2025年9月1日月曜日

円の面積を求める!

 「円の面積は正十六角形よりも本当に大きいのでしょうか」

前回の続きです。周りの辺の長さ32㎝の図形の面積を考えていました。

まずは,正十六角形の面積を確認します。

(32÷16)×5÷2×16=80(㎠)

すると「16は意味がない」と声があがります。「÷16」と「×16」で相殺するので,この部分の式が省略できるという声です。すると,先ほどの式は次のように変身できます。

32×5÷2

さらに,この式を言葉の式に置き換えると,次のように変わります。

周りの長さ×高さ÷2

この式を見た子どもから,「短縮した」「すっきりした」と声があがります。

次は,円の面積です。「カットして求めたらいい」と声があがります。円の内部をピザのように分割していくアイディアです。このアイディアを巡って声が続きます。

「底辺部分が少しカーブしている」

「小さくしたら,ほぼ直線だよ」

この両者の議論がしばらく続きます。すると「だったら,あれが使える」という声があがります。何かに気づいたのです。「あれ」とはなんでしょうか。

「あれ」とは,先ほどの「周りの長さ×高さ÷2」の言葉の式です。ここに円の条件を当てはめるという考です。「周りの長さ」は「円周」,「高さ」は「半径」に置き換えられます。すると,32×5.1÷2=81.6(㎠)と計算でも求められます。計算上は円の面積が大きいことが見えてきました。

円の求積の場合,先ほどの言葉の式は次のように置き換えられます。

①円周×半径÷2

すると「短くなった」と声が上がります。しかし,「円周って直径×3.14」の声もあがります。この声から式を変形していくと,次のようになります。

直径×3.14×半径÷2=②半径×半径×3.14

シンプルな①②の式で,計算上は面積が求められそうです。しかし,「やっぱり確かめないと分からない」と声が上がります。そこで,円をピザ状に分割して並べ替えることにしました。

結果は,平行四辺形に変身することができました。言葉の式に置き換えると次のようになります。

円周の半分×半径=直径×3.14÷2×半径=半径×半径×3.14

図の並び替えからも,先ほどの同じ式が見えてきました。





2025年8月31日日曜日

和歌山で会いましょう!

 暑い8月終わります。9月は和歌山県田辺市の研修会に参加します。田辺市は若手の先生方を中心に質の高い研修を進められています。きっと今回もよい研修会になること間違いなしです。詳細・お申し込みは以下のチラシからどうぞ!



2025年8月29日金曜日

周りの辺の長さが32㎝の図形

 次のように投げかけます。

「周りの辺の長さが32㎝の正三角形と正方形,面積が大きいのはどっち?」

正方形が大きいと考える子どもが多くいました。彼らは,次のように考えていました。

「三角形は最後に÷2をするから,一気に小さくなる」

「辺が4本だと大きいかも」

一方,正三角形が大きくなると考える子どもは,次のように考えました。

「1本の辺の長さは正方形よりも大きいから」

さらに「周りの長さが同じだから,面積も同じ」と考える子どももいました。いずれも納得できる理由です。

そこで,実際の面積を計算します。

正方形は,簡単です。「32÷4=8 8×8=64(㎠)」と計算できます。一方,正三角形は高さが分かりません。そこで,高さの情報9.3㎝は提示します。計算すると「32÷3=10.666≒10.7 10.7×9.3÷2=49.755(㎠)」となります。つまり,正方形の方が面積が大きいことが分かります。

すると,この結果から「辺の数が大きい方が面積が大きくなるのではないか」という予想が生まれてきます。きまりへの予感です。ほとんどの子どもたちは,この予想通りになると考えました。

そこで,正五角形,正十六角形と順に面積を求めます。子どもたちは中心を頂点とする二等辺三角形の面積を求めて,それを辺の数だけ倍をする方法で面積を求めました。

結果は,辺の数が大きくなるほど,面積が増えていくことが確かめられました。

すると,「円が一番大きい?」と声があがります。多くの子は,「円が最大」と考えます。一方,「円には辺がないよ」「曲がっているから,きまりは当てはまらないかも」「とんがっているところが,円にはないから違うかも」と考える子どももいます。図形の構成要素の要件が,それまでの正多角形と円では明らかに異なります。そこが違和感の原因となっているのです。

子どもの円の面積の予想は分裂したままで時間切れとなります。これで円の面積を求める必然性が生まれてきました。実際の面積は次回求めます!




2025年8月27日水曜日

GAKUTO算数セミナーIN大阪開催のお知らせ

 GAKUTO算数セミナーIN大阪が開催されます。算数教科書を活用した授業づくりについて,私の師匠・田中博史先生や同志の久保田先生・樋口先生・直海先生とともにお送りします。

是非,お越しください。

日時 11月8日(土)10:55~17:15

会場 大和大学(大阪府吹田市片山町2-5-1)

お申し込みは8月29日(金)17時より始まります。以下のアドレスから,お申し込みください。

https://gakuto-sansu-seminar2025osaka.peatix.com/




2025年8月22日金曜日

尼崎市教育センター講座訪問

 今日は,尼崎市教育センター主催の算数講座に参加しました。なんと100名を超える先生方が参集されていました。熱心な先生が多いですね。

時計の文字盤を線で結ぶ問題では,その結び方に個性や地域性が見えてきました。もしかするとそこに学力との相関関係があるのかも・・・と思ってしまいました。

但馬算数研究会に参加しました

 昨日は,兵庫県但馬地区で開催された算数研究会に参加しました。地元の先生方の模擬授業提案やワークショップなどが行われました。熱心に算数授業に取り組む先生方の姿がすばらしかったです。

夜は城崎温泉で算数談義を遅くまで語り合いました。夏の暑さに負けない算数談義が熱く展開されました。

今日は,兵庫県尼崎市の算数講座に参加します!

2025年8月21日木曜日

和歌山市を訪問!

 昨日は和歌山市教育委員会主催の算数講座に参加しました。南海電鉄で和歌山市へ移動しました。途中に「尾崎」という駅があってびっくりでした!

お盆明けでしたが,和歌山の先生方は熱心に学んでくださいました。和歌山市は8月25日(月)から学校が再開するそうです。愉しい授業を子どもたちに届けてくださいね!