次の問題を子どもたちに提示します。
「お話に合う絵はどれですか」
前回と同じ問題です。1問目は「車が3台止まっています。後から2台来ると,車は何台ですか」でした。この問題は,全員が増加場面の問題文であることを認識することができました。
2問目に,次の問題を提示しました。
「赤い鳥が6羽,青い鳥が4羽飛んできました。全部で何羽になったでしょう」
合併場面の問題文です。その後,右の静止画像を提示します。提示と同時に,「違う」という声が聞こえてきました。しばらくすると「いいよ」という声も聞こえてきましたが,それは僅かでした。「違う」という子どもたちは,その理由を次のように説明しました。「はじめに赤い鳥がいるのに,これはいない」
「後から青い鳥が来るのに,この絵だと違う」
これらの説明に対して,「『はじめに』なんて書いてない」「『後から』なんて書いてない」と反論の声があがります。この声で,少しずつ子どもたちの認識に変化が生まれてきました。ところが,引き続き「違う」と考える子どももいます。彼らの主張は,次の通りです。
「だって,先に赤い鳥が6羽って書いてあるから,先に赤い鳥がいるんだよ」
彼らは,文章の順番を過度に意識していたのです。子どもらしい考え方だなあと感心しました。その後,次の説明が生まれてきました。
「『とんできました』というのは,赤い鳥と青い鳥が一緒に飛んできたということだよ」
「後から来るなら『後から』と書くよ」
最初の問題文とも比較していく中で,合併場面の問題場面であることを認識していくことができました。
問題文の順番と増加・合併場面の区別が混同してしまうのが,1年生指導の難しいところですね。いやあ,1年生の考え方はおもしろいですねえ!