「円の面積は正十六角形よりも本当に大きいのでしょうか」
前回の続きです。周りの辺の長さ32㎝の図形の面積を考えていました。
まずは,正十六角形の面積を確認します。
(32÷16)×5÷2×16=80(㎠)
すると「16は意味がない」と声があがります。「÷16」と「×16」で相殺するので,この部分の式が省略できるという声です。すると,先ほどの式は次のように変身できます。
32×5÷2
さらに,この式を言葉の式に置き換えると,次のように変わります。
周りの長さ×高さ÷2
この式を見た子どもから,「短縮した」「すっきりした」と声があがります。
次は,円の面積です。「カットして求めたらいい」と声があがります。円の内部をピザのように分割していくアイディアです。このアイディアを巡って声が続きます。
「底辺部分が少しカーブしている」
「小さくしたら,ほぼ直線だよ」
この両者の議論がしばらく続きます。すると「だったら,あれが使える」という声があがります。何かに気づいたのです。「あれ」とはなんでしょうか。
「あれ」とは,先ほどの「周りの長さ×高さ÷2」の言葉の式です。ここに円の条件を当てはめるという考です。「周りの長さ」は「円周」,「高さ」は「半径」に置き換えられます。すると,32×5.1÷2=81.6(㎠)と計算でも求められます。計算上は円の面積が大きいことが見えてきました。
円の求積の場合,先ほどの言葉の式は次のように置き換えられます。
①円周×半径÷2
すると「短くなった」と声が上がります。しかし,「円周って直径×3.14」の声もあがります。この声から式を変形していくと,次のようになります。
直径×3.14×半径÷2=②半径×半径×3.14
シンプルな①②の式で,計算上は面積が求められそうです。しかし,「やっぱり確かめないと分からない」と声が上がります。そこで,円をピザ状に分割して並べ替えることにしました。
結果は,平行四辺形に変身することができました。言葉の式に置き換えると次のようになります。
円周の半分×半径=直径×3.14÷2×半径=半径×半径×3.14
図の並び替えからも,先ほどの同じ式が見えてきました。