2017年8月6日日曜日

データを活用したくなる授業

新潟の6年生の子どもたちに,データの活用の授業を行いました。2020年版指導要領では,データの活用が新たな領域として生まれてきました。データの活用の授業で大切なことは,データを活用させることではなく,子ども自身がデータに働きかけ,データを活用したくなる授業を構成することです。

6年生の子どもたちと私で「100に近い方が勝ちゲームをしよう」と投げかけました。封筒に入っている数字カードを取り出して,100に近い方が勝ちというゲームです。
子どもチームは,封筒の中の数字カードの平均値が102の封筒を選択しました。私は95の封筒から数字カードを取り出します。
ゲームを何回を継続しますが,いずれも私が勝ってしまいます。5回戦中子どもは全敗です。この結果を見たある女の子が,両手で子どもチームの数字カードの分布状況をジェスチャーで表現する姿が見えてきました。そこで,この女の子の思いを共有化します。
「100から離れている」
ある子どもが,このようにつぶやく声が聞こえてきました。子どもチームの数字カードは100から離れているカードばかりでした。その様子を,この言葉で表したのです。さらにこの言葉を,両手を大きく広げて表現する姿が生まれてきました。一方,私のデータは100に近いカードばかりでした。このデータを,両手を近づけて表現する姿も生まれてきました。
その後,これらの両手の表現を数字カードを移動させて表しました。このカードの分布こそ柱状グラフそのものです。

子どもがデータをグラフ化したくなる仕掛けをいかに構成していくのかを,子どもたちの素直な表現をもとに授業した1時間でした。