2016年12月29日木曜日

2017年全国算数授業研究会の日程決まる!

2016年も間もなく終わります。

12月21日に,2020年学習指導要領改訂に向けた中央教育審議会答申が出されました。主体的な学び・対話的な学び・深い学びを授業を通して具現することが求められています。このほかにも,新しいキーワードが散りばめられています。これまで子どもの声に寄り添った授業展開を進めてきた先生にとっては,その授業スタイルを後押しする答申です。一方,知識・理解の注入型授業スタイルが算数授業のほとんどを占めていた場合は,見直しが必要となります。

先日,高知を会場に開催れた全国算数授業研究会は,会の発足当初から子どもの声に寄り添った授業展開の進め方を研究してきました。高知大会では,どの教室でも子どもの声に寄り添って授業を進める先生方の素敵な姿と,子どもたちの生き生きとした姿が見られました。

そんな全国算数授業研究会の2017年の大会日程が決定しました。

第29回全国算数授業研究大会   8月8日(火)~10日(木) 筑波大学附属小学校
全国算数授業研究会山口大会   12月26日(火) 

詳細はまだ未定です。

子どもの声に寄り添い,子どもがアクティブに追究を続ける算数の進め方を,実際の公開授業を通して議論しあう会です。私たちと一緒に,これからの算数授業の進め方を語り合っていきましょう。

2016年12月27日火曜日

高知の6年生と算数を愉しみました!

クリスマスイブの12月24日,高知市立神田小学校で「全国算数授業研究会高知大会」が開催されました。クリスマスイブの日にもかかわらず,子どもたちが登校してくれました。また,全国から300名を超える先生方が参加されました。

6年生の元気な子どもたちと算数授業を愉しみました。数字カードの入った2枚の封筒を提示し,「100に近い方が勝ちゲームをしよう」と投げかけます。クラスを2チーに分け,まずは封筒を選択させました。封筒には,それぞれ95と102の数字が書いてあります。この数字は,封筒の中の数字カードの平均値です。95の封筒を選択したチームは,ゲーム開始前は沈んでいました。102を選択したチームは,すでにうきうきです。平均値が100に近い数字カードを選択すれば勝てると子どもたちは考えたからです。

ゲームを始めます。代表の子どもが封筒の中の数字カードを1枚ずつ取り出します。負けを覚悟していた95を選択したチームは,予想に反して100に近い数字カードを引き続けます。勝ちを確信していた102を選択したチームは負け続けます。4回戦が終わった時でした。ここまで4連敗の102を選択したチームから,「102は離れた数字ばっかり。95は近い数字ばっかり・・・」と呟きが聞こえます。封筒に入っている数字カードを,100を基準にしてどの位置にあるのかという視点で見直した呟きです。すばらしい気付きです。この呟きを,クラス全体で共有化していきます。この過程で,今度はジェスチャーで「102は離れた数字ばっかり」を表現する子どもが現れました。このジェスチャーの意味を,共有化していきます。すると「カードでできる」という声が生まれてきます。ばらばらに貼られた数字カードを,度数分布のように子どもたちが並べ替えてくれました。

数字カードを並べ替えることで,「102は離れた数字ばっかり。95は近い数字ばっかり・・・」の意味がより見えやすくなりました。最後に,「もう1回,別の封筒でゲームをするとしたらどんな情報がほしいですか」と尋ねました。子どもからは,平均値ではなく「100から離れた数字がどれだけあるのか,100に近い数字がどれだけあるのか知りたい」と声があがりました。平均値の限界への気づきと新しい視点を,子どもたちは1時間の授業を通して見つけてくれました。

算数への素敵な視点がたくさん生まれたすばらしいクラスでした。高知の子どもの算数の視点は最高です!

2016年12月19日月曜日

算数授業づくり講座 IN西宮 のご案内

先日お知らせしました,兵庫県で行われる「算数授業づくり講座」の詳細が決まりましたので,お知らせします。私以外にも,算数を愛する3人の先生方のスペシャル講座もあります。算数の創り方を,共に学びましょう。

講座の詳細は,以下の通りです。


『尾崎正彦先生の算数授業づくり講座・4/15土・西宮』

【日 程】2017年4月15日(土) 10:30~17:00
【会 場】西宮市立教育会館(兵庫)
【参加費】3000円 (学生さん、春から教壇に立つフレッシュ先生は1000円)
【講 師】
 尾崎正彦先生(関西大学初等部)
 直海知子先生(大阪府公立小学校)
 松井恵子先生(兵庫県公立小学校)
 榎並雅之先生(姫路大学)special guest

◆スタディサプリ(リクルート)の算数授業ご担当の尾崎正彦先生は算数教科書の著者、授業名人でもいらっしゃいます。マイスター教員に学ぶ、算数授業づくり講座が今年も開講です。◆直海知子先生は朝日新聞「花まる先生」で実践が全国に紹介。若手育成にも力を入れておられるよき先輩です。割合指導の研究を重ねてこられた直海先生のお話は必聴です。◆松井恵子先生は兵庫県の優秀教職員として表彰。松井先生の算数教室はすべての先生方が一度見ておくべきです。1年生の育ちを余すところなく話していただきます。◆本講座のspecial guestとして算数研究に造詣が深い榎並雅之先生がご登壇。新しい算数教育の方向性を話して。◆本講座は演習形式なので「分かったつもり」で帰ることができません。inputとoutputがセットなので、学びが深まります。◆フレッシュ先生や、春からの算数授業を変えたい先生に、オススメの一日講座です!

【プログラム 詳細】 

◆受付
10:30~10:50

◆1時間目(45分)尾崎正彦先生
10:00~10:45
『教科書教材でつくる算数授業』
 ~子どもの問いを生み出すコツ~
  ・学びのシェアリング(5分)

◆2時間目(45分)松井恵子先生
11:00~11:45
『1年生の算数授業づくり1年間』
 ~松井学級。子供たちの育ちの秘密を大公開~
  ・学びのシェアリング(5分)

<昼休憩・60分>

◆3時間目(30分)榎並雅之先生
13:00~13:30
『新しい算数教育の方向性』
 ~新学習指導要領で、算数教科は何を大事にしているか~
  ・学びのシェアリング(5分)

◆4時間目(45分)直海知子先生
13:45~14:30
『割合を理解させる指導ステップ1.2.3!』
  ・学びのシェアリング(5分)

◆5時間目(45分)尾崎正彦先生
14:45~15:30
『算数授業と国語力&学級力』
  ・学びのシェアリング(5分)

◆6時間目(30分)
15:45~16:15
『参加型!4月単元教材研究会(全6学年)』
(※参加者の皆さんは、算数教科書の上巻を持参ください。小グループをつくり、全員が話す教材研究会を開講します。各校に持ち帰り「学年教材研究会」のモデルとなります。)

◆質疑・閉式(17:00終了)

申し込みは,以下のアドレス(コクチーズ)からお願いします。

2016年12月16日金曜日

新刊本「算数の授業の腕を上げる51の技」(明治図書)発刊のご案内

間もなく冬休みです。忙しかった日々も,一段落がつく次期です。

さて,来年春(2017年)に明治図書から新刊本を発刊します。現段階の仮題は「算数授業の腕を上げる51の技」です。この本は,春に刊行した「算数授業つくりはじめの一歩」の続編とも呼べるものです。「はじめの一歩」が算数授業つくりの初級編だとしたら,本書は中級編とも呼べるものです。子どもの深い学び・アクティブな姿勢を引き出すための授業の創り方を紹介しています。

 目次は次の通りです。子どもがアクティブに動き出す授業は,形式に子どもを当てはめることでは実現しません。子どもが「実験したい」「この続きを調べたい」と追究意欲を感じるような授業創りが必要です。そのための51の技を紹介しています。来春の発刊をご期待ください。

序章 算数授業の腕前次第で子どもは変わる
  アクティブに育った子どもは授業を創り出す
  導入で8割が決まる算数
  呟きを活かす教師・活かせない教師

1章 子どもの問いを引き出し、つなぐ腕を上げる4の方法
  1 友だちの考えとのズレを引き出す
  2 予想とのズレを引き出す
  3 感覚とのズレを引き出す
  4 既習事項とのズレを引き出す

2章 課題づくり・発問の腕を上げる12の方法
  5 先行知識で対応できない仕掛けをつくる
  6 似て非なる2つの課題を扱う
  7 情報を整理し過ぎない
   8 認識の曖昧さを自覚させる
   9 安定感を崩す
  10 自由実験で仕掛ける
  11 拡がりのある課題で仕掛ける
  12 大量の情報を提示する
  13 見せ方を変える
  14  条件不足にする
  15 関係がありそうで本当はない2つの課題を扱う
  16 答えがない課題を扱う

3章 子どもを見る腕を上げる4の方法
  17 算数が苦手な子どもに注目する
  18 先行知識をもつ子どもをゆさぶる
  19 「わかりました」に騙されない
  20 瀬戸際に立たせることで意思表示させる

4章 話し合いづくりの腕を上げる10の方法
  21 マイチョークで参加意欲を高める
  22  板書した子以外の子どもを巻き込む
  23  気持ちを語らせる
  24 「わからなさ」を表現させる
  25  本時のポイントを全員に再現させる
  26  念押し発問で話し合いをまとめる
  27  子どものつぶやきをキャッチする
  28  価値あるつぶやきを共有化する
  29  一般化の考えを使わせる
  30  教師が親切に解説しすぎない

 5章 ノート指導の腕を上げる5の方法
  31 「思考の検索先」という意識で指導する
  32 ていねいさと自由さのバランスをとらせる
  33 振り返りの目的を意識させる
  34 振り返りでは目標数値を提示する
  35 ノートはその日に返す

6章 数学的な考え方を育てる腕を上げる7の方法
  36  相反する意味「だったら」
  37  混沌からアクティブの「例えば」
  38 実験範囲の拡張「たまたまじゃないの」
  39 表現したいことの高まり「絶対に」
  40 一般性の吟味「もし…だったら」
  41 素直な疑問「でもさあ」
  42  数学的な考え方への確信「やっぱり」

7章 板書の腕を上げる6の方法
  43  検索インデックスとなる1行目にこだわる
  44  めあての扱いを工夫する
  45 まとめの扱いを工夫する
  46 子どものつぶやきを色チョークで明示する
  47 1時間の流れを1枚で見せる

8章 教科書の使い方の腕を上げる4の方法
  48  教科書の見せ方を変えてみる
  49  教科書の考え方を予想させる
  50  公式・まとめの間を埋めてみる
  51  練習問題の進め方を工夫する

2016年12月5日月曜日

算数スタートアップ講座のご案内

2017年4月,兵庫県西宮市で算数スタートアップ講座を開催します。会場は未定ですが,1年間を見通した算数の授業創りのポイントと,学級創りのポイントを国語力と関連つけながら演習形式で実施します。4月の授業や学級創りをどのように進めるかで,1年間が決まります。

この講座では,西宮市の先生方の実践発表も行われます。こちらもきっと役立つ講座です。

予定している私の講座内容は次の通りです。

2017年4月15日(土) 兵庫県西宮市(予定)

1本目講座(45分)
『教科書教材でつくる算数授業 ~子供の問いをどう生むか~』

2本目講座(45分)
『算数授業と国語力&学級力』

詳しい日程など詳細が決まりましたら,またお知らせいたします。