2023年3月26日日曜日

15分で論理を鍛える! パート2

15分で論理を鍛えるパート2です。次の問題を子どもたちに出します。

「〇の中に1~9の数を 1つずつ入れます。〇を結ぶとできる正方形が6つ隠れています。正方形の角にある4つの〇の数をたすと,どの正方形も合計は20です。真ん中の数はいくつですか」

問題に出会った子どもからは,今回も「なが!」と声があがります。

先ずは,「正方形が6つ」と問題文にあるので,6つの正方形を探します。5つまでは順調でしたが,最後の1個が難問でした。真ん中にダイヤ型の正方形が1個あります。これで正方形は6個発見です。

問題はこの後です。子どもからは,「力技で数字を入れていくの?」「どうやるの?」と戸惑いの声もあがります。そこで,少しずつ問題を解決していきます。

「〇の数を全部たすと,1+2+…+9だから45になるね」

「正方形の〇の端の合計は20ってことでしょ」

「一番大きい正方形とダイヤ型の正方形だけに注目します。大きい正方形の端の合計は20。ダイヤ型の端の合計も20」

「大きい正方形とダイヤ型の正方形を使うと,真ん中の〇が
1個だけ残る」

「だから,大きい正方形とダイヤ型の正方形の端の〇の合計は,20+20=40」

「真ん中の〇は,45ー40=5だと分かるね」

当初の子どもたちは,すべての〇に数字を代入しないと真ん中の〇の数が分からないと考えていました。しかし,尋ねられていることは真ん中の数字だけです。従って,子どもたちが考えたように考える対象を限定していくことで,真ん中の〇の数字だけをピンポイントで求めることができるのです。

この問題も「5分で論理的思考力ドリル」(ソニー)から出題しています。





15分で論理を鍛える!

 15分で子どもたちの論理的思考力を鍛える問題を出しました。次の問題です。

「AとBのピースがたくさんあります。みあさんはAとBのピースを合計10個ケースの中に隙間なくぴったり入れます。AとBのピースはそれぞれ何個入りますか」

問題に出会った子どもたちからは「(問題)なが!」と声があがります。そこで,問題文を少しずつ読み解いていきます。

「式にしたら,A+Bで10個ということだね」

「大きい箱は,全部で36マスだね」

「Aは4マスBは3マスだから,式にしたら4×□+3×〇=36だね」

「大きい箱を半分にしたら18マス。半分なら,AとBで5個入るということだね」

「それって,線対称だね」

文字式や線対称など,これまでに学習してきた内容が子どもの中から生まれてきました。算数で大切なことは,このように子ども自らが既習事項を使いたくなる瞬間を引き出していくことですね。

しかし,このままではまだA・Bが何個ずつあればいいのかははっきりとはしません。するとここで,仮定法を使った考え方が生まれてきます。

「もし,Aが0個でBが5個なら,4×0+3×5=15」

「Aが1個でBが4個なら,4×1+3×4=16」

「順番に計算すると,答えは1個ずつ減るね」

「Aが3個でBが2個なら,4×3+3×2=18だから,これでぴったり」

「線対称で考えているから本当はその2倍だから,Aが6個でBが4個」

文字式・線対称・仮定法の考えを活用し論理的に考えることで,A・Bそれぞれの個数を求めることができました。その後,この個数が本当に正しいのかを図を使って確かめました。実験の結果,子どもたちの計算通り「Aが6個でBが4個」でぴったり大きい箱に入ることが分かりました。

本問題は,「5分で論理的思考力ドリル」(ソニー)から出題しています。


2023年3月25日土曜日

27日(月)大和大学でお会いしましょう!

 3月27日(月)は大阪府吹田市にある大和大学で,田中博史先生とのジョイントイベントを開催します。こちらは吹田市教育センター主催のイベントです。参加される先生方,大和大学でお会いしましょう。

本日は,文溪堂主催の田中博史先生のオンライン講座でした。私も参加させていただきました。4月の学級スタートイベントでした。田中先生のお話は数えきれないほど拝聴していますが,毎回新たな学びがあります。27日の講座も,参加された先生方に新たな学びを実感していただけるような内容にしていきたいと考えています。お楽しみに!

2023年3月15日水曜日

1冊の本との出会い

 本日,初等部卒業生の高校2年生が親子で学校を訪ねてきました。「どうしてもお礼を言いたいことがある」とのことでした。

「初等部で先生に紹介してもらった天野敦先生の『あきらめない心』という本のおかげで,医者を志すきっかになりました」

「その本は何回も読んで,もうボロボロになっています」

上皇様の心臓手術を執刀された心臓外科医の天野敦氏の著書「あきらめない心−心臓外科医は命をつなぐ」を,彼が初等部生の頃に紹介しました。その影響で,今は医学の道を目指しているそうです。

1冊の本との出会いが教え子の人生を左右すると考えると,教師という仕事の大切さを痛感します。やはり,教師のアンテナを高くして様々なジャンルの本を読み,子どもたちにも紹介していくことも大切ですね。

2023年3月14日火曜日

「図解 算数の授業デザイン」発刊!

お待たせしました。明治図書から私の新刊「図解 算数の授業デザイン」が発刊されました。私の勉強会の仲間には,一足早く手に取ってもらいました。

「図解がとても分かりやすい!」

「左が説明,右が解説図解で理解しやすい!」

とても大好評でした。(決して,忖度している声ではありません・・・)

算数の授業作りのあらゆるシーンにフォーカスした内容になっています。是非,お求め下さい。

お申し込みは以下のアドレスからお願いします。

https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-252226-0

2023年3月13日月曜日

島根県出雲市の小学校を訪問しました!

 島根県出雲市の小学校を訪問しました。学校改革に燃える校長先生と研究主任の先生の熱い思いから,年度末ではありますが訪問することになりました。燃える先生がいる学校を訪問するのは,私もワクワクしてきます。

午前中は,全クラスの授業を参観しました。3時間を使って,全クラスを訪問しました。どのクラスの子どもたちも,とても素直で価値ある呟きの声も聞こえてきました。

午後は3年生の子どもたちに授業を行いました。とても素直な子どもたちでした。次々と手が挙がり,子どもたちの声をつなぎながら授業を進めていきました。とてもかわいい子どもたちでした。よい教材と出会わせてあげたら,子どもたちは素直でかわいくなりますね。

今年度も残す講座はあと1つとなりました!

2023年3月11日土曜日

淡路島の小学校へ行きました!

 昨日は淡路島の小学校へ行きました。淡路島は「島」と名前がついていますが,橋が架かっているので島ではないですけどね。

小さな学校でしたが,子どもたちはとても素直でした。先生の話をしっかりと聞いて,よい反応を行っていました。1年生から6年生まで,本当に素直でかわいい反応が見えました。素直な子どもがいるクラスは,成長していきます。

明後日は,島根県の小学校を訪問します。こちらも全クラスを参観します。さらに私も公開授業を行います!


2023年3月10日金曜日

田中博史先生とのジョイント講座 IN 吹田

 私の師匠・田中博史先生とのジョイントが,吹田市教育センター主催で3月27日(月)に大和大学で開催されます。午前・午後のフルステージ開催です。

私は,今年担任した6年生との最後の授業や私の本棚など,これまでお話しする機会のほとんどなかった内容をお伝えします。お楽しみに!

この会は,吹田市の教職員対象の講座です。他市の先生方はごめんなさい!





2023年3月8日水曜日

大阪の6年生からのサプライズプレゼント!

GAKUTOセミナーで,うれしいサプライズプレゼントを頂戴しました。数ヶ月前に訪問した大阪の6年生の子どもたちからの動画プレゼントでした。クラス全員で私宛のメッセージ動画を作成し,担任の先生から見せていただきました。「最初はワクワクジャンケン・ポン」で始まるメッセージ,とてもすてきでした。本当に

実はこの「最初はワクワクジャンケン・ポン」を私のクラスで紹介したところ,これが流行しました。わかいい我がクラスの子どもたちとも,今日でお別れです。なんと今日は卒業式です!

2023年3月6日月曜日

一筆書きはできるかな?

 6年生の子どもたちへの,最後の授業です。子どもたちに「一筆書きはできるかな?」と尋ねます。ルールは丸印の付いている場所がスタート位置だということだけです。

最初に提示したのは,漢字の日を横倒しにした形です。これは一筆書きができました。スタート位置は,上下の中央の点のみ一筆書きができます。この結果に,子どもたちは次のように考えました。

「真ん中の点だからできた」

「真ん中は左右に行ける」

「でも端の丸は片方しか行けないから,できないんだ」

丸から伸びる辺の方向に視点を当てた声が生まれてきました。果たしてこの見方に,一般性はあるのでしょうか。多くの子どもたちは,この見方に自信を持っていました。一方,半信半疑の子どももまだいます。

 そこで,別の形で実験します。三角形の中央に横線が入った図形です。ノートに一筆書きができるのか試します。しばらくすると「できた」と声があがります。三角形も,真ん中の丸からスタートした場合だけ,一筆書きが完成しました。

 さて,真ん中からスタートすれば,どんな形でも一筆書きは完成するのでしょうか。「四角がもっと多くてもできるの?」と声があがります。

 そこで正方形と長方形が組み合わされた図形を提示します。この形も一筆書きができました。この図形も真ん中の丸からスタートすることで,一筆書きが完成しました。

 子どもの予想の正しさが,ここまで証明されました。そこで,さらに複雑な図形を提示します。漢字の「田」の上に長方形が接した図形です。何度もチャレンジしていると,「できない」「1本辺を減らしてくれたら」「2本辺を減らしてくれたら」と声があがります。

そこで,1本だけ辺を減らして一筆書きができるのかを考えさせます。すると「田」の右上の辺を1本減らすとできそうだと声があがります。果たして,本当にできるのでしょうか。

1本減らすことで,一筆書きはできました。この実験を行っているときに,よい声が聞こえてきました。その声を共有していきます。

「①と③を合わせたらできそう」

「真ん中の丸からスタートするとできる」

「真ん中の丸は,3方向だ」

「①なら左・右・縦」

「②は上・下・横」

「③も④も同じ3方向がある」

「あっ! ①は3方向が2つある。②も3方向が2つある」

「それなら③も3方向が3つある。④も3方向が3つある」

④は辺を1本消す前の3方向の丸は4つありました。しかし,その場合に一筆書きはできませんでした。辺を1本消した後は,3方向の丸は2つになりました。結果として,一筆書きが完成しました。3方向が2つある図形であれば,一筆書きができるということが子どもたちの話し合いを通して見えてきました。

授業終盤は,子どもたちが見つけたきまり(オイラーの定理)をもとに,自由に一筆書きの図作りに挑戦させました。シンプルな図からかなり複雑な図まで,子どもの柔軟な発想で作図ができました!




2023年3月5日日曜日

「図解 算数の授業デザイン」もうすぐ刊行!

 明治図書から「図解 算数の授業デザイン」が刊行されます。すでに予約をいただいるようです。「図解」のタイトルが示す通り,授業作りのポイントを図解入りで分かりやすく解説しています。お求め・ご予約は以下からお願いします。

https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-252226-0


15分をコーディネートする!

子どもたちに「15分をコーディネートする」という取り組みを行わせました。5人1組でチームを組み,その子どもたちが先生役となり算数授業を行っていくといものです。5人の子どもたちが頭を寄せ集め,どんな問題を提示するのかを先ずは決めていきます。簡単すぎても難しすぎても,うまく15分を使うことができません。問題が決まった後は,先生役の分担を行っていきました。この時間は,子どもたちの段取り力を培うことをねらっています。

各グループがいろいろな問題で授業を行いましたが,私が日ごろの授業で使っていた言葉を,忠実に再現しているのがおもしろいところでした。

「ますに字をいれます」

「天才と書いておきなさい」

「とてもいい考えですねえ。すばらしい」

「ヒントが言える人?」

「続きが分かる人?」

授業後の子どもたちは「先生役はとても難しかった」「先生ってすごいなあと分かりました」と感想を述べていました。

時にはこんな場面を取り入れるのもおもしろいですね。

GAKUTOセミナー大盛況!

 昨日はGAKUTOセミナーが,満員御礼で京都で開催されました。北は宮城,南は熊本から100名の先生方にお集まりいただきました。私の故郷・新潟県佐渡市から船と夜行バスを乗り継いで参加していただいた先生もいらっしゃいました。この前向きな学びの意欲に頭が下がります。

久しぶりの大人数での対面講座は,先生方の反応を見ながら展開できるのが,なんといっても最高ですね。話をする私も,先生方のリアクションが見えることでとても進めやすいのです。やはり対面が最高ですね!

次回もまた開催予定です。お楽しみに!

2023年3月4日土曜日

今日はGAKUTOセミナーです!

 今日の午後は京都でGAKUTOセミナーです。久々の対面開催です。私の師匠・田中博史先生や後輩の熱き算数人と講座を行います。

京都は梅が満開です。どうぞお気を付けてお越しください!

2023年3月1日水曜日

夏休み淡路島講座募集開始!

 夏休み7月30日(日)に兵庫県淡路市まで公開授業と講演を行います。夏の淡路島観光のついでに算数研修はいかがですか?

詳細,申し込みは以下をご覧下さい。

日 時 令和5年7月30日(日)13時30分〜16時30分 


会 場 セミナー会場 洲本市民交流センター 

    〒656-0054 兵庫県洲本市宇原1788-1 AB会議室 

 

参加費  3000円