2023年1月31日火曜日

正の数・負の数

 子どもたちに「正の数・負の数を使ったカードゲームをしよう」と投げかけます。「−6」〜「+6」までのカードを使った双六ゲームです。

正の数・負の数の意味を学習した後,このゲームに取り組みました。1回戦が終わった後,ゲームのルールを追加します。先程の数字カードに,演算記号である「+」「−」を追加します。

すると,子どもたちは次のように話し始めます。

「3+(+2)なら5になるね」

「3−(+2)なら1だね」

「でも,もし3−(−2)なら,何になるの?」

−と−が+になることは,中学校数学で学習します。しかし,その理由まで学習した経験は先生方にはおありでしょうか。私は,機械的に教えられただけでした。子どもたちは,この部分に疑問を感じたのです。

「3−(−2)は5かな?」

「なんで?」

「裏の裏だから+ってことかな?」

「−」を裏と捉える声が生まれてきました。裏(−)の裏(−)だから+になるという発想は子どもらしい説明です。この声をきっかけに,謎が少しずつ解けてきました。

「3+(−2)は,3から左に3個進めということ」

「(演算記号)+は右に進めで,(演算記号)−は左に進めということ」

「そこに(−2)のカードだから,今,向いている方向と逆向きになる」

「3−(−2)の最初のーで,左を向く。次の−で180度方向を変える。だから,5に動く」

これらの説明を,実際に代表の子どもが式に合わせて動くことで,式と正負の動きを合わせてみました。実際の動きが入ることで,子どもたちも3−(−2)が5になることを納得しました。

この動きについて,子どもたちは「プログラミングみたいだ」「やっぱり裏の裏の動きだね」と感心していました。

−と−が+に置き換わることを,体を通して実感した1時間となりました。



2023年1月30日月曜日

サイコロを2個振ると?

サイコロの6つの面に,○3個,△2個,□1個の印を付けます。このサイコロを2つ同時に振ります。そのとき,最も多く出る目の組み合わせはどれになるでしょうか? 子どもたちに予想をさせます。

これは全員が○○の組み合わせでした。

「○が一番多い」

「さいころを2個振るから,○が出やすい」

「模様を比にすると3:2:1。これが2つあるから,比は6:4:2になるから○○が出やすい」

子どもたちは,この予想に絶対的な自信をもっていました。

そこで,子どもたちの予想が本当なのか,実際にサイコロを振って実験を行います。

7分ほど,サイコロを振り続けました。結果は次の通りです。

○○:152回

○△:195回

○□:94回

△□:76回

△△:67回

□□:25回

予想に反して○△が圧倒しました。14ペア中,9ペアがこの組み合わせが1位でした。そうなると,「なんで○△が多いの?」という疑問が湧き起こります。

子どもからは,おもしろい声があがります。

「○○は○と○。でも,○△は,『○と△』と『△と○』がある」

この説明で,「あー」と納得する声と,「どういうこと」という声の2種類の声が聞こえてきました。この説明の意味を時間をかけて共有していきます。

「○と○は1個目のサイコロと2個目のサイコロの○をつないでいくと,9ペアできる」

「でも,○△は1個目が○で2個目が△と1個目が△で2個目が○ができる。これは別々になる」

「だから○△は12ペアできる」

1つ目のサイコロと2つ目のサイコロの模様を別々に板書し,線でつなぐことで,○○と○△のパターン数の違いを明確にすることができました。

子どもたちの予想が裏切られる展開でしたが,その原因を図を使うことで突き止めることができた1時間となりました。


 

2023年1月29日日曜日

第2向陽小学校が新聞で紹介されました!

 京都にある第2向陽小学校の企画本「算数の学校ができるまで」(東洋館出版社)が,本日の京都新聞に紹介されました!

先生方が算数授業改革に取り組んだ結果,学力テスト平均点が5~10点も向上した事実や,算数が好きと答える子どもが9割に達した事実が紹介されました。本当にすばらしい学校です!

企画本のお求めは,以下のアドレスからお願いします。

https://www.toyokan.co.jp/collections/shu-ji/products/4105?variant=43870425022697


2023年1月23日月曜日

ウサギ王国の国旗

子どもたちに,「ウサギ王国の国旗を作ります。どんな塗り方ができますか」と尋ねます。黄・緑・紫色を使います。耳と顔の部分は塗り分けます。この場合,「黄・緑」「黄・紫」「緑・黄」「緑・紫」「紫・緑」「紫・黄」の6通りの塗り方があることが分かりました。この塗り方を考える場面で,「緑・紫」「紫・緑」を同じ塗り方と捉えるのかが話題となりました。子どもたちは「耳と顔は違うから,別々に数える」と考えました。よい見方がまれました。


次に,左右の耳は別の色で塗り分けることに条件を変更します。さらに,赤を加えて5色を使うことに変更します。子どもたちは,樹形図を使って国旗の塗り方を書き出していきます。この活動で,よい疑問の声があがってきました。

「左耳が黄・右耳が緑と左耳が緑・右耳が黄は同じなの?」

左右が入れ替わっただけなら,同じようにも見えます。しかし,これに対しては次の声があがります。

「これも別々でしょ。同じにしたら,ウサギを後ろから見ていることになるよ」


 「なるほどなあ」と,子どもらしい考え方に納得です。塗り方と向きの関係を,明確にしていくことができました。その後,右耳を黄に固定した場合の塗り方が6色あることから,塗り方の総数は,6×4で求められることが分かりました。

さて,この式による塗り方の総数の求め方は,他の場合でも使えるのでしょうか。塗る色の種類を5色に増やして実験します。

右耳を黄に固定した場合,塗り方は12通りあります。固定する色は,他にも緑,紫,赤,白の場合があります。従って,塗り方の総数は12×5で60通りあることが分かりました。ウサギ王国の旗の塗り方を考える活動を通して,樹形図の効果的な活用の仕方を見つけていくことができました。

2023年1月21日土曜日

全国算数授業研究会広島大会終了!

 本日,全国算数授業研究会広島大会が三原市立南小学校を会場に開催されました。本会の冬の大会を対面で実施するのは実に3年ぶりです。300名を超える先生方が全国から集まっていただきました。

1時間目は会場校の先生方が公開授業をされました。会場校の先生が授業公開されるスタイルは秀逸でした。授業改革に対する意気込みが伝わる研究会でした。

その後も,多くの授業が公開されした。私は,午後のシンポジュウムを担当しました。多くの先生方にご参加いただき,ありがとうございました。

次回の地方大会は,2023年12月末に,宮城県仙台市で開催予定です!

2023年1月20日金曜日

明日は全国算数授業研究会・広島大会!

 明日は,全国算数授業研究会・広島大会です。三原市立南小学校で開催されます。久しぶりの対面開催となります。当日は300名近い先生方が集まるようです。

明日は寒い1日なりそうです。どうぞ暖かくしておいで下さい。広島でお会いしましょう!

2023年1月19日木曜日

ウサギ王国の国旗を作ろう!

 子どもたちに,次のように投げかけます。

「ウサギ王国の国旗を作ります。どんな塗り方ができますか」

黄色・緑・紫の色を使います。耳と顔の部分を分けて塗ります。この場合の塗り方を考えさせます。

「黄・緑」「黄・紫」「緑・黄」「緑・紫」「紫・緑」「紫・黄」の6通りの塗り方があることが分かりました。この塗り方を考える場面で,「緑・紫」「紫・緑」を同じ塗り方とするか,違う塗り方とするのかが話題となりました。子どもたちは,「耳と顔は違うから,別々に数える」と考えました。ただし,単に2つの輪をつなげる場合なら,一緒に考えてもよいという声があがります。子どもたちは,問題に応じて塗り方を使い分ければいいと考えました。場合分けして考えるのは,よい見方です。

次に,左右の耳は別の色で塗り分けることに条件を変更します。さらに,赤を加えて5色を使うことに変更します。

子どもたちは,樹形図を使って国旗の塗り方を書き出していきます。この活動では,

「左耳が黄・右耳が緑と左耳が緑・右耳が黄は同じなの?」

と疑問の声があがりました。しかし,これに対しては次の声があがります。

「これも別々でしょ。同じにしたら,ウサギを後ろから見ていることになるよ」

塗り方と向きの関係を,明確にしていくことができました。

その後,右耳を黄に固定した場合の塗り方が6色あることから,塗り方の総数は,6×4で求められることが分かりました。

さて,この式による塗り方の総数の求め方は,他の場合でも使えるのでしょうか。塗る色の種類を5色に増やして実験します。

右耳を黄に固定した場合,塗り方は12通りあります。固定する色は,他にも緑,紫,赤,白の場合があります。従って,塗り方の総数は12×5で60通りあることが分かりました。

ウサギ王国の旗の塗り方を考える活動を通して,樹形図の効果的な活用の仕方を見つけていくことができました。