2022年3月25日金曜日

「算数授業の当たり前を『子どもの姿』から問い直す」(明治図書) 申し込み開始!

 お待たせしました。「算数授業の当たり前を『子どもの姿』から問い直す」(明治図書)の予約申し込みが始まりました。

形式に縛られて窮屈な先生にも、拠り所がなくて不安な先生にも

授業を4段階に区切って順序よく進める、授業の最初にめあてを板書する、練り上げで一番よい考えに集約する、振り返り・まとめは終末に行う…といった問題解決「型」授業の常識を疑い、目の前の子どもの姿を拠り所として柔軟性のある算数授業の再構築を提案する意欲作。

お申し込みは以下のアドレスからお願いします! https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-266542-4



2022年3月24日木曜日

春ですが,夏祭りのご案内

 桜の開花のニュースが飛び込む季節となりました。春到来ですね。

さて,春が来たばかりですが,毎年ご好評をいただいている「算数夏祭り」の日程が決まりましたのでお知らせします。

8月27日(土)

今回もオンラインを併用したハイブリッド開催となる予定です。

テーマなどの詳細は,決まり次第お知らせします。暑い夏に,熱い算数議論を交わしましょう!

2022年3月19日土曜日

『算数授業の当たり前を「子ども姿」から問い直す』もうすぐ申し込み開始

 田中博史先生とタッグを組んで執筆した『算数授業の当たり前を「子どもの姿」から問い直す』が,明治図書から間もなく予約申し込みが開始されます。

予定では3月25日頃に明治図書のホームページで案内開始・予約開始予定です。

発刊は4月15日です。

詳細は,またお知らせします。型に凝り固まった算数授業に激震を与える内容です。お楽しみに!

2022年3月17日木曜日

プログラミングで外れの玉を見つけよう!

 学校図書の教科書にプログラミングのページがあります。このページを使って,プログラミングの学習を行いました。

先ずは,次の問題文をノートに書かせます。

「同じ大きさの玉が8個あります。この中に,重さの違う玉が1つだけあります。使える道具は天秤だけです。確実に重さの違う玉を見つけるやり方を考えよう」

仮に,ア〜クと玉に記号を付けます。例えば,イウエとカキクを天秤に載せたとします。これがつりあえば,外れの玉はアカオということになります。この場合,次に比べるのは例えばアと同じ重さであることが判明したイを天秤に載せます。これがつりあえば,オが外れの玉。つりあわなければアが外れの玉だということが判明します。

ここまでをクラス全体で,ゆっくりと時間をかけて進めました。問題場面のイメージがつかめないまま,個の学習へと進んでしまうと,全く手つかずの子どもが生まれてしまうためです。

イメージができた後は,子どもたちが持っているタブレット端末を使って個々のペースに合わせて外れの玉探しへと取り組んでいきました。最初は外れを見つけるまでに時間がかかりましたが,こつがつかめると簡単です。最初に選択する玉の数や組み合わせを変えて,何度も取り組む子どもたちががくさんいました。

最初の全体でのイメージ化が不十分なままで,いきなりタブレット端末で個に任せてしまうと,教室は大混乱になります。全体で学ぶ部分と,個に任せる部分とをきちんと見極めることが大切ですね。

プログラミング学習の目的は,論理的思考力を培うことです。重さの違う玉探しでは,どの玉を天秤に載せるのか,その結果から,次にどの玉とどの玉を比べるのかと手順を踏んで考えていくことになります。これこそ論理的思考力・プログラミン的思考です。

2022年3月15日火曜日

2022年4月以降の出張依頼について

 2022年4月以降,本校の出張規程が変わります。出張の回数に上限が設定されます。そのため,4月以降の出張依頼については,お引き受けできない可能性があります。

2021年度並みの出張依頼があった場合,出張回数制限をはるかに上回ってしまいます。

尚,オンラインでの講座については,これまで通りお引き受けできます。従って,オンラインで対応できるものについてはこの形での依頼であると助かります。(本当は対面の方がいいのですけどね・・・)

すでに依頼をいただいている出張講座については,原則としてお引き受けできます。今後ご依頼をいただく出張については,これまでの依頼校との関係や依頼校の設置場所・開催時期などを考慮して決めさせていただきます。そのため出張依頼受諾の回答までに時間がかかる可能性がありますのでご容赦ください。

算数マイスターってなんなの?

 現在担任している3年生は,本当に素直でかわいい子どもたちです。最近は,朝の支度を終えると,私の周りで私のことを話題にして勝手に盛り上がっています。

次は先日の子どもたちの会話です。

「先生って,いっぱい本出しているんだよね」

「この前,お父さんが先生の名前でネットで検索したらいっぱい出てきた」

「算数マイスターっていうのがあったよ。自分で算数マイスターって言うんだ?」(I子)

「マイスター???」

情報化社会の中にいる子どもたち。なんでも手軽に調べられる現在は,ある意味怖いですねえ。悪いことはできません・・・。

さてさて,I子が疑問に感じた「算数マイスター」ですが,勝手に名乗っているわけではありません。私は正式に認定された算数マイスターです。その説明を,I子のためにもしておきます。

マイスターを認定したのは,新潟市教育委員会です。認定当時は,新潟市の教員をしていました。

認定方法は次の通りです。

1次選考 

 書類審査→これで18人に絞られました。

2次選考 

 書類選考通過者が1年間で1人10本の研究授業を公開します。すべての授業を点数化します。10回目の研究授業では,NHKのアナウンサーなど教育界以外の方も評価者として加わりました。算数マイスターですが,10本中6本は算数,残りは総合・国語・道徳・社会を各1本を研究授業として公開しました。また,8月に初任者研修講座を担当に,受講者から講座の内容を点数化されます。さらに,他のマイスター候補生の研究授業の参観し,その後の協議会での議論についても点数化されます。これら全ての点数を合計し,基準点を上回って人だけがマイスターとして認定されるのです。

小学校では算数1人,英語1人,総合1人の計3人がマイスターとして認定されました。合格者発表会は,マスコミを入れた会場で行われました。私も,会場に入り教育委員会の方が合格者を読み上げるまでは,その合否が分かりませんでした。レコード大賞の発表と同じ空気感の中にいました。

とても厳しい審査を経て,マイスターとして認定されたのです。自治体の教育委員会から推薦される文部科学省の優秀教員制度とは全く仕組みが異なるのです。

I子さん,分かりましたか? 勝手に算数マイスターと名乗っているのではないのですからね・・・。


2022年3月13日日曜日

子どもが創る「問い」が,なぜ必要なのか

 青年会議所での勉強会の続きです。その会で,こんな話をお聞きしました。

ある組織に入ってきた超有名大学出身新人を前に,組織のトップが述べた言葉です。

「君たちは成功しない。なぜなら,君たちはこれまで与えられた問題しか取り組んでいないからだ。与えられた問題の正解を出すことには優れていたかもしれない。学校の試験には正解がある。しかし,世の中の問題には正解はない」

「君たちは,試験では簡単な問題から解いて,最後に難しい問題を解いていた。そんなことをしていたら,世の中は回らない。簡単な問題から解決していったら,難しい問題は結局なにも解決せずに山積みになる」

「大切なことは,世の中にはどんな問題があるのかを,何が問題なのかを自分でしっかりと見付け,創り出していく力だ」

「自分で問題を見つける力がなければ,イノベーションなど起こすことはできない」

全て納得のお話しでした。小学校でも「問い」を子ども自身が見つけることの重要さが叫ばれています。小学生の頃から,授業の中で問いを見いだす学習を進めていけば,前述の組織のトップの思いも杞憂に終わるのですけどね・・・。

残念ながら,子どもの「問い」を引き出すことなく,教師の「めあて」を「問い」だと勘違いしてそのまま子どもに提示している授業が多く散見されます。こんな授業を続けているから「君たちは使えない」と言われてしまうのです。

子どもの思いに寄り添い,「問い」を引き出す授業創りを進めていく大切さを,改めて学ぶことができた勉強会でした。

時には異業種の方々の研修会に参加することも大切ですね。教育の世界を見直すきっかけにもなりますね。

2022年3月11日金曜日

オンデマンド授業配信へと学校は変わる?

 1人1台のタブレット端末が学校に配置されました。この先,日本の教育はどうなっていくのでしょうか?

先日,ある青年会議所が主催する講演会・学習会に参加しました。その会である国会議員の方が,次のようなお話をされていました。

「ようやく文部科学省は,オンデマンド授業配信の壁を取り払った。これからは有名な塾の先生の授業などを,どこにいても,誰でも学校でも視聴できるようになる」

「学校の先生は,授業の準備をするために莫大な時間を費やしている。先生の仕事は大変だ」

「時間のかかる授業準備は,オンデマンド授業に置き換えたらその必要はなくなる。その代わり,先生方には子どもたち1人1人の状況に応じたサポートをしてもらいたい」

オンデマンド授業配信は,規制がありできなかったのです。しかし,現在は自由に,しかもどの授業でも視聴できるように規制が取り払われたのです。働き方改革が教師の世界では喫緊の課題です。この改善には,前述のオンデマンド授業配信を使うのは有効です。

これからは,実際の授業はすでにあるものをオンデマンド授業配信で使用する。教室の教師は,授業配信を受けた子どもたちのサポートを行う。この場合,1人1人の学びに応じた個別最適な指導を行うことになるのでしょうか。

実はこのスタイルは,すでに大手予備校・塾では当たり前の光景です。東進ハイスクールや河合塾マナビスなどは,有名講師の授業を配信視聴し,各教室のチューターがサポートする形になっています。これまでの教えるための研修は必要なくなるのかもしれません。その代わりに,どう子どもをサポートするのかを学ぶ研修へと教師の仕事が変化していくのかもしれません。塾の学びのスタイルを,学校が後追いすることになるのでしょうか? 

国会議員の方が,前述のような話をされるということは,かなり具体的なプラン作りが国の中では密かに進められているのかもしれません・・・。


2022年3月4日金曜日

おもしろいことがある!

 3年生「を使った式」の学習の一コマです。

いくつかの問題を解いている中で,子どもから「おもしろいことがある」と声があがってきました。なにがおもしろいと言うのでしょうか?

「昨日の問題は,+350=1000のを求める式は,1000−350だった。−650=350のを求める式は,650+350だった。今日の問題は,×10=800のを求める式は,800÷10だった。全部反対になっている」

□を使った式と,□を求める式の演算が反対になっているという気付きです。多くの子どもは,「本当だ」「すごーい」と驚いています。一方,「他の式だったらそうはならないかもしれない」と疑っている子どももいます。ズレが生まれてきました。

すると,子どもたちから「他の式で実験したらいい」と声があがりました。そこで,いくつかの式で,演算が反対になるのかを実験していきます。

9×=54→=54÷9

10×=300→=300÷10

−25=8→=25+8

いずれの式も,□を求める演算は反対になっています。前述の子どもたちの発見は一般化できそうな気がしてきました。ところがここで,前述の発見をした子どもが呟きます。

「あれ? 反対にならない式がある。25−=8は違うかも・・・」

怪しい式があるという気付きです。早速,全員で実験します。しばらくすると「引けない」と声が聞こえてきます。を求めるには,次の計算になります。

25−=8→=25−8

引き算の式なのに,を求める式も引き算になりました。先ほどのルールで計算すると,25+8=33となります。これをに代入すると,25−33となり引けなくなります。このことに気付いた子どもたちが,「引けない」と声があげていたのです。

後半は,子どもたちが式を作りだし,を求める式のきまりの汎用性を確かめていく思考力を鍛えていく時間となりました。




2022年3月1日火曜日

「小学校5・6年のための学級あそび大辞典」刊行

 明治図書から,「小学校5・6年のための学級あそび大辞典」が刊行されました。私をはじめ,本校の同僚・東口先生なども執筆しています。

学級経営の達人直伝の学級あそび、教科あそびを105本集めました。5~10分程度の短時間でできる活動が中心で、学級開き、遠足、朝の会・帰りの会…など活用場面別に分けられているので、使い勝手も抜群。また、すべて5・6年生向けなので、1冊フル活用できます。

是非,お求めください。