2024年2月29日木曜日

「少ない」なのに「たしざん」?

 子どもたちに、次の問題を提示します。

「イチゴが何個かあります。キウイはイチゴより2個少ない10個です。イチゴは何個ありますか」

問題文を板書している途中で聞こえてきたのは,「『すくない』はできない」「前は「5個多い」だった」「『多い』と『少ない」だから反対になっている」の声です。前回の問題と比較して,その違いを鋭く指摘してきました。

「『すくない』からできない」という声が聞こえてきたので,「この問題はできないね」と子どもたちに投げ返します。すると今度は,次の声が聞こえてきます。

「図を描いたら分かるよ」

「図を描けば,次に式も分かるよ」

そこで,ノートに自分がイメージする図を描かせます。ホワイトボードには,キウイが10個ある図だけを板書させます。1年生にとって,多くの情報を一度に読解するのはハードルが高いからです。

先ずは,丸10個の図が,キウイの数であることを確認します。その後,「次はどうしたらいいのかな」と尋ねます。すると,「2個少ないから」と言いながら,キウイの7個目と8個目の間に線を引きました。「少ない」のですから,2個少ない位置に線を引いたのです。ところが,この行動に対して「そうじゃない」という声があがります。

「少なくしたらダメだよ」

「2月26日は『多い』でひきざんだった。だから今日は,『少ない』でたしざんだよ」

前回の学習から導き出された考えです。一見もっともそうですが・・・。何人かの子どもは,首をひねっています。「少ない」=「たしざん」の論理構成が理解できないからです。

子どもたちの説明が続きます。

「イチゴより2個少ない10個だからたしざんだよ」

「???」

「10+2で12個だよ」

「???」

「2個少なくて10個がキウイでしょ。だから,10個に2個たしたら元にもどるんだよ」

「!!!」

最後の説明で,首をひねっていた子どもたちの顔が笑顔に変わっていきました。しかし,すぐにではありません。この場面はゆっくりと展開しました。1年生の理解には時間がかかります。

今回の問題は,「少ない」と書いてあるにもかかわらず「たしざん」でした。そこで,この逆である「少ない」で「ひきざん」の問題文を考えさせました。

「イチゴが3個あります。1個食べたら少なくなりました。残りは何個でしょう」

この問題文なら,「3−1」のひきざんになります。

「少ない」なのに「ひきざん」「たしざん」,「多い」なのに「たしざん」「ひきざん」の両方の式が導きされることがあることが分かりました。子どもからは,「だから図で確かめたらいいんだ」と声があがります。これこそまさに,本時で培いたい見方です。問題文のキーワードだけで,単純に立式を行うのではなく,問題場面を読解し図に表現していくことが算数学習の第一歩であることに,子どもたちは気付いていきました。


2024年2月27日火曜日

子どもたち大混乱!

 子どもたちに「りんごが何個かあります。みかんはりんごより5個多い8個です。りんごは何個ありますか」と問題を提示します。この問題を見た子どもから,次の声が聞こえてきます。

「前は『りんごが3個あります』だった。でも今日は,何個か分からない」

「分からないからできないんじゃないかな」

「今までの問題と違うよ」

「図をかけば分かるよ」

「『多いが8個』ってなに?」

問題文に未知の部分があるため,子どもたちの頭には?マークが浮かんでいます。

ここまでの段階で,自分の考えをノートのまとめさせました。式を描く子ども,図を描く子どもがいました。ほとんどの子どもたちは,「3個」「8−5」と描いていました。一方,「8+5」の式も見られました。

そこで,「8+5」の式の意味を読解します。

「『おおい』と問題にあるからたしざんにした」

「前に『みかんはりんごより5個多い』と『多い」でも引き算があったから,引き算もある」

「『鳩が9羽,雀が16羽,どちらが何羽多いですか』の問題では,『おおい』ってあるけどひきざんだったよ。だからたしざんとは言えない」

一部の子どもたちの頭が,混乱状態になってきました。「どっちなの?」という「?」が頭に充満しています。この後も,「ひきざんだ」と考える子どもの説明が続きます。

「りんごから見たら,5個少ない。みかんから見たら,5個多い」

視点を変える説明でしたが,かえって「?」が増えてしまいました。ここで生まれてたのが「図を描いたらいいんじゃない」の声でした。

そこで,図で問題場面を確認します。その結果,多いのはみかんの数。りんごは,みかんよりも5個少なくなっているという図の構造が見えてきました。図が見えると,式も見えてきます。「りんごは,みかんより5個少ない」図のなので,式は「8−5」と確定します。

混乱の中から,図の有用性を実感できた時間となりました。


2024年2月22日木曜日

コピー用紙100枚の厚さは?

子どもたちに,次のように投げかけます。
「コピー用紙100枚の厚さは,何ますくらいの厚さかな?」
問題場面がイメージできる子,そうではない子に分かれました。そこで,問題文の意味を共有していきます。
「もし国語辞典なら,ノートに載せて何ますあるか調べるってことだよ」
「もし」という例示の考え方を使うことで,問題文のイメージが子どもたちに一気に伝わりました。

すると今度は,副教材の算数の力の頁を開いている子どもの姿が目に入りました。そこで,この姿の意味を全員で読解します。
「算数の力が何頁あるのかを調べている」
「51頁あった。だから2冊だとだいたい100頁。2冊合わせたのと,同じくらいの厚さになるんじゃない」

コピー用紙が目の前にはないので,それに代えて算数の力を活用しようと考えたのです。置き換えの考え方です。この考え方も,素晴らしいですね。
ここで,コピー用紙100枚の厚さを予想させました。子どもたちは,算数の力や国語辞典,アイテムなどを使って100枚の厚さを予想していきました。
算数の力を基準にした子どもは,1ますの半分と予想しました。アイテムを基準にした子どもは,1ますと予想しました。この違いの原因は,2つの副教材の紙の厚さの違いです。

ここで,授業の冒頭で聞こえてきた「コピー用紙1枚の厚さが分かったらいいのに」という声を紹介します。すると「コピー用紙1枚が分かれば,100枚の厚さも分かる」と声があがります。ここまでの場面では,子どもたちはコピー用紙を手にしていません。そこで,1人1枚のコピー用紙を子どもたちに配ります。
コピー用紙1枚を手にした子どもたちは,どんな行動をとるでしょうか。多くの子どもたちは,コピー用紙1枚と算数の力や国語辞典の紙1枚の厚さを比べ始めました。まだ長さを知らない1年生らしい行動です。

子どもたちの調査の結果,コピー用紙1枚の厚さは国語辞典・算数の力1枚と同じであることが分かりました,この結果から,子どもたちは次のように考えます。
「算数の力は51ページだから,2冊の厚さと同じ」
そこで,算数の力2冊を重ねて,ノートのマス目の上に置いてみます。結果は,ノート1ますの半分の大きさであることが分かりました。これが子どもたちの予想になります。

その後,4人1チームでコピー用紙100枚を数えます。この数え方もチームによって様々でした。1年生は本当におもしろい!

100枚数えたところで,紙をノートのマス目に当ててみます。結果は,多くのチームがノート1ます分でした。予想の約2倍でした。この原因に気付くのは,1年生にはハードルが高いようでしたが,気付いた子どもたちもいました。
「算数の力は,1ページの後ろが2ページ」
「だから,算数の力4個分で100枚になるんだ」

基準量の意識や置き換え・例示の考え方などが次々と発揮されたコピー用紙100枚の厚さ調べの学習となりました。


 

田中博史先生とのジョイント講座開催!

 3月26日(火)大阪府吹田市で,私の師匠・田中博史先生とのジョイント講座を開催します。こちらは吹田市の先生方対象の講座です。

今回は,なんと国語の模擬授業もしてみようかなと考えています。実は私,国語の授業も得意なんです。なんったて,かつての国語と算数のジョイント研究会・基幹学力研究大会では,国語の先生をぶった切った?!経験がありますので・・・。

吹田の先生方,お楽しみに!




2024年2月19日月曜日

1〜100を見つけよう!

 子どもたちに「1〜100の数を見つけよう」と投げかけます。数表をノートに書かせたあと,それに当てはまる数を教室から探させました。

「1年生の1」

「2組の2」

「時間割の数字1〜6」

「今日の日にちは19日」

「カレンダーは1〜31日」

「算数ノートは17ます」

これらの声から見つかった数字を,赤で囲んでいきます。しばらくすると,次の声が聞こえてきました。

「算数の力は1〜48ページ」

「それならアイテムは1〜120ページ」

アイテムに書かれているページ数の発見で,一気に1〜100までの数字が見つかりました。想定以上の早さにびっくりでした!



2024年2月18日日曜日

オナジン発見!

 子どもたちに次のように投げかけます。

「折り紙が50枚あります。20枚」

問題文をここで止めます。これを見た子どもから,次々と声があがります。

「問題作りだ!」

「このあとも続くから,『。』がないんだ」

「これって,2月9日の『25枚あります』の問題と似ている」

今回の問題場面と,2月9日の問題場面が似ていることをノートを検索していくことで,子どもたちは見つけてきました。

その後,続きの問題文とそれに当てはまる式と答えをノートに書かせます。それらの中のいくつかを,板書させました。

板書した問題文を,全員で考えて式化していきます。いくつかの問題を解き終えた時です。子どもから次の声があがってきました。

「50+20+100+11と50+20は最初の式が同じだ」

「オナジンだ」

「50+20ー10と50+20も最初が同じだから,オナジンだ」

算数の学習では共通点に気付くことは大切な数学的な見方・考え方の一つです。「オナジン」というキーワードを使いながら,子どもたちは共通点を進んで見つけていくことができました。

本問題は「板書シリーズ1年下」(東洋館出版社)を参照しています。また「オナジンン」は,私が編集している学校図書の算数教科書に登場する数学的な見方・考え方を象徴するキャラクターです。


2024年2月15日木曜日

見方・考え方はつながる!

 今日は,本校高等部の卒業式でした。初等部3~6年生時代を担任した子どもたちが,卒業していきました。卒業式の答辞では,初等部出身の教え子が会場全体を涙に包む感動の言葉をドラマチックに語ってくれました。すごすぎでした。

放課後,卒業生の多くの子が初等部を訪ねてくれました。多くの子どもたちが語ってくれたのは,次のことでした。

「尾﨑先生の算数のおかげで数学が今でも得意です」

「初等部の時に,『基準が』『4ます関係表が』と言うと,すばらCマークがもらえたよねえ(笑)」

「俺は先生のすばらCマークを4回もらった」

「超すばらCマークは1回だけだった」

 算数授業談義が次々と生まれてきました。算数の見方・考え方の基本となる「基準」「4ます関係表」(→つまり比例関係)などが現在も彼らの頭にしっかりと学習の痕跡として残っていることにうれしくなりました。また,私が見方・考え方を活用した際の価値付けとして使った「すばらCマーク」をもらった個数を具体的に彼らが覚えていたことにも感動しました。

その後は,彼らが手にした卒業アルバムに「超すばらCマーク」を次々とサインするサイン会の時間となりました。それを大喜びする子どもたちの姿は,初等部時代と変わらずかわいかったですねえ。皆さん大学生活も楽しんでくださいね!

反対シリーズを探る

前回の授業で,12個のりんごを人で分ける問題に取り組みました。そのときに生まれてきたのが,「反対になる」組み合わせがあるという発見でした。「2人に6個」ずつ分けるパターンと,「6人の2個」ずつ分けるパターンの数字の組み合わせが反対になっているという発見です。

この気付きを,本時でさらに膨らませてみることにしました。子どもたちに「りんごの数が変わっても,反対シリーズはあるのかな」と投げかけます。子どもからは,次の声が聞こえてきました。

「反対がないのもある」

「どんな数でもいいんじゃない」

「15個は無理かなあ・・・」

「16はできるかなあ・・・」

「16はできないよ」

これらのやりとりの中で,「15」はできないという声が多くを占めました。すると,「15ができない理由が分かった」と声があがります。

「だって,昨日は5人では分けられなかった。だから15も5がつくからできないんだよ」

「一の位に5がつくとできないんだよ」

前日の学習で,12個のりんごを5人で分ける実験を行いました。この場合は,うまく分けられませんでした。この結果を基にして,15個は分けられないとその根拠を考えたのです。1年生にしては,目を見張る論理構成です。この考え方の登場で,多くの子どもは15個に反対シリーズはできないと考え始めました。

そこで,15個のリンゴを3人で分ける場合を実験します。結果は,1人に5個ずつ配れることが分かります。すると,またまた素敵な声が聞こえてきました。

「反対があるなら,5人で3個になるはずだ」

反対シリーズの存在を確かめるためには,この仮定の考え方なら一気に実験ができます。そこで,5人で分ける場合を実験します。結果は,1人に3個ずつ分けられました。つまり,15個のりんごでも,反対シリーズは存在することが確かめられました。

この結果を見た子どもたちから,今度は次の声が挙がります。

「でも,16個は無理だよ。1人増えるから,うまく分けられないんじゃないかな」

「そうかなあ,できるよ」

りんごの個数を拡張した声が生まれてきました。子どもの予想は,半信半疑です。そこで,2人で分ける場合を実験します。結果は,2人では8個ずつ配れることが分かります。すると,「だったら,反対は8人で2個になる」と声があがります。そこで,8人で分ける場合を考えます。結果は,8人では1人分が2個ずつ配れることが見えてきました。つまり,16個のりんごの場合にも反対シリーズができることが見えてきました。

このあと,次の声が聞こえてきました。

「20までなら,全部反対シリーズはできるんじゃないかな」

「そうかなあ。7はできないんじゃないかな」

場面をどんどん拡張していく声です。反対シリーズの存在を確かめるという目的意識を持たせることで,子どもたちの追求は続いていきました。


 

2024年2月14日水曜日

反対になってる!

 子どもたちに,次のように投げかけます。

「りんごが12個あります。人で同じ数ずつ分けます。1人何個もらえますか?」

子どもからは「3個」という声も聞こえてきますが,「が分からないとできない」との声が続きます。

そこで,の数が2の場合を考えることにしました。子どもからは,「図を描けば分かる」と声が挙がります。そこで,図で確かめることにします。

答えの個数が6個と見えている子は,一気に1人分の6個を丸く囲みます。しかし,これは答えが見えているからできることです。2人の子どもが,それとは異なる分け方をしていました。そこで,その図を少しだけ提示します。12個の丸の両端の1個ずつを赤と青の丸で囲みます。それを見た子どもから,「そういうことか」と声が聞こえてきます。2人の気持ちが見えてきた子どもたちが説明します。

「1個ずつまず配るんだよ」

「そして,また1個ずつ配るんだよ」

この配り方で,残りの図を完成させます。すると1人分が6個になることが分かります。ところが,「それだと時間がかかる」「面倒」という声が聞こえてきます。一気に6個を図で囲んでいた子どもたちです。そこで,「なぜ,時間がかかる方法で図を描いたのかなあ。気持ちは分かる?」と尋ねてみます。

「一気にやるとわかなくなるから」

「一気に配ると,最初7個配って,次に5個配るかもしれないから」

「1個ずつ配ると間違えない」

「トランプも同じだ」

1人分の個数が見えていないときには,トランプ配りと同じように1個ずつ先ずは配っていく方法が妥当であることが見えてきました。

そこで,この方法で3人の場合を実験します。子どもからは,「1人増えたから,もらえる数が減りそう」と声があがります。よい予想の声です。早速,図で実験を行います。結果は4個もらえることが分かりました。

続いて,同様に4人を実験します。1人分は3個になります。6人の場合は,1人分は2個なりました。

するとここで,新たな発見の声が生まれてきます。

「反対になってる。今の6人は2個でしょ。最初のは2人で6個だから,数が反対になっている」

「それなら,3人で4個と,4人で3個も反対になっている」

かけ算の交換法則につながる見方が生まれてきました。わり算の見方の素地を培うことを目的として授業でしたが,情報の交換法則の見方も生まれてきた1時間でした。


2024年2月9日金曜日

問題作り!

 子どもたちに次の問題を提示します。

「おりがみが25枚あります。3枚」

ここで問題を書き終えます。子どもから,次の声があがります。

「3枚をどうするの?」

「例えば,3枚使った。残りは何枚ですかとなっていないとできないよ」

問題に不備があることを指摘することができました。中でも,「例えば」という例示の言葉を使って,その後の問題文を説明できたことはすばらしいですね。

そこで,「3まい」からあとの部分は,子どもたちに考えさせることにしました。

ノートに問題文の続きと式・答えを書かせます。それができた子どもの代表に,板書してもらいました。板書された問題を,授業後半は全員で取り組む問題としていきました。計算内容自体は2年生で学習するものもありますが,立式だけならできます。

立式後の計算の仕方は,じっくりと時間をかけて進めました。

本実践は,東洋館出版社「板書シリーズ1年下」を参照しています。


2024年2月6日火曜日

□の数はなにかな?

子どもたちに,次のように投げかけます。
の中に1〜9の数が1つずつ隠れています。どこになにの数が隠れていますか。」
白い9枚の紙を貼ります。その裏に隠れた数を考える問題です。
多くの子どもたちは,そこに順序性があると考えました。
「上から順に1,2,3・・・8,9となっている」
「縦に1,2,3・・・8,9となっているかもしれないよ」
数字の並びはランダムではなく,順序性があると子どもたちは考えたいようでした。そこで,真ん中を数を確認します。子どもたちの順序性の考えが正しければ「5」になります。

白を裏返します。書かれていたのは「5」です。子どもたちは,順序性に自信満々になっています。そこで,5の左下を確認します。横の並びなら「7」,縦の並びなら「3」になります。実際は「4」が書かれていました。先ほどまでの順序性は当てはまりません。しかし,子どもたちは新たな順序性を見出します。
「斜めに4,5,6となっているんだよ」
右上がりの斜め線上に4,5,6が並ぶと考えました。そこで,5の右上を確認します。結果は「6」となり,斜めの順序性がありそうです。すると,新たなきまりを見出す声が聞こえてきます。
「4,5,6と1飛びになっている」
「でも,それってたまたまかも」

1ずつ数が増えるというきまりを見出してきました。しかし,それは偶然ではないのかという一般化を疑う声も聞こえてきました。
この声から,次に確認したい場所を訪ねます。当然ですが,左上がりの斜めを見たくなります。その場所は「2」「8」があることが分かります。

すると,また新たなきまりを見出してきます。
「3飛びになっている」
「右斜めは4+6+5で10。左斜めも8+2+5で15になっている」
「だったら,縦も6+2だから7が入って15になる」
「横も15になるんじゃないかな」
斜めの線上の数字の合計数を比較する考えた生まれてきました。そこから,線の向きを縦方向・横方向へと拡張する考え方へと発展していきました。
さて,子どもたちの発想は正しいのでしょうか。その他の数を確認します。結果は,いずれの線上の合計数も15となりました。
この結果に子どもたちも大興奮となりました。魔方陣の中にきまりを見出した1時間となりました。

本素材は,「アイテム算数1年生」を参照しています。



2024年2月5日月曜日

連続講座最終回!

 本日の午後は,大阪府内のある市で行っている連続5回講座の最終回です。同じメンバーで5回連続の算数講座を開催してきました。その中の2回は,私の公開授業でした。今日は私の講座のメンバーの代表授業を全員で斬り合い?ます。この代表授業も代表授業者を決める選手権を行い,先生方の投票で第一位に選ばれた方が行います。「厳しい!」と思われるかもしれませんが,一般企業ではこれが当たり前です。社員の提案に価値がなければ採用されませんからねえ。

対面講座「子どもが夢中で学ぶ尾﨑学級のひみつ~算数で主体的な学習集団をつくるには~」申し込みスタート

 3月23日(土)13時30分~,大阪市のエル大阪で開催される対面講座子どもが夢中で学ぶ尾﨑学級のひみつ~算数で主体的な学習集団をつくるには~」の申し込みが始まりました。

学級経営と算数の両方を語っていきます。先日の本校の研究発表会では,私と1年生の子どもたちとの関係性に大いに刺激を受けられた方が多くいらっしゃいました。昨年度は6年生担任,そして今年度は1年生担任をしています。入口と出口を担任することで新たに見える景色があります。この点についても語っていきたいなあと考えています。

定員はなんと30名限定です。すでに半数近くが埋まっています。ご興味のある方は,以下のアドレスよりお申し込み下さい。

https://peatix.com/event/3835145/view?k=9650b54e251f3e1a6d1584a0c1840c2de4d30baf



2024年2月3日土曜日

どうぶつの赤ちゃんプラス+で国語と算数の合体!

 国語×算数の授業公開が終わりました。子どもたちに,次のように投げかけます。

「人間の赤ちゃんは,ライオンとしまうまの赤ちゃんのどちらに近いですか。」

最初の判断は,全員がライオンでした。ここは私の想定とは異なりましが,理由を子どもたちが説明していきます。

「しまうまは『目もあいて耳も立っている』けど,人間は目は見えないし耳も聞こえないからライオンに近い」

「ライオンは『目や耳は閉じたまま』と書いてあるから,人と同じ」

「『よわよわしくて』と書いてある。人も弱いからライオンに近い」

「ライオンは『歩くことはできません』と書いてあるけど,しまうまは『三十分もたたないうちに立ち上がる』と書いてある。人間はお母さんに抱っこされないとだめだから,ライオンに近い」

「ライオンは『おちちは2か月くらい』と書いてある。しまうまは「7日くらい」と書いてあるから,人間はライオンに近い」

「でも,しまうまはおちちも草も7日目から食べる。人間もお乳を飲んだ後でお粥を食べることがあるから,しまうまに近いかも」

子どもたちは,教材文を根拠にライオンとしまうまのどちらに近いのかを考えてきました。この時点では,しまうまに近いと考える子どもたちが3人いました。最初とは異なる様相となりました。考えのズレがここで顕在化しました。

そこで,私から別の資料を提示します。それぞれの生き物の寿命のグラフです。ライオンとしまうまの寿命は20年を仮定したグラフを提示します。グラフの左端には赤い部分があります。これは赤ちゃん時代です。これを見た子どもから,「しまうまの赤ちゃん時代はちょっとしかない」と,ライオンと比較した見方が生まれてきました。よき気付きです。

次に,寿命を80年と仮定した人間のグラフを提示します。当然ですが,先ほどよりも長いグラフになります。しばらくすると,4本指を挙げる子どもの姿が見えました。そこで,この気持ちを読解します。

「人間のテープの中に,ライオンが4つ分入る」

4倍の関係を見出したのです。そこで,ライオンのテープを合計4本並べてみます。すると,確かに4倍になっていることが分かります。ここで,子どもたちから次の声が挙がってきます。

「赤ちゃんがバラバラになっていて変だよ」

「赤ちゃんが多すぎるよ」

「だったら赤ちゃんを切って集めたらいいよ」

提示したライオンの4本のテープには,いずれも左端に赤い部分があります。子どもたちはそこに違和感を抱いたのです。その解決策として,4つの赤を切り離して集めたらいいと考えたのです。

そこで,赤を切り離して左端に集めます。すると,赤の長さは伸びて人間の赤の長さに近づきました。4つの赤を集めたテープを見た子どもから,素敵な声があがります。

「人とライオンの赤ちゃんは同じだ」

国語的にも算数的にも,人間の赤ちゃんはライオンの赤ちゃんに近いことが見えた研究会の1時間でした。



2024年2月2日金曜日

明日は国語×算数の公開授業

 明日は本校の研究発表会です。私は国語×算数の公開授業を行います。説明文「どうぶつの赤ちゃん」を発展させていきます。

北は北海道から南は熊本まで,総勢120名を超える先生方にご参加いただけるようです。元気な子どもたちの活躍にご期待下さい!


縦に見ると・・・

子どもたちに次にように投げかけます。
の位がの数は,1〜100の中に何個ありますか。」
この問題文を見た子どもから,次の声があがります。
「□がなにか分からないと,問題はできません」
「最初のは一か十だね」
「あとのは0〜9だね」
 条件不足の問題であることを,子どもたちが指摘してきます。そこで,最初のには「一」を,あとのには「9」を入れることにしました。
「一の位が9になる数」を考えます。子どもからは「9個ある」「10個ある」と2つの声が聞こえてきました。考えにズレが生まれました。果たして,どちらが正しいのでしょうか。
子どもたちが過去のノートを検索し始めました。
「1月15日を見たら分かるよ。」
そこには,1〜100までの数表が書かれていました。そこを見たら一目瞭然だという考えです。既習とつなげるよき見方が生まれてきました。
そこで,「一の位が9」になる数をノートに書かせました。発表場面では「順番に言った方が分かりやすい」と声があがります。
「9,19,29,39・・・99」
このように数の小さい順に一の位が9の数を見つけることができました。結果は10個の数があることが分かりました。
次に,「一の位が8」の場合を考えます。子どもからは「9個」「10個」と2つの考えが生まれてきます。
そこで,「9個」と考えた気持ちを読解させます。
「一の位が9のときは10個だから1増えた。だから,一の位が8のときも1増えて9個になると考えた」
関数的な関係性を見出した説明です。納得できる論理構成です。ところが,「ちがう」という声が聞こえてきます。
「数には列がある。8を縦に見ると,8,18,28・・・と続くから10個ある」
「一の位が9の時も,縦に見たら9,19,29・・・と10個あったから,8も同じように10個ある」
「それなら一の位が7も縦に見たら10個になる」
「だったら一の位がなんでも10個できるね」
「横に見たら,十の位が8も10個になる」

1月15日の学習を想起することで,数表の中の数の位置づけの特殊性も見えてきた1時間となりました。


 

5とびすごろくで遊びました

 子どもたちが作成した「5とびすごろく」で遊びました。ルールは板書の通りですが,子どもたちは遊びながら,5とびの数え方や0〜120までの数の順序性や大小,5の倍数の加減計算などを練習していることになります。楽しみながら知らず知らずの内に,数の感覚を磨くことも大切ですね。