2023年6月9日金曜日

何時・何時半ゲーム

 1年生のこの時期は,何時・何時半までの時計の読み方を学習します。単に,4時や6時半というだけではおもしろさはありません。

そこで,2人1組でじゃんけんをして時計模型を使ったゲームを行うことにしました。スタートは12時です。グーで勝ったら長針を半分(30分)進めます。チョキで勝ったら長針を1周(1時間)進めます。パーで勝ったら長針を1周半(1時間30分)進めます。

勝った人は,針を動かした後で相手に「2時半です」などと言って時計を見せます。相手は,申告された時刻と時計模型の針が対応しているのかを判定します。これを繰り返し,時刻が相手よりも先に進んだ方が勝ちというゲームです。

このゲームは,異常に盛り上がります。ゲームですが,そこで行われていることは時刻の学習です。しかし,子どもたちにはその感覚はないようです。永遠に集中してゲームに熱中しています。子どもたちが熱中すればするほど,何時・何時半の読み方が定着していくのです。学びと楽しさが両立するゲームですね。

このゲームのアイディアは,私の師匠である田中博史先生から教えていただきました。

次回は,針を戻すルールも入れてみようかなあ・・・。

九州算数・数学研究大会に参戦します!

 この夏の7月26日(水)〜28日(木)まで,熊本市を会場に第77回九州算数・数学研究大会が開催されます。大会2日目の小学校部会では私が講演を行います。講演テーマは,「愉しい算数授業に必要な条件−あなたの授業スタイルで大丈夫ですか?−」です。

私の講演の他にも,九州各地区の代表の先生の実践提案や授業公開も行われます。算数の授業改革に燃える九州で暑い夏のスタートを切りませんか?

詳細・お申し込みは以下からお願いします。






2023年6月8日木曜日

文章と時系列

 次の問題を子どもたちに提示します。

「お話に合う絵はどれですか」

前回と同じ問題です。1問目は「車が3台止まっています。後から2台来ると,車は何台ですか」でした。この問題は,全員が増加場面の問題文であることを認識することができました。

2問目に,次の問題を提示しました。

「赤い鳥が6羽,青い鳥が4羽飛んできました。全部で何羽になったでしょう」

合併場面の問題文です。その後,右の静止画像を提示します。提示と同時に,「違う」という声が聞こえてきました。しばらくすると「いいよ」という声も聞こえてきましたが,それは僅かでした。「違う」という子どもたちは,その理由を次のように説明しました。

「はじめに赤い鳥がいるのに,これはいない」

「後から青い鳥が来るのに,この絵だと違う」

これらの説明に対して,「『はじめに』なんて書いてない」「『後から』なんて書いてない」と反論の声があがります。この声で,少しずつ子どもたちの認識に変化が生まれてきました。ところが,引き続き「違う」と考える子どももいます。彼らの主張は,次の通りです。

「だって,先に赤い鳥が6羽って書いてあるから,先に赤い鳥がいるんだよ」

彼らは,文章の順番を過度に意識していたのです。子どもらしい考え方だなあと感心しました。その後,次の説明が生まれてきました。

「『とんできました』というのは,赤い鳥と青い鳥が一緒に飛んできたということだよ」

「後から来るなら『後から』と書くよ」

最初の問題文とも比較していく中で,合併場面の問題場面であることを認識していくことができました。

問題文の順番と増加・合併場面の区別が混同してしまうのが,1年生指導の難しいところですね。いやあ,1年生の考え方はおもしろいですねえ!



2023年6月6日火曜日

お話に合う絵は?

 子どもたちに「お話に合う絵はどれでしょう」と投げかけ,次の問題文を提示します。

「籠に玉が5個入っています。後から2個入れたら,玉は全部で何個ですか」

問題文を板書する途中から,子どもたちが様々なことを呟きます。

「増えるのかな」

「たし算じゃないかな」

問題文から,その先を予想していく声が生まれてきました。

さて,1枚目の動画を提示します。5個と2個の玉が同時に籠に入る動画です。動画を見た子どもからは,「合ってる」という声が聞こえてきました。ところが,しばらくすると「だめー」という声も聞こえてきました。「合ってる」「だめ」のズレが生まれてきました。

「合ってる」と考える子どもたちは,たし算だから「合ってる」と考え,両手を頭上で合わせるジェスチャー表現までしています。

一方,「だめ」という子どもたちもいます。彼らは,次のように考えました。

「先に5を入れるんだよ」

「『籠に玉が5個入っています』だから,最初から入っているんだよ」

「(前の)ワニみたいにするんだよ」

ワニの発言は,増加場面の学習で子どもから生まれてきたジェスチャー表現のことです。この「ワニ」に意味を共有していきます。

「最初に5個あって,そこに2個増えるからワニだよ」

子どもたちは,ここでも両手を使ったジェスチャー表現を使いながら増加場面の動きを表現していきました。1年生では,言葉だけで理解を進めるのは難しいのです。そのために,このようなジェスチャー表現が考えを共有していく上で有効に働きます。

これらの話し合いから,最初の動画は合併場面であるために,問題文に合っていないことが見えてきました。そこで,もう1枚の動画を提示します。今度は最初から籠に5個の玉が入っています。その後,2個の玉が籠に入る動画を見た子どもたちは,「そうそう」「これこれ」と声があげました。

合併と増加の場面を,両手を使ったジェスチャー表現を行うことでその違いを明確にしていくことができた1時間でした。



21クラス参観!

 昨日は高知市内の小学校を訪問しました。昨年には高知県出身の演歌歌手の三山ひろしさんがけん玉を6年生と勝負しに訪問されたそうです。さすが高知ですね。

さて,全21クラスを訪問しました。子どもたちの反応は素直で,教室のあちこちで小さなズレや大きなズレが生まれていました。とてもよい反応です。こんな姿を見るとうれしくなりますね。もちろん,課題もありましたのでお伝えしてきました。きっと今日の算数はバージョンアップしているのではないでしょうか。

そうそう,久しぶりの高知のレジェンド先生の再会しました。とてもお元気そうで,バリバリでした。さすがレジェンドです! 高知の先生は本当にパワフルですねえ!


2023年6月5日月曜日

高知の先生は元気です!

 今日は,これから高知の小学校を訪問します。昨日,高知入りしました。高知の繁華街帯屋町はNHK朝ドラ「らんまん」一色でした。ひろめ市場にも,らんまんコーナーが特設されていました。記念写真を撮影される方が,大勢いらっしゃいました。朝ドラなの影響は大きいですね。

昨晩は,会場校の先生方と会食をしました。高知の美味しい料理をいただきながら,高知の教育事情などについて語り合いました。それにしても,高知の先生はパワフルです。学校改革に必要な条件の一つは,先生方のパワフルさです。きっとこれから大きく前進していくのではないでしょうか。

今日は,会場校に高知のレジェンドもおいでになるそうです。いやー,久しぶりにお会いするので,より一層学校訪問が楽しみになってきました。

2023年6月3日土曜日

高知で全クラス参観!

 来週は,高知市の学校を訪問し全21クラスの算数授業を参観します。かつて田中博史先生から,公立学校のトップは「北の浜浦,西の泉野」と呼ばれた時期があります。西の泉野小があるのが高知です。今回はかつて私が泉野を訪問した際に勤務されていた先生からのご依頼を受けて,別の学校を訪問します。人の縁とは大切ですね。

泉野では全クラス訪問を数年継続しました。その結果,先生方の授業力は一気に向上しました。これは昨年学校改革の本を出版された京都の第2向陽小学校とも共通しています。

公立学校は人事異動があるため,研究を継続することにややハードルがあります。しかし,その学校のよさをうまく伝えることができれば,学校改革も継続することができます。

さて,今回の高知の学校ではどのような授業が展開されるでしょうか。