2025年6月7日土曜日

分母を通分?

次の問題を提示します。
「1分間で4/5Lのジュースを作るマシンがあります。1/3分では何Lのジュースができる?」
式は4/5×1/3となります。すると,この式を巡って子どもたちの声が続きます。
「どうやるの?」
「前みたいにしたらいい?」

ここで,子どもから「前」という話題が出ました。子どもが考える「前」とはいつのことでしょうか。

「№18では4/5×3で分子だけ4×3をしたこと」
「でも,今は分母が5と1で違うから揃えないと…」
「通分?」
「例えば4/5×3だとすると,これは4/5×3/1とも考えられる。通分すると4/5×15/5になる。これで前みたいに分母・分子かけると,60/5になって本当の答えと違うから通分するのは違うよ」
「分数÷整数では分母をかけたから,これも分母をかけてもいい」
「通分するんじゃなくて,分母も分子もかけたらいい」

分母をかけ算することへの抵抗感から通分の話題が生まれてきました。分数の加減では通分で計算を行いました。ここを既習とした考えです。よい見方が生まれてきました。
しかし,それでは正しく計算できないことが例示を行うことで見えてきました。そこから,分母・分子をそれぞれかけ算すればいいのではないかという考えが生まれてきました。

分母・分子をかけ算すると4/15になります。しかし,本当にこの答えは正しいのでしょうか。図で確認します。

面積図を作図することで,分母部分も分子部分も図の中に見出すことができました。この結果から,分母・分子をかけ算することで計算できそうだということが見えてきました。しかし,実験数はまだ1つです。子どもからも「全部で3つ計算しないと分からない」と一般化を疑う声が生まれてきました。よい見方が生まれてきました。