2025年1月30日木曜日

大きな円なら・・・

 前回,円の駒巻きの円周の長さを調べました。ところが,その結果がバラバラになりました。その際,「もっと大きい円なら揃うかも」と声があがりました。

そこで,今回はもっと大きな円で円周の長さを測定することにしました。

先ずは,直径6㎝を実験します。平均値は18.9㎝でしたが,実施の結果にはかなりのズレが生まれてきました。

すると「道具を揃えたらズレないんじゃないかな」と声があがります。そこで,全員が持っている縄跳びで調べることにしました。

すると,平均値の18.9㎝前後のデータが多くなりました。道具を揃えて,円を大きくしていくと,データのズレが少なくなるようです。

次に,直径を8㎝に拡大して実験します。ややズレはありましたが,平均値は24.3㎝になりました。

すると,この結果を見た子どもから声があがります。

「直径が1.333倍になると,円周もだいたい1.333倍になって比例している」

「円周は最初の円が,直径のだいたい3倍になっている」

「本当だ」

「2番目の円も,直径のだいたい3倍」

「3番目の円も,直径のだいたい3倍になっている」

直径と円周の関係,「直径と直径」と「円周と円周」の関係を関数的に捉える声が生まれてきました。果たしてこの関係はどんな円でも当てはまるのでしょうか・・・。




2025年1月29日水曜日

駒巻きの長さは?

「ミシンの上糸をできるだけ少ない回数で巻ける駒巻きはどれですか」

子どもたちに,このように尋ねます。提示した形は,円・正方形・正三角形の3種類です。正方形・正三角形の周りの長さは,測定できます。それぞれ8㎝,8.4㎝でした。問題は円です。曲線のある長さを,どうやったら測定できるのかが子どもたちの疑問になりました。

「定規を曲げる」

「コンパスを使う?」

「昨日の時計の勉強を使ったら? 1時間毎につなぐと正十二角形で,円に近かったから,その長さを調べる」

「もっと角の数を増やしたら正確になる」

「でもカクカクするねえ」

「円を転がしたら正確じゃない?」

「でも,滑るかも」

時計の学習とつなげた見方が生まれてきたのは,すごいことでした。

いくつかのアイディアが生まれてきました。そこで,図形を配布し円周の長さを調べます。子どもたちの調べ方は,多岐にわたりました。

「髪の毛を円の周りに置く」「チェーンを置く」「あやとりのひもを置く」「紙を置く」「円を立てて転がす」「円を寝かせて転がす」「正十六角形の辺の長さを調べる」

いずれの方法でも,子どもたちの測定結果は一致しませんでした。

すると「平均を出したら」の声が生まれます。平均値は約7.9㎝です。しかし,やはり正確ではありません。どうしたら正確な円周の長さが測定できるのでしょうか?

「転がし方が問題かな?」

「もっと大きい円にしたら,正確にできるかも」

こんなアイディアが生まれ,授業が終わりました。次回は,このもやもやからスタートです。

 

2025年1月28日火曜日

時計から正多角形を作る

「時計の文字盤をつないで,正多角形はできるかな」と子どもたちに投げかけます。
1時間ごとにつないでいくと,正十二角形が完成します。すると,次の声が聞こえてきます。
「2時間なら正六角形?」
「12÷2」

次の問題場面を予想する声や,式が生まれてきました。
突然「12÷2」の式が生まれてきました。この式の意味を,丁寧に読解していきます。
「時間が2倍になったから,÷2をする」
「なんで?」
「時間の目盛り,1個が2個分だから」
「???」
「2個分だから,÷2になる」
「2個分なら,倍の2倍じゃないの?」

2時間飛ばしで文字盤をつないでできる図形の辺の数は2倍になるのか1/2になるのか,子どもの考えにズレが生まれました。
そこで,実験で確かめます。結果は,1/2の正六角形ができました。

その後も同様に次にできる図形を予想してから,実験を進めます。6時間飛ばしでは直線ができるだけです。すると,「6時間以上は無理」と声があがります。二角形が単なる直線ですから,それ以上は無理と考えるのも当然です。
しかし,子どもたちが考えた式を使った次の形の予想はできます。例えば,10時間飛ばしなら,12÷10=1.2なので正1.2角形?ができます。

そこで,子どもたちに7〜11時間飛ばしのパターンから,2つを選択させ実験をさせました。
すると,しばらくすると次の声が聞こえてきます。
「あれ?」
「正三角形」
「戻ってる?」
板書にある通り,前半と同じ図形が生まれてきました。

この結果を見た子どもたちから,新たな発見が生まれてきます。
「5時間と7時間が同じ図形。4時間と8時間が同じ図形・・・。鏡みたいになっている」
「虹みたいだ」
「11時間+1時間で12時間。10時間+2時間で12時間・・・」
「虹の形の時間をたすと,12時間になっている」
同じ図形が出現する時間同士をたすと,その答えは12になるとう共通点・きまりに気づいた声です。
さらに,次の声も生まれてきます。
「もし2時間進むとすると,12時から2時になります。10時間進むとすると,12時から(反対回りで)2時になります。どっちも同じ2時になるから,同じ形ができる」
虹のきまりの発見の背後にある理由にも気づいた声です。

本実践は,東洋館出版社「板書シリーズ6年下」の実践を前半は参照しています。後半は,その範囲を一気に子どもたちが超えていきました。

 

2025年1月27日月曜日

正八角形の作図&トリセツ

 正多角形シリーズの作図に取り組みました。正六角形・正八角形と順に作図を進めました。

授業後半には,自分の作図した正八角形の作図手順を「トリセツ」としてノートにまとめました。こんな時間も大切にしています。


2025年1月26日日曜日

新潟の先生のお悩み相談!

 昨日は新潟で新潟の先生と,算数授業について深く語り合いました。私のクラスの5年生「割合」の授業ビデオを視聴した後,先生方の日ごろの授業の悩みを語ってもらいました。それらの悩みの対処方法について,お互いに語り合いました。自分の思いを表出することで,頭の中も整理されていきます。

学力差や子どもの表現力,タブレットの使い方など多岐に渡る話題が生まれてきました。あっという間に予定時間が終わりました。こんなプログラムもとてもいいですね。新潟のみなさん,またお会いしましょう!

この企画は新潟の若手の先生方が考えてくれました。よきアイディアのある若手が育ってきましたね!

2025年1月24日金曜日

正五角形を作図しよう!

 「正□角形を作図しよう」と子どもたちに投げかけます。この課題に対して,「長さは?」「角度は?」と声があがります。これらの情報がなければ,作図はできません。

正三角形・正方形は既習です。一方,正五角形は未習です。そこでこの形を作図することにしました。子どもたちに,作図する図形のお手本を配布します。辺の長さや角度を子どもたちは調べていきました。前回の正多角形の学習を想起した調べ方です。

その後,これらの情報をもとに作図をスタートします。多くの子どもたちは,定規と分度器を使って作図を進めました。一方,コンパスと定規だけで作図した子どももいました。この方法を全員で体験してみました。図が仕上がった子どもからは,「簡単」「楽」「速い」などの声があがりました。コンパスを使った作図方法の簡便さが実感できたようです。

その後,次の声が聞こえてきました。

「正八角形もできる?」

「長さが分かればできるよ」

「コンパスがあればできるよ」

「分度器はいらないんじゃない?」

などの声があがりました。子どもたちは簡便に作図する方法を試したいようですね。



明日は新潟で若手の先生とのコラボ企画!

 明日,1月25日(土)は新潟市中央図書館(ほんぽーと)で新潟の若手の先生と作り上げるコラボ企画が行われます。

私の授業ビデオ解説もありますが,先生方のお悩みを解決し合う講座もあります。「授業」「学級経営」「学校現場」などの切り口から,先生方のお悩みの解決策を模索するプログラムです。こちらも楽しみですね。

お申し込みは以下からお願いします。https://forms.gle/of1x64SbiXH2ouiK7