2018年1月30日火曜日

ーとーなら+?

 「中学へのかけ橋」という学校図書の教科書を使ってすごろくゲームを行いました。

 1回目のゲームでは,−6〜+6の数字カードを使ってすごろくを行いました。例えば,+2のマス目にいるときに,−3が出たとします。この場合は,(+2)+(−3)で−1に移動します。出た数字カードの数値をたして,ゴールをめざしました。

 2回目は,サイコロを振って,偶数の目が出たら「+(たす)」,奇数の目が出たら「−(ひく)」の計算をするというルール変更を行いました。1回目はすべての数字カードの数値をたしていました。今回は,サイコロの目によりひく場合もあります。
 ルール変更を受けて,子どもからは「1−(−5)になったら答えはいくつなの?」という疑問が生まれてきました。この計算の答えは,中学数学では6とすぐに答えを求められます。ところが,小学生の子どもたちにとっては「−5をひいているのに,なぜ増えるの」という素直な疑問が持ち上がります。小学生なら当然の疑問です。この疑問を子どもたちと考えました。

 話し合い当初は,意見が発表されればされるほど「頭がこんがらがってきた」という声があがりました。その混乱を解消へと向けたのが,数直線と方向を使った説明でした。
「たすは右,ひくは左向きを表す」
「プラスはたす方向に進めという命令。マイナスはたす方向とは逆に進めという命令」
「プラスは計算の記号の方向に進めという命令。マイナスはその逆方向に進めという命令」
「−(−5)のひくで左向きになる。プラスならその方向に進むけど,マイナスだから向きが反対になる。反対向きで5進むから答えは6」
 
 これらの説明に合わせて,代表の子どもに実際に動き方を実演してもらいました。これで子どもたちにも,1−(−5)の計算の動きの意味が見えてきました。
 その後の実際のゲームでも,「ひくだから左向きだよね。そこにマイナスをするから向きが変わるから,数が増えていくね」と言いながら駒の動きを考えている子どもがたくさんいました。たす,ひく,プラス,マイナスの動きを,体で表現したことが,子どもたちの理解を一層深めたようです。


 「−と−は+になる」というのは数学の約束です。しかし,その約束にはこのような論理的な理由が隠れています。その理由を論理を使って追求した1時間でした。