットプロットに表現することにしました。実はこの時点まで,まだ実際のデータは提示していません。それにもかかわらず,自分たちでデータを仮設しながら話し合いを進める子どもたちの姿は立派でした。
さて,5m刻みでドットプロットはノートにうまく収まりました。しかし,最頻値は24人。丸を24個も描くのは大変です。すると,「丸が多いなら,丸じゃなくて棒にした方が簡単だよ」と,今度は柱状グラフにつながるアイディアが生まれてました。
データ整理の限界から,度数分表へと展開していった1時間でした。
ドットプロットを学習した子どもたちに,「靴のサイズをドットプロットにしてみよう」と投げかけます。
靴のサイズを,ノートに表としてまとめます。その後,「ドットプロットに表そう」と進みました。するとここで,予期せぬ反応が聞こえきました。
「0から描くと場所がたりない」
「それなら棒グラフのように,波線で省略したらいい」
子どもたちは,横軸を0からスタートしようと考えたのです。私は,最小値の数字から描き始めると考えていました。子どもの反応は,ある意味自然な発想です。これについて,子どもの声が続きます。
「棒グラフは縦に伸びていた。もし100とかあれば,それは波線で下を消していた」
「今回は縦じゃなくて横に伸びる。でも,横に棒はないから波線じゃなくて,最初から20から始めたらいいんじゃないの」
これで,ドットプロットの左端の数字は20からスタートすることを全員が納得しました。
その後,ドットプロットが完成します。この調査では,最頻値と中央値がいずれも23.5と同じ値になりました。実は,前回のジャンケン大会のドットプロットも,最頻値と中央値が同じ値になりました。では,最頻値と中央値はいつでも同じ値になるのでしょうか。子どもたちは「いつでもそうとは限らない」と考えていますが,具体的な反例を見つけることはできません。
ところがしばらくすると,「テストの点数なら,そうじゃないのがある」と声が聞こえてきました。
「0点が1人,10点が1人,20点が1人・・・,80点が1人,90点が2人,100点が1人だとします。そうすると,最頻値は90点です。でも,中央値は60点と70点の間になる」(中央値の値の説明は正式には異なりますが,最頻値と重ならないことは事実です)
この説明で全員が納得です。分かりやすい例外が見えてきました。
ドットプロットに表現することを通して,子どもの素直な疑問が見えた時間となりました。
1組・2組のじゃんけん大会結果を比較した際に,子どもから「グラフにすると分かりやすくなる」と声があがりました。そこで,この時間はグラフを使って結果を表現することにしました。
子どもたちに「どんなグラフにしたらいいかな?」と尋ねます。円グラフ・棒グラフ・折れ線グラフと,先ずはグラフの種類を指摘する声が聞こえてきました。しかし,それに続いて次の声が聞こえてきます。
「円グラフは割合を表すから,今回は違うよね」
「棒グラフはいいよね」
「折れ線グラフは,変化を表すでしょ。じゃんけん大会は変化じゃないから違うね」
子どもたちは,各グラフの特徴をよく理解しています。その上で,どのグラフを使うことが妥当なのか判断してきました。
そこで,棒グラフで2組の結果を表現します。グラフが完成すると,5回勝利が最頻値であるこが一目瞭然となりました。また,5回を中心に左右対称のグラフになっていることも見えてきました。
子どもたちが棒グラフでイメージした表現方法は,6年生で学習するドットプロットと似ている部分がかなりあります。ここでドットプロットを教えます。1組の結果を,ドットプロットで表現させます。
子どもからは,「〇を描いていく方が簡単」「〇を見ると,目盛りがなくても何回かすぐにわかる」「でも,100回とかだと〇は大変。棒グラフだと一気に描けて簡単」と声があがりました。問題場面に応じて,グラフを使い分ける必要性に気付く声も生まれてきました。
6年生「資料の調べ方」の学習です。子どもたちは事前に隣同士でジャンケンを10回行い,その結果を報告しています。
子どもたちに次のように投げかけます。
「1組と2組,ジャンケンが強いのはどちらの組でしょう」
これだけでは判断はできません。子どもからは,「2組の結果がほしい」「平均?」と声が聞こえてきました。そこで,次のように投げかけます。
「平均と言っている人がいるけど,気持ちは分かるかな?」
子どもたちは,次のように説明をしてきました。
「1人あたりの勝った回数で比べれば分かる」
そこで,各クラスの平均を求めていきます。その結果,1組も2組も5回となりました。結果は引き分けです。平均という視点で見ると,引き分けということになります。
この結果を見た子どもたちは,なんとか自分のクラス(1組)を勝たせたいと考えました。そこで生まれてきたのが,次のアイディアでした。
「6回以上勝った人の人数で調べたらいい」
5回は引き分けなので,完全に勝ったといえる6回以上の総数で比較するアイディアです。この視点で調べていきます。
結果は,1組が11人,2組が9人となり1組の勝利となりました。
さらに1組を勝たせるアイディアが生まれてきました。
「勝った回数の一番多いもので比べる」
各クラスの最高値で比較するアイディアです。1組は10回,2組は9回が最高値です。この視点からも,1組の勝利が見えてきました。1組の子どもたちは満足していますが,今度は「2組を勝たせる方法はないかなあ?」と優しい声も聞こえてきました。
「1番少ない回数で比べたらいい」
この視点だと,1組は0回,2組は1回です。2組の勝利が見えました。
「5回未満の人数で比べたらいいよ」
この視点で比べると,1組は11人,2組は9人です。少ない方が有利なので2組の勝利です。しかし,この見方に対しては,「でもこれって,6回以上が1組11人で2組9人と同じ事だから,2組が勝ちでいいというのは違うかな?」という違和感の声が聞こえてきました。
すると,2組を完全に勝利に導く視点が生まれてきました。
「5回の人の人数が,2組は多い」
5回勝利の人数で比較します。1組は8人,2組は12人です。この視点だけで比べると,2組の圧勝です。この視点は,「最頻値」でデータを見直したことにつながります。
ジャンケン大会の結果を活用して,データを見る様々な視点を引き出すことができた時間となりました。