明日から,日本で唯一10月を神在月と呼ぶことができる島根県出雲市に入ります。明後日は,出雲市の小学校で全クラスの授業を参観します。さらに私が2年生に「かけ算」の導入場面の授業を行います。
今回入る学校は,先月の京都・第2向陽小学校に校内研修会に全教員が貸切バスで研修に訪れてやる気に満ちた学校です。楽しみですねえ!
明日から,日本で唯一10月を神在月と呼ぶことができる島根県出雲市に入ります。明後日は,出雲市の小学校で全クラスの授業を参観します。さらに私が2年生に「かけ算」の導入場面の授業を行います。
今回入る学校は,先月の京都・第2向陽小学校に校内研修会に全教員が貸切バスで研修に訪れてやる気に満ちた学校です。楽しみですねえ!
昨日は,今月から私が講師として就任した授業テラスのメンバーが,私の歓迎会をオンラインで企画してくれました。私の教え子が務めるリッツ・カールトン日光でのホテルスタッフの質の高さを教育現場に活用する話題や,教育行政の話題,授業展開の裏技,なぜか国語の話題まで多岐に渡る話で盛り上がりました。
授業テラスはオンライン上の総合教育センターのような役割を担っています。私の授業動画をはじめ多くの教科のプロフェッショナル教師の授業動画を視聴することができます。また,授業相談なども行っています。興味のある方は,以下からご参加ください!
子どもたちに「車が8台止まっています。□台来ると何台になりますか」と尋ねます。この発問と同時に,次の声があがります。
「□がわからないとできないよ」
「昨日も10を作ったから,10を作ると簡単だよ」
「□が2なら10で簡単」
前日の学習では,3口の計算に取り組みました。そこでは「7+3+5」「12−2+4」のように10を作ってから3口目の計算を行う共通点があることを,子どもたちが発見しました。その学習での見方がここで生まれてきました。すばらしい関連付け方です。
「8+2」なら10と簡単に計算ができます。そこで,「□がなんなら難しい?」と逆のことを尋ねます。子どもからは「9,8,7だと難しい」と声があがりました。
そこで,これらの中で比較的簡単そうな「7」を□に入れて計算することにします。果たして,この計算はできるのでしょうか。子どもたちに「これは計算できないね」と揺さぶりをかけます。すると次の声があがってきます。
「7の2で10を作れば簡単だよ」
「10ができて,7の残ったのは5でしょ」
「その10と5をたせば,10ができる」
「10は分かりやすい」
多くの子どもは,この10を作って計算する方法が分かりやすいと考えました。一方,10ではなく11などの他の数字を作ってもいいのではないかと考える子どももいました。
そこで,□の数を変更して実験することにしました。「8+8」で実験を行います。
「10を作ると便利」
「分かりやすい」
「11にすると中途半端」
「分かりにくい」
これらの声があがります。10と11という2種類の数字を作り比較することで,10を作るよさがより鮮明になりました。
その後,他の数字でも実験を行います。どの問題でも,「10を作ると簡単」と子どもたちは実感をすることができました。
最後に,「でも,7+8なら5と5で10を作る計算もできる」と声があがります。しかし,次の声が聞こえてきます。
「計算に時間がかかる」
「もし,3+2になったら,5と5の方法は使えないよ」(K男)
K男の声は,5+5の計算方法が万能でないことを示す例です。このように具体的な反例を考えられるようになってきたことも,1年生の成長を実感できますね。
繰り上がりのあるたしざんの1時間目の授業でした。
「だから9個だ」
「でも,まだ1個あるから9+1だよ」
自然に式表現が生まれてきました。この式の声が,次の声へとつながります。
「3+3+3で9だよ」
「1つの式にしたら,3+3+3+1だ」
「前までは3つの式だけど,今日は4つだ」
丸の総数を式化する見方が生まれてきました。
ところで,子どもたちは1本の式にまとめた「3+3+3+1」の式の中の「3+3+3」をどのようにイメージしているのでしょうか。半分ほどの子どもは,横に3個ずつが3列とイメージしました。残りの子どもたちは,縦に3個ずつが3列とイメージしました。
子どもたちからは,「まだ他にも式がある」と声があがります。「6+3+1」という式が発表されます。この式の各数字のイメージを尋ねます。ここでも,横に3分割と縦に3分割の見方が生まれてきました。これらは,先ほどの「3+3+3+1」とも共通する見方です。
さらに「3+4+3」という式も発表されました。式発表と同時に「分かりやすい」と声があがります。では,この式の各数字のイメージはどのようなものなのでしょうか。この式の場合は,縦に3分割のイメージであることが分かりました。それと同時に,「さっきの縦のやつと同じだ」という声が聞こえてきました。
式は多様でも,そこに使われている見方・考え方には共通点があることが見えた時間となりました。
「レモンチョコレートは,何個になりましたか?」と子どもたちに投げかけ,レモンチョコレートの数が変化していく動画を提示します。
1問目は10個のレモンチョコレートから,順に3個,2個と減っていく動画です。子どもたちは前時の学習をもとに「10−3−2」と1本の式をノートに書きました。
「お話の順の式にすればいいね」
「昨日もやったね」
「昨日は増えたけど,今日は減っている」
これらの声をもとに,「10ー3−2」と立式しました。式の各数字の意味を確認します。すると,「式が2つもできる」と声があがります。2つの式でこのお話を表すと,「10−3=7,7−2=5」となります。これも式としては合っています。しかし,子どもたちは1本の式が分かりやすいと考えました。その理由を,次のように説明します。
「式が1本だと,全部のお話が一気に分かる」
「1本の式の方が,2本よりもすぐにできる」
後者の考えは,計算が速くできるという視点での声です。これまでにはなかった,新しい視点です。
その後,いくつかの問題に取り組みます。3問目では「10−3ー4」の場面を提示ます。すると「3から4は引けない」と声があがります。3口の式の一部だけを見たことで生まれてきた声です。そこで,この声について全員で考えます。
「3から4は引けないから,計算できない?」
「違うよ。まず,10から3を引くんだよ。7になるでしょ。そして,その7から4を引くから引けるんだよ」
「7ー4なら計算ができるんだよ」
これらの話し合いを通して,3口の式をどのような手順で計算を進めていけばよいのかが見えてきました。
4問目は,「12−2+4」と10を超える問題場面でした。しかし,この場面にも子どもたちは3口の計算式を的確に当てはめて考えていくことができました。