次の問題を提示します。
「五百円玉,百円玉,五十円玉,十円玉が1枚ずつあります。この中から□枚選んでできる金額はいくらでしょう」
1枚のコインなら,五百円・百円・五十円・十円の4通りです。
では,2枚のコインならどうなるでしょうか。
多くの子どもたちは,樹形図を描きました。完成したのは12通りです。しかし,この中には同じ組み合わせがあります。12÷2で6通りあることが分かりました。
また,二次元表を使って考えた子どももいました。これを見た子どもから「簡単」「だぶりがない」という圧倒的支持の声があがります。
ところが,次の声が続きます。
「3枚なら・・・」
「これはできないよ」
「3Dの図にしたらできるんじゃない?」
「どうやってやるの?」
3枚のコインを選択した場合,二次元表は使えないのではないかという声が生まれてきました。そこで,3枚のコインを選択する場合を考えます。
3Dの表は難しいので,多くの子どもは樹形図を選択しました。この場合,全部で24通りの組み合わせが生まれます。すると子どもからは,「だぶっているのがあるから,24÷2で12通り」と声があがります。
ところが,「そんなにないよ」という声があがります。二次元表をよく見ると,重なっている組み合わせは2組ではないことが見えてきます。500円・100円・50円の組み合わせは6組あります。他の同様に,同じ金額は6組ずつあります。従って,24÷6で4通りしかないことが見えてきました。
この他にも,「使うコインだけに印をつける」「使わないコインだけに印をつける」「のれんみたいにつなげる」の見つけ方も生まれてきました。
授業後,「3Dできました!」と言ってノートを持って来た子がいました。立方体の図から,順に内部の情報を取り出していき,最後は4通りあることを見いだしていました。子どもの発想はすごいですね!