2025年2月8日土曜日

周りの長さのイメージ化

円周と直径に関係するいろいろな問題に取り組みました。中でも子どもたちが悩んだのが,陸上トラックの曲線部分の半径を求める問題と,バームクーヘン状の図形の周囲の長さを求める問題でした。

陸上トラック問題では,問題場面を図に置き換えたら分かるという発想が生まれてきました。抽象的な文字を,具体的な図に置き換えることで,解決の糸口が見えてきました。

バームクーヘン問題では,「どういうこと?」「どうするの?」という声が多数聞こえました。この問題では,一部だけ見えていた円弧部分を拡張して円を完成させることで,解決方法が見えてきました。つまり大きな円へと置き換えて考える見方・考え方が,問題解決に有効に働きました。

「置き換え」の考え方の有効性が見えた1時間でした。


 

2025年2月6日木曜日

円周と直径の関係

 前回の学習で,直径の約3倍が円周の長さになっているという気づきが生まれてきました。しかし,この気づきを支えるデータ数は僅かです。そこで,大きな工作用紙を使って,自由なサイズの円を作成させます。

子どもたちは,コンパスで好きなサイズの円を作図します。その後,クラスで統一した測定道具である縄跳びを使って円周の長さを測定します。調査結果を,板書させました。

結果は板書写真の通りです。概ね3倍〜3.2倍の値が多数を占めました。板書写真にあるような超巨大な円を作図する子もいれば,極小の円を作図する子もいました。いずれにしても結果は,約3倍でした。



間もまく満席 関西算数授業セミナー

寒い日が続いていますが,先生方は寒さに負けずに授業創りに邁進されているのではないでしょうか。

2月22日(土)大阪府高槻市で関西算数授業セミナーを開催します。もうすぐ満席になります。ご興味のある方は,お早めにお申し込み下さい。

セミナーのテーマは次の通りです。

「子どもが主体的に見方・考え方を働かせる算数授業とは」

見方・考え方は学習指導要領でも最重要視されている観点です。この観点について授業でどのように扱うのかを学んでいきましょう。

今回のセミナーでは,同学年・同単元の授業対決が2本も用意されています。これはワクワクしますねえ。同じ場面でも,授業者が変わると展開そのものも変わってくるからです。

また,私の同志である久保田先生からの基調提案も楽しみです。どんな切り口で提案が行われるのでしょうか。

詳細は以下のチラシをご覧下さい。また,申し込みは以下のアドレスからどうぞ。


2025年2月3日月曜日

大阪守口市を訪問します

今日は大阪府守口市の公立校の研究発表会に参加します。大阪府の指定研究公開です。

全クラスが算数授業を公開します。この姿勢が素晴らしいですね。一部のクラスだけが授業公開する研究発表会は,学校全体の授業力を高めることには役立ちません。その意味で,守口市の学校のスタンスは他校のお手本となりますね。

どんな授業が公開されるのか,楽しみですね! 

本四連絡橋どこを残す?

2月1日(土)は本校の研究発表会でした。私の授業には130名を超える先生方にお集まりいただきました。遠方から参加されて方もいらっしゃいました。ありがとうございました。

本校の研究テーマに合わせて「どこを残す?本四連絡橋」の授業公開を行いました。国の莫大な財政赤字や本四連絡橋の莫大な建設費とその利払いと将来に渡って続く修繕費を総合的に判断し,淡路島ルートの廃止を私が提案します。この提案に対して,子どもたちが考えを構築していく展開でした。
最初は,自分の感情で意見を作ります。次は,本四連絡橋公団などが作成した客観的データを分析して意見を作ります。最後は,淡路島島民の声を聞いて意見を作ります。

この3段階の過程を通して,子どもたちが考えを構築する視点を多面的に獲得し,自分の考えの論理を複合的に構築していきました。当初,廃止賛成だった子どもの中の3名は,最終場面では廃止反対へと変化しました。島民の生の声や橋ができたことで生活が改善したことを実感したことが,その理由でした。

かわいさの中で,真剣に考えて議論する子どもたちの姿,いかがだったでしょうか。


2025年1月30日木曜日

大きな円なら・・・

 前回,円の駒巻きの円周の長さを調べました。ところが,その結果がバラバラになりました。その際,「もっと大きい円なら揃うかも」と声があがりました。

そこで,今回はもっと大きな円で円周の長さを測定することにしました。

先ずは,直径6㎝を実験します。平均値は18.9㎝でしたが,実施の結果にはかなりのズレが生まれてきました。

すると「道具を揃えたらズレないんじゃないかな」と声があがります。そこで,全員が持っている縄跳びで調べることにしました。

すると,平均値の18.9㎝前後のデータが多くなりました。道具を揃えて,円を大きくしていくと,データのズレが少なくなるようです。

次に,直径を8㎝に拡大して実験します。ややズレはありましたが,平均値は24.3㎝になりました。

すると,この結果を見た子どもから声があがります。

「直径が1.333倍になると,円周もだいたい1.333倍になって比例している」

「円周は最初の円が,直径のだいたい3倍になっている」

「本当だ」

「2番目の円も,直径のだいたい3倍」

「3番目の円も,直径のだいたい3倍になっている」

直径と円周の関係,「直径と直径」と「円周と円周」の関係を関数的に捉える声が生まれてきました。果たしてこの関係はどんな円でも当てはまるのでしょうか・・・。




2025年1月29日水曜日

駒巻きの長さは?

「ミシンの上糸をできるだけ少ない回数で巻ける駒巻きはどれですか」

子どもたちに,このように尋ねます。提示した形は,円・正方形・正三角形の3種類です。正方形・正三角形の周りの長さは,測定できます。それぞれ8㎝,8.4㎝でした。問題は円です。曲線のある長さを,どうやったら測定できるのかが子どもたちの疑問になりました。

「定規を曲げる」

「コンパスを使う?」

「昨日の時計の勉強を使ったら? 1時間毎につなぐと正十二角形で,円に近かったから,その長さを調べる」

「もっと角の数を増やしたら正確になる」

「でもカクカクするねえ」

「円を転がしたら正確じゃない?」

「でも,滑るかも」

時計の学習とつなげた見方が生まれてきたのは,すごいことでした。

いくつかのアイディアが生まれてきました。そこで,図形を配布し円周の長さを調べます。子どもたちの調べ方は,多岐にわたりました。

「髪の毛を円の周りに置く」「チェーンを置く」「あやとりのひもを置く」「紙を置く」「円を立てて転がす」「円を寝かせて転がす」「正十六角形の辺の長さを調べる」

いずれの方法でも,子どもたちの測定結果は一致しませんでした。

すると「平均を出したら」の声が生まれます。平均値は約7.9㎝です。しかし,やはり正確ではありません。どうしたら正確な円周の長さが測定できるのでしょうか?

「転がし方が問題かな?」

「もっと大きい円にしたら,正確にできるかも」

こんなアイディアが生まれ,授業が終わりました。次回は,このもやもやからスタートです。