2024年9月8日日曜日

授業テラス公開授業講座,大盛況!

 昨日は私のクラスの5年生「合同な図形」の授業公開&解説セミナーを開催しました。定員を大きく上回る先生方にご参加いただきました。ありがとうございました。

元気でどんどん話し続ける子どもたちに姿に,先生方もびっくりされていたようです。授業の基本は子どもが自分の素直な思いを表出できることです。これができれば授業の30%は成功ですね。残りは教材開発と子どもの見取り,そして授業コーディネート力だと考えています。

また,算数が苦手な子どもに対する私の手立てにも感心された先生方も多くいらっしゃいました。授業はそれまで見えなかったことが見えるようにすることが目的です。これはクラス全員に見えるようにしてあげなければいけません。だからこそ,算数が苦手な子どもへの手立てが大切になってくるのです。この手立てについても,今回は具体的に解説をしていきました。

次回は半年後でしょうか。またの公開講座でお会いしましょう!

2024年9月6日金曜日

四角いビルを作ろう!

 子どもたちに,次のように投げかけます。

「正方形のタイルを使って四角いビルを作ろう」

これだけでは問題場面のイメージが難しいので,タイルが3枚の場合を実験します。できるビルは,3階と1階の2つです。四角いビルを作るので2階はできません。

次にタイルの枚数が4枚の場合を考えます。子どもたちはノートにビルの図を作図します。できたビルは,2階・1階・4階の3つです。

ここまでの結果を見た子どもから,「きまりがある」と声があがります。

「3枚から4枚にタイルが1枚増えた。ビルの種類も2つから3つに1つ増えた」

「だったら5枚なら1つ増えて4つになる」

3枚・4枚の情報から,まだ実験していない5枚のビルの種類数まで予想した声が生まれてきました。

さらに「別のことを発見した」という声も聞こえてきました。

「3枚は3階の3÷3は割れる。1階の3÷1も割れる。でも2階は3÷1で1あまり1になるから,2階のビルはできない」

「そうか,あまりが出るビルはできないんだ」

タイルの枚数を割りきれる数の階数しか四角いビルはできないという発見です。この発見を,先ほど子どもたちが場面を拡張したタイル5枚に当てはめます。5枚を割り切れる数は,5÷1,5÷5の2つです。1枚ずつ増えるきまりを使うと4つという予想でしたが,今回の発見を使うと,別の数が見えてきました。

そこで,実際にビルを作図して確かめます。完成したビルは,5階と1階です。わりきれる数しかビルはできなという発見が,この問題でも当てはまりました。

5枚のタイルの実験が終わると,また新たな発見が生まれてきました。

「3枚でできたビルの3階と1階の数をかけると,3×1で3枚に戻る」

「本当だ。すごい!」

「4枚だと,1階と4階で1×4で4。2階はそのまま2×2をしたら4枚に戻る」

「5枚も,1階と5階だから1×5で5枚に戻る」

できたビルの階数をかけると,最初のタイルの枚数に戻るという発見は,子どもたちを唸らせました。

その後,これらの発見が他のタイルの枚数にも一般化できるのかを実験します。結果は,7枚でも9枚でも6枚でも当てはまることが分かりました。

ビルができる階数は,タイルの枚数の約数になっています。ビルを考えることを通して,約数ができるパターンを子どもたちは自然に考えていた1時間の実践です。


公倍数,なんで?

次の問題を提示します。
「縦6㎝横8㎝の長方形のタイルを隙間なく並べて,正方形を作ります。タイルは何枚必要ですか」
問題場面のイメージを持たせるために,数枚のタイルを提示します。このイメージを見た子どもたちから声があがります。
「いろいろな大きさの正方形ができるんじゃない?」
「正方形はできるの?」
「公倍数を使ったらわかるよ」
「なんで公倍数なの?」
タイルを敷き詰める問題なのに,なぜ「公倍数」というワードが生まれてくるのか分からないのは当然です。
そこで,先ずはタイルをノートに作図することで本当に正方形ができるのかを確認します。結果は,縦4枚・横3枚で正方形ができることが分かりました。
正方形の具体像が見えてきたことで,公倍数が見えてきた子どもたちが増えてきました。
「縦は6㎝が12,18,24㎝と増えていく」
「横も8㎝が16,24㎝と増えていく」
「だから,24㎝が最小公倍数になって正方形ができる」
具体的な図が見えてくることで,図を使わなくても倍数を書き出していくという前時で学習した考え方が使えることが見えてきました。抽象の世界と具体の世界を往還することで,既習の学習が活用できることが見えてきた時間となりました。


 

2024年9月5日木曜日

授業公開講座満員御礼&増席決定!

 9月7日(土)19時から,私のクラスの授業ビデオ公開&授業解説講座が授業テラス主催で開催されます。定員に達しましたが,主催側から増席を決定したいうようです。ご興味のある方は,まだ間に合います! 以下からお申し込みください。

https://ozakimath20240907.peatix.com/event/4096499/view?utm_campaign=pod-11433527&utm_medium=email&utm_source=event_approaching&utm_content=5588415&dlvid=663abcaa-e88d-48c0-9aa5-a3ae5b0f5b59&sltid=0



2024年9月4日水曜日

リズム打ちの回数とチーム数を変える

 子どもたちに次のように投げかけます。

「リズム打ちの回数やチーム数を変えても公倍数は見つけられるかな?」

子どもたちは「できる!」ち自信満々です。そこで,4拍子と7拍子の回数を考えます。子どもからは「28回目で揃う」と声があがります。しかし,まだ「28」がなぜ導き出されたのか分からない子どももいます。そこで,この数が生まれた背景を尋ねます。

「前の勉強で3拍子と4拍子は3×4で12と分かった」

「だから4拍子と7拍子も4×7で28回と分かる」

前回のリズム打ちでは,拍子の回数をそのままかけ算したら,1回目に揃う場所が分かりました。その考え方を同じように当てはめたのです。既習を想起するよき学び方が育ってきました。

しかし,本当に28回目なのでしょうか。公倍数を書き出す・実際にリズム打ちを行うの2つの方法で確認します。結果は,予想通りの28回目で最初に揃いました。

ところが,この4×7という最初にリズムが揃う場所を見つける方法に対して,「いつもとは限らない」と声があがります。さらに,その考え方が当てはまらない具体的数を例示する声も聞こえてきました。

そこで,それらの声の中から3拍子と6拍子で実験を行います。そのまま計算したら,3×6で18回目が最初に揃う場所になります。しかし,公倍数を書き出したり,リズム打ちを行ったりした結果は6回目でした。

その後も,様々なリズムで実験を行います。その結果,子どもたちは「2つのリズム数が1でしかわれないときは,リズム数をそのままかければ最小公倍数が分かる」と場合分けを行うことができました。約数的な見方で,子どもたちは場合分けをしたことになります。鋭い視点が生まれてきました。

この後は,3チームの場合・4チームの場合を実験していきました。

リズム打ちのパターンを変化させていくことで,子どもたちはたくさんの公倍数をいつのまにか見つけていたことになります。



2024年9月3日火曜日

第37回小学校算数教育研究全国大会のご案内

 11月30日(土)岩手県盛岡市立仁王小学校で算数教育研究全国大会が開催されます。私は6年生の子どもたちに授業公開を行います。私の他にもこれまで一緒に算数授業の腕を競い合ってきた同士が何人も授業公開をされます。

大会の詳細,お申し込みは以下からお願いします。





2024年9月2日月曜日

リズム打ちからきまりを見つける!

クラスを2グループに分け,3拍子と4拍子のリズム打ちをしようと投げかけます。子どもたちは「音楽ですか?」と頭に?マークが浮かんでいます。

各チームで練習した後,2グループ同時にリズム打ちを行います。リズム打ちが始まりしばらくすると,両者のリズムが揃う場所がありました。「12回目だ」と回数に着目する声があがります。一方,「なんで重なるの?」という疑問の声もあがります。バラバラのリズムなのに,そのリズムが揃う場所があることが不思議なのです。

そこで,「本当に12回目に揃うの?」と投げかけます。すると「図を描いたら分かる」と声があがります。その図は,板書の中央部分のものです。この図を,全員で読解していきます。

「上は3拍子で下は4拍子のリズム」

「1,2,3・・・で12回目に×が揃う」

「次は24回目で揃う」

「だって,12回目までと同じのが,右隣にもう1セットつながるから24回目に揃う」

「その次も,もう1セットつながるから,36回目になる」

見えない12という数を,具体的な図に置き換えることで,2回目・3回目にリズム打ちが揃う場所があることも見えてきました。

この読解活動の中から「他のリズムでもできるよ」と声があがります。5拍子・3拍子で実験します。今回は図で揃う場所を確認してから,リズム打ちを行いました。子どもたちが図から見い出した15回目が,実際の実験でも確かめられました。

倍数・公倍数の導入授業の1コマです。

本授業は,手島勝朗先生の実践を参考にしています。