2023年12月30日土曜日
「きまり本」執筆快調!
島に籠って,来年に発刊予定の「きまり」に焦点化した本の原稿を執筆しています。「きまり」発見は算数授業の王道です。そこをピンポイントに攻める内容です。今年担任している1年生も,きまり発見は大好きです。きまりが見つかると,教室は大騒ぎになります。
小説家が旅館に籠って原稿を書くという話を耳にしますが,まさにその心境です。籠ると原稿は進みますね。予定ページ数の半分は超えました。
今は穏やかな海を眺めながら原稿を書いています。残り2日どこまで筆が進むかなあ…。
2023年12月25日月曜日
2023年終わります!
2023年も終わりますね。昨日私は,山口県にある明倫館に朗唱の勉強に行ってきました。明倫小学校では,毎朝,声に出して吉田松陰の言葉を朗読しているそうです。素晴らしい取り組みですね。
今朝,通勤電車で読んだ川島隆太先生の本にも,「音読は学力を向上させる」「読書には創造力を高めるエビデンスが得られた」と書かれていました。冬休み,算数の本に限らず様々なジャンルの本を読まれてはいかがでしょうか。
今日は,関西地区の先生たちと定期的に開催している勉強会に参加します。これが年内最後の対外的なイベントです。明日からは,来年度に発刊予定の本の執筆活動に専念します。
2023年12月19日火曜日
じゃんけん時計ゲーム!
2023年12月16日土曜日
独りぼっちではありません!
昨日は大阪の公立学校の2年生にかけ算の授業を行いました。
「十の位が隠れた九九カードがあります。何の段か分かるかな」
この問題文で授業はスタートします。ピンクのカードは,上下で見方を変換すると「2の段と8の段」「4の段と6の段」に見えます。緑のカードも同様に「1の段と9の段」「3の段と7の段」に見えます。同じカードなのに複数の九九の段が見えてきます。一方,黄色のカードだけは,「5の段」しか見えません。この状況を,子どもたちは「5の段は独りぼっち」と表現してきました。
私は,ここまで子どもたちが辿り着けば十分でした。ところが,ここから子どもの追求のエンジンに一気に火が点きました。
「5の段は独りぼっちじゃないよ。10の段が仲間だよ」
「10の段は10,20,30…だから違うよ」
「あ!15の段だが仲間だよ」
「15,30,45…だから,5の段の仲間だ」
「まだ仲間があるよ。35の段も仲間だ」
「45の段も仲間だ」
「55の段も仲間だ」
子どもたちは,何とかして独りぼっちの5の段の仲間を見つけていこうとしたのです。このあくなき追及姿勢が最高でした。さらに,子どもの追求は続きます。
「10の段にも仲間がいるよ」
「20の段は仲間だ」
「30の段,40の段もそうだよ」
先ほど生まれてきた10の段も,そのままでは独りぼっちでした。そこで,この段の仲間も探そうと考えたのです。
最後は,かけ算九九には仲間がいっぱいるということが分かった1時間でした。後半の子どもの追求のエンジン,最高でした。すばらしい子どもたちの出会いでした!
目的意識を見出す!
子どもたちに,「棒をつなげて,いろいろな形を作ろう」と投げかけます。
棒をつなぐといっても,様々なつなぎ方があります。今回は,「棒の端と端をつなぐ」「隙間のない形を完成させる」ことを条件としました。
先ずは,お手本として6本の棒を使うとどんな形でできるのか,代表の子どもがホワイトボードに作成します。鉛筆のような形ができました。
すると,この形を見た子どもたちから声があがります。
「三角の折り紙の時は,6枚で7個できたから,今度も6本で7個できるんじゃないかな」
「でもさあ,今度は違うかもよ」
「折り紙と棒だから,違うかもよ」
三角の折り紙をつなげた形作りの学習での形のでき方と,棒での形のでき方を統合的に見ようとしたのです。このような見方が,この段階で生まれてくることにびっくりです。
子どもからは「実験したら,何本か分かるよ」と声があがります。そこで,6本の棒で実験開始です。
子どもたちが見つけたのは,写真にある10通りでした。当初の予想とは異なる数値でしたが,この結果から次の声が生まれてきます。
「だったら,7本は11個だね」
「6本から10個に4増えたから,次も4増えるね」
「違うかもよ。次は5増えるかもしれないよ。それなら11個できる」
予想とのズレに出合ったことで,新たなる変化のきまりに対する見方が生まれてきました。
この日はここで時間切れでしたが,数の目的意識を持たせることで,子どもたちの図形作り活動のモチベーションは一気に高まりました。
2023年12月15日金曜日
分かっているようで分からない
「10人の子どもが並んでいます。あきらさんは前から□番目です。後ろから○番目です」
この問題文提示とともに,子どもからは様々な声があがります。
「図を描けば分かるよ」
「式はまだ分からない」
「○か□が分かれば,できるね」
「○や□に11は入らないね。だって,10人しかいないから」
「式だとたしざんかな? ひきざんかな?」
「たしざんはないよ。もし,□が9なら10+9=19だよ。10人しかいないんだから,たしざんは変だよ」
一つの問題文で,これだけのことを語り合える子どもたちに脱帽です。
さて,ここで□の中の数字を提示し,○に入る数を考えさせます。ただし,今回は図ではなく式をまずは考えるように指示をしました。
子どもたちがノートに書いた式は,全員が「10−7=3」「後ろから3番目」でした。この式に絶対的な自信をもっています。
そこで,今度は図で答えの確認をします。すると,「あれ?」「4番目?」という声が聞こえてきました。図で確認すると,確かにあきらさんは後ろから4番目になります。
「なんで10人なのに4番目?」
子どもの頭には大いなる疑問が浮かびます。式と図のズレを実感したからです。やがて,「そうか」と声があがります。
「あきらの前には6人います。だから,計算するのは10−6をしないとだめなんです」
「あきらを抜いて,計算しないと間違えるんだ」
「やっぱり,図から考えないとだめだね」
改めて,子どもたちは図のよさを実感しました。
次に,「花子さんは前から6番目,後ろから3番目です。全部で何人並んでいますか」と問題を提示します。子どもからは,「6+3で9人」「6+2で8人」「10人じゃない」などの声があがります。今度は,答えにズレが生まれてきました。
そこで,図で確認します。すると,全部で8人になることが分かりました。「6+2の2は,花子を抜いて考えないとだめだよ」と声があがります。
1年生の子どもが問題文だけで,場面を具体的にイメージすることはかなり困難です。従って,立式にもズレが生まれてしまいます。問題文を具体的な図に置き換えることと,式を往還する活動が大切であることが見えた1時間でもありました。