2024年2月6日火曜日

□の数はなにかな?

子どもたちに,次のように投げかけます。
の中に1〜9の数が1つずつ隠れています。どこになにの数が隠れていますか。」
白い9枚の紙を貼ります。その裏に隠れた数を考える問題です。
多くの子どもたちは,そこに順序性があると考えました。
「上から順に1,2,3・・・8,9となっている」
「縦に1,2,3・・・8,9となっているかもしれないよ」
数字の並びはランダムではなく,順序性があると子どもたちは考えたいようでした。そこで,真ん中を数を確認します。子どもたちの順序性の考えが正しければ「5」になります。

白を裏返します。書かれていたのは「5」です。子どもたちは,順序性に自信満々になっています。そこで,5の左下を確認します。横の並びなら「7」,縦の並びなら「3」になります。実際は「4」が書かれていました。先ほどまでの順序性は当てはまりません。しかし,子どもたちは新たな順序性を見出します。
「斜めに4,5,6となっているんだよ」
右上がりの斜め線上に4,5,6が並ぶと考えました。そこで,5の右上を確認します。結果は「6」となり,斜めの順序性がありそうです。すると,新たなきまりを見出す声が聞こえてきます。
「4,5,6と1飛びになっている」
「でも,それってたまたまかも」

1ずつ数が増えるというきまりを見出してきました。しかし,それは偶然ではないのかという一般化を疑う声も聞こえてきました。
この声から,次に確認したい場所を訪ねます。当然ですが,左上がりの斜めを見たくなります。その場所は「2」「8」があることが分かります。

すると,また新たなきまりを見出してきます。
「3飛びになっている」
「右斜めは4+6+5で10。左斜めも8+2+5で15になっている」
「だったら,縦も6+2だから7が入って15になる」
「横も15になるんじゃないかな」
斜めの線上の数字の合計数を比較する考えた生まれてきました。そこから,線の向きを縦方向・横方向へと拡張する考え方へと発展していきました。
さて,子どもたちの発想は正しいのでしょうか。その他の数を確認します。結果は,いずれの線上の合計数も15となりました。
この結果に子どもたちも大興奮となりました。魔方陣の中にきまりを見出した1時間となりました。

本素材は,「アイテム算数1年生」を参照しています。



2024年2月5日月曜日

連続講座最終回!

 本日の午後は,大阪府内のある市で行っている連続5回講座の最終回です。同じメンバーで5回連続の算数講座を開催してきました。その中の2回は,私の公開授業でした。今日は私の講座のメンバーの代表授業を全員で斬り合い?ます。この代表授業も代表授業者を決める選手権を行い,先生方の投票で第一位に選ばれた方が行います。「厳しい!」と思われるかもしれませんが,一般企業ではこれが当たり前です。社員の提案に価値がなければ採用されませんからねえ。

対面講座「子どもが夢中で学ぶ尾﨑学級のひみつ~算数で主体的な学習集団をつくるには~」申し込みスタート

 3月23日(土)13時30分~,大阪市のエル大阪で開催される対面講座子どもが夢中で学ぶ尾﨑学級のひみつ~算数で主体的な学習集団をつくるには~」の申し込みが始まりました。

学級経営と算数の両方を語っていきます。先日の本校の研究発表会では,私と1年生の子どもたちとの関係性に大いに刺激を受けられた方が多くいらっしゃいました。昨年度は6年生担任,そして今年度は1年生担任をしています。入口と出口を担任することで新たに見える景色があります。この点についても語っていきたいなあと考えています。

定員はなんと30名限定です。すでに半数近くが埋まっています。ご興味のある方は,以下のアドレスよりお申し込み下さい。

https://peatix.com/event/3835145/view?k=9650b54e251f3e1a6d1584a0c1840c2de4d30baf



2024年2月3日土曜日

どうぶつの赤ちゃんプラス+で国語と算数の合体!

 国語×算数の授業公開が終わりました。子どもたちに,次のように投げかけます。

「人間の赤ちゃんは,ライオンとしまうまの赤ちゃんのどちらに近いですか。」

最初の判断は,全員がライオンでした。ここは私の想定とは異なりましが,理由を子どもたちが説明していきます。

「しまうまは『目もあいて耳も立っている』けど,人間は目は見えないし耳も聞こえないからライオンに近い」

「ライオンは『目や耳は閉じたまま』と書いてあるから,人と同じ」

「『よわよわしくて』と書いてある。人も弱いからライオンに近い」

「ライオンは『歩くことはできません』と書いてあるけど,しまうまは『三十分もたたないうちに立ち上がる』と書いてある。人間はお母さんに抱っこされないとだめだから,ライオンに近い」

「ライオンは『おちちは2か月くらい』と書いてある。しまうまは「7日くらい」と書いてあるから,人間はライオンに近い」

「でも,しまうまはおちちも草も7日目から食べる。人間もお乳を飲んだ後でお粥を食べることがあるから,しまうまに近いかも」

子どもたちは,教材文を根拠にライオンとしまうまのどちらに近いのかを考えてきました。この時点では,しまうまに近いと考える子どもたちが3人いました。最初とは異なる様相となりました。考えのズレがここで顕在化しました。

そこで,私から別の資料を提示します。それぞれの生き物の寿命のグラフです。ライオンとしまうまの寿命は20年を仮定したグラフを提示します。グラフの左端には赤い部分があります。これは赤ちゃん時代です。これを見た子どもから,「しまうまの赤ちゃん時代はちょっとしかない」と,ライオンと比較した見方が生まれてきました。よき気付きです。

次に,寿命を80年と仮定した人間のグラフを提示します。当然ですが,先ほどよりも長いグラフになります。しばらくすると,4本指を挙げる子どもの姿が見えました。そこで,この気持ちを読解します。

「人間のテープの中に,ライオンが4つ分入る」

4倍の関係を見出したのです。そこで,ライオンのテープを合計4本並べてみます。すると,確かに4倍になっていることが分かります。ここで,子どもたちから次の声が挙がってきます。

「赤ちゃんがバラバラになっていて変だよ」

「赤ちゃんが多すぎるよ」

「だったら赤ちゃんを切って集めたらいいよ」

提示したライオンの4本のテープには,いずれも左端に赤い部分があります。子どもたちはそこに違和感を抱いたのです。その解決策として,4つの赤を切り離して集めたらいいと考えたのです。

そこで,赤を切り離して左端に集めます。すると,赤の長さは伸びて人間の赤の長さに近づきました。4つの赤を集めたテープを見た子どもから,素敵な声があがります。

「人とライオンの赤ちゃんは同じだ」

国語的にも算数的にも,人間の赤ちゃんはライオンの赤ちゃんに近いことが見えた研究会の1時間でした。



2024年2月2日金曜日

明日は国語×算数の公開授業

 明日は本校の研究発表会です。私は国語×算数の公開授業を行います。説明文「どうぶつの赤ちゃん」を発展させていきます。

北は北海道から南は熊本まで,総勢120名を超える先生方にご参加いただけるようです。元気な子どもたちの活躍にご期待下さい!


縦に見ると・・・

子どもたちに次にように投げかけます。
の位がの数は,1〜100の中に何個ありますか。」
この問題文を見た子どもから,次の声があがります。
「□がなにか分からないと,問題はできません」
「最初のは一か十だね」
「あとのは0〜9だね」
 条件不足の問題であることを,子どもたちが指摘してきます。そこで,最初のには「一」を,あとのには「9」を入れることにしました。
「一の位が9になる数」を考えます。子どもからは「9個ある」「10個ある」と2つの声が聞こえてきました。考えにズレが生まれました。果たして,どちらが正しいのでしょうか。
子どもたちが過去のノートを検索し始めました。
「1月15日を見たら分かるよ。」
そこには,1〜100までの数表が書かれていました。そこを見たら一目瞭然だという考えです。既習とつなげるよき見方が生まれてきました。
そこで,「一の位が9」になる数をノートに書かせました。発表場面では「順番に言った方が分かりやすい」と声があがります。
「9,19,29,39・・・99」
このように数の小さい順に一の位が9の数を見つけることができました。結果は10個の数があることが分かりました。
次に,「一の位が8」の場合を考えます。子どもからは「9個」「10個」と2つの考えが生まれてきます。
そこで,「9個」と考えた気持ちを読解させます。
「一の位が9のときは10個だから1増えた。だから,一の位が8のときも1増えて9個になると考えた」
関数的な関係性を見出した説明です。納得できる論理構成です。ところが,「ちがう」という声が聞こえてきます。
「数には列がある。8を縦に見ると,8,18,28・・・と続くから10個ある」
「一の位が9の時も,縦に見たら9,19,29・・・と10個あったから,8も同じように10個ある」
「それなら一の位が7も縦に見たら10個になる」
「だったら一の位がなんでも10個できるね」
「横に見たら,十の位が8も10個になる」

1月15日の学習を想起することで,数表の中の数の位置づけの特殊性も見えてきた1時間となりました。


 

5とびすごろくで遊びました

 子どもたちが作成した「5とびすごろく」で遊びました。ルールは板書の通りですが,子どもたちは遊びながら,5とびの数え方や0〜120までの数の順序性や大小,5の倍数の加減計算などを練習していることになります。楽しみながら知らず知らずの内に,数の感覚を磨くことも大切ですね。