2025年6月25日水曜日

今やったやり方について・・・

次の問題を提示します。
「1/2分で4/6Lのジュースを作るマシンがあります。1分では何Lのジュースができますか」
式は4ます関係表から見えてきます。4/6÷1/2です。しかし、この計算は未習です。そこで生まれてきたのが、「分数のかけ算みたいにするといい」という声です。
この声の意味を読解します。
「分数のかけ算は、分母と分子をかけたから、今度は分母は分母、分子は分子でわる」
「できるかなあ・・・」

先行学習をしている子どもは「逆数」を使う意識しかありません。このような考えの登場に戸惑っているのです。

これは分数のかけ算から類推した考え方です。子どもらしい素直な考えです。これで計算を行うと、答えは出ます。しかし、この答えが正しいか否かは分かりません。そこで、図で確かめます。

図でも答えが4/3になることが見えてきました。この結果から、分数同士の割り算もかけ算と同じように計算ができそうです。

ところがここで,「でも」という声が聞こえてきます。
「今はいいけど、割れなかったどうするの?」
「例えば、10/6÷3/5だったら割れないよ」

割り切れない数値の場合は、この方法の限界が来るという考えです。具体的な数値も提案されました。

すると、「あまりを出したらいいんじゃない?」と声が上がります。

「3あまり1/1あまり1」
「えー,そんな分数はないよ」
「倍分したらいいよ。№21の勉強でもやったよ」

倍分を使う計算は,分数÷整数で経験しています。この既習がここで想起されてきました。
そこで,倍分を使って10/6÷3/5を計算します。10/6の分母・分子を15倍することで,3/5で割れるように式が変身します。

この結果,倍分でも答えが求められそうだということが見えてきました。ところが,「まだ1回しかやってないから,3回やらないと分からない」と声があがります。早急な一般化に警鐘を鳴らす声です。
そこで,3/5÷2/4で実験を行います。このままでは,分母も分子も割れません。
「4倍で倍分したらいいよ」
「なんで4倍?」
「2/4の最小公倍数だからだらよ」

わる数の最小公倍数で倍分すればいいという声です。しかし,本当に最小公倍数でいいのか疑問を抱く子どももいます。
そこで,「最小公倍数はたまたまでしょ?」と投げかけます。
すると,ある女の子の視線が,別の問題を見ていました。彼女を指名します。

「たまたまじゃないよ。さっきの問題も最小公倍数だったよ」

彼女は1つ前の問題を倍分するときにも,わる数を最小公倍数をかけていたことに気付いたのです。このように複数の情報の共通点を見出せることも大切ですね。

さて,最小公倍数で倍分すると,この問題も計算ができました。ここで時間となりましが,ここまでの結果から「最小公倍数で倍分したら,どんな分数も計算できそうだ」ということが見えてきました。しかし,「大きい数になると,最小公倍数も面倒くさそう」という声も生まれてきました。ここは明日の課題となります。