次の問題を提示します。
「たかし君はケーキが大好きです。たくさん食べたいたかし君は,3種類のケーキのどれを選ぶか迷っています」
板書にあるような3種類のケーキの箱を提示します。すると,子どもの声がつながります。
「たくさんってどういうこと?」
「『たくさん食べたい』と書いてあるから,ケーキの大きさのことでしょ」
「それなら①が大きい」
「同じじゃない?」
「③が大きいよ」
「隙間で考えたら,③は隙間の数が多いからケーキの面積も小さくなる」
「①の隙間は大きくて,③の隙間は小さい」
「③は真ん中の方にも隙間がある」
隙間の視点が生まれてきました。子どもの予想にはズレが生まれました。そこで,計算で面積を求めます。
結果は,いずれも282.6㎠で等しくなりました。たかし君はどのケーキを選んでも,たくさん食べられるのです。この結果から,「箱の大きさが同じなら,同じ面積になる」という事実が見えてきます。
すると,次の声があがります。
「でも,こんな形のケーキになっても面積は同じになるの?」
正方形の1本の対角線上に最大値になる円を2個入れるという考えです。このように作図を行うと,それ以上は同じサイズの円は入る余地はなさそうです。果たして,この場合もケーキの面積は等しくなるのでしょうか?
実際に作図を行い,確かめます。ところが,対角線上に正方形に内接する最大値になる円を作図するのに,かなりの苦労をしました。最終的に半径1.7㎝に円がぴったりと入りそうだということが見えてきました。
この長さで面積を求めると,結果は18.1492㎠となります。先ほどよりも小さくなりました。この事実から,縦横の個数が2乗できる場合のケーキの詰め方の時のみ,面積が等しくなることが見えてきました。