2020年11月16日月曜日

かけ算九九表はおもしろい!

 かけ算学習のまとめとして,空白のかけ算九九表に答えを埋めていく学習を行いました。その活動の中で子どもから,「おもしろことがある」「きまりがある」という声が聞こえてきました。すぐにきまりを見つけようとする姿が育ってきたことにうれしくなります。


 さて,子どもたちが見つけたおもしろいこととは一体どんなことでしょうか。1つ目のおもしろさは,次のことでした。


「かける数1の下は1,2,3・・・となっていて,かけられる数の1の横も1,2,3・・・となっている」

「かける数2の下は2,4,6・・・となっていて,かけられる数の2の横も2,4,6・・・となっている」

「だったら,3の段も4の段もそうなっている」


 

同じ数字の並びが,縦方向・横方向に見えることを見つけてきました。この数字の並びが「トンネルに見える」と感じる子どももいました。きれいな数字の並び,同じパターンの数字の並びに子どもたちはおもしろさを感じるようですね。


次に生まれてきたのは,次のおもしろさでした。


「斜めに見ると,1×1=1,2×2=4,3×3=9・・・で,答えが斜めにつながっている」

「かけられる数とかける数が同じ数字をかける答えが,斜めに並んでいる」




 斜めに並ぶ数字を作るかけ算の式の数字がぞろ目で構成されるというおもしろさを感じたのです。こんなおもしろさを感じるのもよい感性ですね。

 

 九九表のきまりはまだまだあります。この時間はこの2つの発表で時間オーバー!楽しい時間となりました。

2020年11月15日日曜日

第2回愉しい算数授業をつくる研修会申し込み開始!

 愉しい算数授業をつくる研修会の第1回が終わりました。少人数での開催でしたが,参加いただいた先生方の熱量の高さに圧倒されました。

さて,第2回の愉しい算数授業をつくる研修会の申し込が始まりました。詳細は,以下のちらしをごらんくだごらんくだい。

お申し込みは,以下のアドレスからお願いします。

morimoriaki504-tanosiisansuu@yahoo.co.jp



新型コロナ感染拡大の際は,開催を中止させていただく場合もありますので,ご承知おきください。

2020年11月12日木曜日

1の段でも盛り上がる!

 2年生「かけ算」学習でかけ算九九を作り出す学習も大詰めを迎えています。この日は最後の九九の1の段を作る時間です。

子どもたちに,次のように投げかけます。

「1の段のかけ算を作ろう」

6〜9の段では,既習のかけ算九九を合体することで答えを見つけていく学習を進めてきました。そこで,「1の段のかけ算も合体でできるかな」と投げかけます。

「できないよ」

「だって,1は半分にできないからこれは無理だよ」

合体かけ算ができないことと,その理由を子どもなりに説明してきました。その後,1ずつ答えが増えるきまりを使って,1の段のかけ算を作っていきます。

1×1から1×3までの計算が進んだところで,「おもしろいことがあります」という声がいくつも聞こえてきます。その中の一つに,次の声がありました。

「かける数と答えをたすと,2,4,6でしょ。これって2とびの数になっている」M子

M子の声の意味を共有していきます。しかし,まだ1×3までしか実験していません。そこで,M子の見方の正しさを,1×10まで計算して確かめます。


すると,M子の見方が正しいことが見えてきました。すると,この結果をもとに子どもたちが動き出します。

「かける数と答えをたすと,2,4,6,8・・・に全部なってる」

「これって2の段の答えだね」

「別の段の2の段の答えが見えるんだね」

「だったら,8の段もそうなっているよ」T男

T男は1の段から2の段が見えるという見方を,8の段にも当てはめて考えたのです。

そこで8の段のかけ算で,T男の声を確かめます。すると,写真のようにかける数+答えが9の段になっていることが見えてきます。すると,この結果からさらに子どもたちは動き出します。

「8の段だと,1つ上の9の段の答えになるんだ」


「だったら,さっきもそうだったよ」K子

「1の段だから,1つ上の2の段の答えになっている」

「だったら,2の段は3の段に,3の段は4の段になるね」

先ほどの1の段で見つけた見方は,かける数+答えが単に2とびの数になっているというものでした。ところが,T男の声を受けてK子はその見方を1の段にも当てはめたのです。T男の見方を使うと,1の段も違った見え方ができるのです。

その後,2の段からは3の段,9の段からは10の段が見えることを確かめていきました。

そもそもかけ算九九を作る必要があるのだろうかと思いたくなる1の段ですが,子どもたちはそんな1の段でもたくさんの発見を行うことができました。






2020年11月10日火曜日

田中博史先生,樋口万太郎先生との先生応援トリプル講座開催決定!

 田中博史先生(人塾),樋口万太郎先生(京都教育大学附属小学校)と私の3人で,先生応援トリプル講座を開催します。開催はzoomを使った講座です。

現段階の開催予定内容は次の通りです。

開催日程:2021123日(土)受付1230~ 

13001330 樋口先生 教科書の内容『割合』で模擬授業(15分程)の映像解説

13301345 参加者からの質問とグループ討議等

13451415 田中先生からのコメント

14251505 尾﨑先生 教科書の内容『割合』で模擬授業(15分程)の映像解説

15051520 参加者からの質問とグループ討議等

15201550 田中先生からのコメント

16001700 田中先生の講話 

参加者:教員対象者300名限定予定

参加費:2000円 

申し込み方法などの詳細が決まりましたらお知らせいたします。

第2回 愉しい算数授業を作る会 開催決定!

 11月14日開催の愉しい算数授業を作る会は,満席となりました。申し込みいただいた先生方,ありがとうございます。すでにキャンセル待ちも出ています。

さて,好評につき第2回愉しい算数授業を作る会の開催が決定しました。


開催日 2021年2月20日(土)

内容 

12:30~13:15             

講座 尾﨑 正彦先生

『愉しい算数授業をつくる』

13:25~13:55

森谷 明夫先生の授業(低学年)

(ビデオ上映)

14:00~14:25

授業討論会

14:35~15:05

盛 佑輔先生の授業(高学年)

(ビデオ上映)

15:10~15:35

授業討論会

15:45~16:05

若手による実践

16:10~16:40

算数授業QA・閉会


申し込み方法などの詳細は,決まり次第お知らせします。

2020年11月6日金曜日

8の段で見つけたきまり!

算数のかけ算の学習も大詰めです。子どもたちに次の問題を提示します。

「8の段のかけ算の合体かけ算は,本当に4種類なのかな?」


 6の段のかけ算を学習したとき,6×2の答えは,1×2+5×2の2つの式を合体することでも求められることを発見しました。この合体の式は,他にも2×2+4×2,3×3+3×3の合計3種類があります。7の段も合体かけ算で答えを求めると,3種類の式で答えを求めることができます。


 ここまでの結果をもとに,子どもたちは次のように考えました。

「8の段は4種類の合体の式がある」

「2,4,6,8の段の2とびのときに,種類数が増えるんだ」

「1,3,5,7,9の段は,前の段と同じ種類だ」


 この時間は,前述の子どもたちの予想が正しいのかを確かめる学習です。式だけでは合体かけ算のイメージがうまく頭に浮かびません。8個のチョコレートを2色に塗り分けることで,イメージ化を図りました。

 その結果,8の段のかけ算は子どもたちの予想通りに4種類あることが分かりました。予想が当たった子どもたちは自信満々です。


 それと同時に,「おもしろいことがあります」と声があがります。

「上の段のかけられる数が1,2,3,4と1ずつ増えている」

「下の段のかけられる数は,7,6,5,4と1ずつ減っている」

「それって,6の段も同じになっている」

「7の段も同じだよ。すごいね」

 


 子どもたちは8の段で見つけた合体かけ算の秘密が,他の段にも当てはまるのかと場面を拡張して考えていきました。こんな考え方ができる姿も素敵ですね。

2020年11月2日月曜日

繰り返しが遠い?

 2年生「かけ算」学習です。この時間は7の段のかけ算を作ることから授業がスタートしました。

7×1=7

7×2=14

7×3=21

と順に7の段のかけ算の答えを確認していきます。これまで子どもたちは,かけ算は答えの一の位が繰り返すことを発見しています。しかも,一の位に0が登場するところまでが繰り返しの1セット目であることも発見しています。

7×3までの計算が終わったところで,次の声が聞こえてきました。

「一の位が,また繰り返すね」

「でも,0はこないんじゃないかな?」

「7×10なら答えの一の位に0がくるよ」

子どもたちは,7の段のかけ算は一の位の数字の繰り返しがなかなかこないのではないかと考えたのです。しかし,これは実際に答えを順に確かめていかないとはっきりとしません。そこで,その後の7の段のかけ算の答えを導き出していきます。

7×4=28

7×5=35

7×6=42

7×7=49

7×8=56

7×9=63

かけ算九九の範囲では,とうとう答えの一の位に0はきません。さらにかけ算を続けていきます。

7×10=70

ようやく0の登場です。しかし,本当に答えの一の位が繰り返すのかは,もう少しかけ算を書き出してみないと確認できません。

7×11=77

7×12=84

7×11から,答えの一の位が繰り返し始めました。一の位の0までが,随分遠いのが7の段でした。すると,今度は次の声が聞こえてきます。

「7は半分にできない数だから,答えの一の位の0まで遠い」

7は整数の範囲で半分にすることはできません。そこで,これまでに学習した他の段も答えの一の位に0が登場するかけ算を確認します。

3×10=30

5×2=10

3の段も,答えの一の位に0が来るまでが遠いことが分かりました。一方,5×2に対しては,「5は半分にできないけど,ちょっとすっきりした数だからだ」

「お金にも五円玉があるからね」

今度は,半分にできる数の答えに一の位が初めて登場するかけ算を調べます。

6×5=30

2×5=20

4×5=20

「半分の数は,かける数が5でリセットする」

(かけられる数が)半分の数は,かける数が5でリセットすることが見えてきました。

かけられる数が偶数か奇数かによって,答えの一の位の繰り返しのパターンが異なることを発見した素晴らしい子どもたちです。