「時計の文字盤をつないで,正多角形はできるかな」と子どもたちに投げかけます。
1時間ごとにつないでいくと,正十二角形が完成します。すると,次の声が聞こえてきます。
「2時間なら正六角形?」
「12÷2」
次の問題場面を予想する声や,式が生まれてきました。
突然「12÷2」の式が生まれてきました。この式の意味を,丁寧に読解していきます。
「時間が2倍になったから,÷2をする」
「なんで?」
「時間の目盛り,1個が2個分だから」
「???」
「2個分だから,÷2になる」
「2個分なら,倍の2倍じゃないの?」
2時間飛ばしで文字盤をつないでできる図形の辺の数は2倍になるのか1/2になるのか,子どもの考えにズレが生まれました。
そこで,実験で確かめます。結果は,1/2の正六角形ができました。
その後も同様に次にできる図形を予想してから,実験を進めます。6時間飛ばしでは直線ができるだけです。すると,「6時間以上は無理」と声があがります。二角形が単なる直線ですから,それ以上は無理と考えるのも当然です。
しかし,子どもたちが考えた式を使った次の形の予想はできます。例えば,10時間飛ばしなら,12÷10=1.2なので正1.2角形?ができます。
そこで,子どもたちに7〜11時間飛ばしのパターンから,2つを選択させ実験をさせました。
すると,しばらくすると次の声が聞こえてきます。
「あれ?」
「正三角形」
「戻ってる?」
板書にある通り,前半と同じ図形が生まれてきました。
この結果を見た子どもたちから,新たな発見が生まれてきます。
「5時間と7時間が同じ図形。4時間と8時間が同じ図形・・・。鏡みたいになっている」
「虹みたいだ」
「11時間+1時間で12時間。10時間+2時間で12時間・・・」
「虹の形の時間をたすと,12時間になっている」
同じ図形が出現する時間同士をたすと,その答えは12になるとう共通点・きまりに気づいた声です。
さらに,次の声も生まれてきます。
「もし2時間進むとすると,12時から2時になります。10時間進むとすると,12時から(反対回りで)2時になります。どっちも同じ2時になるから,同じ形ができる」
虹のきまりの発見の背後にある理由にも気づいた声です。
本実践は,東洋館出版社「板書シリーズ6年下」の実践を前半は参照しています。後半は,その範囲を一気に子どもたちが超えていきました。