2019年11月13日水曜日

「ひきざん」と「たしざん」がつながる

1年生の繰り下がりのあるひきざんの導入場面です。

「どんぐりが12個あります。リスが9個食べました。残りは何個でしょう」

子どもたちは,「わかった!」と元気に声をあげます。そこで,「答えをノートに書きましょう」と投げかけます。ノートに向かい始めた子どもから,「式も書けるよ」「図も描けるよ」という声があがります。式や図をかくことを教師が指示しなくても,子どもから式や図をかきたくなる気持ちを引き出すことが大切です。
さて,子どもの呟きをもとに「式も図もかけるの?すごいね」と褒めていきます。子どもたちは,式や図もノートにかいていきます。

子どもたちが求めた答えは「3個」でした。式は「12−9」でした。そこで,「どうやってどんぐりが3個と分かったの?」と尋ねます。

「図を描きました。12個の丸を描いて,食べたどんぐりが9個だから丸に9個×をつけます。残った丸を数えたら3個と分かります」
「私は,1個ずつ引いていきました。12,11でまず2個引きます。次に残った10個から,10,9・・・5,4と引いていくと,残りが3個だと分かります」

図を描いて考える,指を使って考えるの2つの方法が発表されました。いずれの方法も,子どもたちは納得です。そこで,次のように投げかけます。

「答えを出すには,図を描くか指を使えばいいんだね」

この投げかけに,「そうだよ」という声と同時に,「式でもできるよ」「指なんていらないよ」「図もいらないよ」と声があがります。様々な式が子どものノートには書かれていました。その中の右の式を板書します。
式を見た子どもの反応は,2つに分かれました。「えっ?」という反応と,「あー」という反応です。前者の反応は,この式を作った論理が見えていないことが原因です。
そこで,1つずつ式の意味を読解していくことにしました。まずは,「10−9」についてです。

「12を10と2に分けるでしょ」

この説明に対して,「なんで10と2にするの?」という反応が生まれます。まだ,上記の式の論理が見えていないからです。

「10から食べた9を引くと1でしょ」
「だから10−9=1」
「10から9を引くと簡単だ」
「10+も簡単だったもんね」
「だから,10+も10−も10の固まりで考えるといい」
「その1に,残った2をたせば残りがわかる」

「1+2」の式の意味もここで説明されました。子どもたちは,10の固まりを基準にたし算をしたりひき算をしたりする考え方が簡単だと説明してきました。この考え方は,3口の計算で学んだ考え方です。3口の計算や既習のたし算とつなげた見方・考え方が生まれてきたのです。多くの子どもが,10−も10+と同様に簡単だと考えました。一方,10−は簡単ではないと考える子どももいました。

そこで,10−はそれ以外のひき算よりも簡単なのか実験することにしました。子どもたちに,次のように投げかけます。
「これから言う式の答えが分かったら,黙って手をあげましょう」
10−7,13−7,10−9,14−9などとの式を提示していきます。10からひく計算は,どの子どももすぐに手があがりました。一方,13や14からひく計算に対しては,「えっ?」と声をあげる子どもや,10からひく計算よりも時間がかかる子どもが多く見られました。

10からひく方が計算が簡単だということを,子どもたちは実感していきました。繰り下がりのあるひき算で,10の固まりを作って考えるよさを子どもから引き出すことができただけでなく,既習のたし算での10の固まりを作るよさともつなげて考えることができた1時間となりました。