2025年7月10日木曜日

 文章問題を提示し,どんな式になるか考えさせました。

5問目に次の問題を提示しました。

「7.1/2mのロープを1.1/4mずつ切ると,何本できますか」

問題文を見た子どもから,「4ますは無理かも」と声があがります。その原因を指摘する声もあがってきます。

「数字が2つしかないよ」

「1がないから,4ますできない」

「1を作ればいいんだ」

「どっちが1?」

「1.1/4mずつ切るんだから,これが基だから1だよ」

これで3つ目の数字が見えてきました。これなら4ます関係表ができます。関係を示す矢印は縦方向に入ります。それまでの横方向とは異なります。

この縦方向の矢印を見た子どもから声があがります。

「包含除は縦なんじゃない?」

鋭い指摘です。わり算には包含除と等分除があることは以前の学習で学びました。その学習と4ますの矢印に関係性を見出したのです。

1週間ほど前の学習でも包含除を学習しました。その場面を4ますに整理すると,この問題も縦方向に矢印が入りました。すごい発見です。

すると今度は,「だったら等分除は横方向だね」と,新たな視点の指摘も生まれきました。びっくりするほど追求力の高い子どもたちです。

2025年7月8日火曜日

きまりがあります!

25分ほどの算数です。「次の計算をしよう」と投げかけます。

「3÷0.25」

そのまま計算すれば12と答えが求められますが,0.25を分数の1/4に置き換えて計算する子どももいます。

「その方が簡単」

「わり切れないかもしれないから」

このように分数に置き換えた理由を説明します。なるほど!という理由です。

その後も,「4÷0.25」「5÷0.25」と計算を進めていきます。すると「きまりがある」と声があがります。

「4ずつ答えが増えている」

「÷1/4って×4になるから,4を倍しているから4ずつ増えるんだよ」

答えの増え方のきまりや,そのきまりになる理由を分析する声がうまれてきました。

その後は,別の数字に置き換えて子どもたちが見つけたきまりが活用できるのかを実験していきました。 



 

2025年7月7日月曜日

授業ビデオ講座「脱教師主導宣言」

授業テラス主催の授業ビデオ公開講座が開催されます。テーマは,「脱教師主導宣言」です。6年生「点対称」の授業ビデオを解説しながら,脱教師主導・子ども主体の授業の展開の仕方について学んでいく講座です。

日時:8月9日(土)9時〜11時半

お申し込みは以下のサイトからお願いします。限定50名です!

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2025年7月2日水曜日

1より小さいと小さい

「式を完成させて,答えが大きい方が勝ちゲームをしよう」
このように投げかけます。3/4以降の演算と数字をカードから引いて,式を完成させます。

最初のチームが,3/4×7/8になるカードを引きました。するとこの式を見た子どもから,
「1より小さいと小さい」
と声があがります。この声の意味を読解します。
「1より小さい数をかけると,答えは小さくなる」

演算とそれに対応する数字が1よりも大きいか小さいかによって,答えの大きさが変わるという説明です。この場面での読解が,その後の「÷」の演算が生まれた時にも生きてきました。

合計12回のゲームを通して,分数のわり算のわられる数とわる数とその商の大きさの関係を見いだした1時間でした。


 

2025年7月1日火曜日

あまりが・・・

次の問題を子どもたちに提示します。
「2と1/5Lの牛乳があります。2/5L入りの瓶に分けます。瓶は何本できて何Lあまりますか」
式が2と1/5÷2/5になることはすぐに分かります。計算すると,答えは5と1/2となります。ここからほとんどの子どもたちは,答えを「5本になって1/2Lあまる」としました。この答えに違和感を抱く子どもはいませんでした。

一方,「あまりますか」という問題文から,計算を分母同士・分子同士でわり算する考えが生まれてきました。分母は5÷5で1となります。分子は11÷2なので5あまり1となります。この結果から,答えは「5本できて1Lあまる」としました。

すると,この結果を見た子どもから声があがります。
「あまりの1Lの中に2/5Lがまだある」
「図で描くと,2/5Lが2つあるよ」
「だから答えは7本とれるんじゃない」
「そしてあまりは1/5Lになる」

あまりの大きさに目を付けた鋭い指摘です。すると,この結果を見た子どもから,さらに声があがります。
「それなら,左の式のあまり1/2Lの中にも2/5Lがある」
「図を描いても,1/2Lの中に2/5Lが1つ分ある」
「通分したら,5/10Lの中に4/10Lが1つ分ある」
「だから答えは6本とれて1/10Lあまるだ」

右側の式から生まれが疑問が,左側の式にも当てはまることを子どもたちが指摘していきました。よい学びの連鎖です。
しかし,生まれてきた式は2種類になりました。この答えは正しいのでしょうか?

そこで,確かめ算を行います。結果は,いずれも正しくないことが分かりました。では,一体答えはどうなるのでしょうか。

計算結果は5と1/2となりました。このことから,牛乳瓶5本が取れることは間違いありません。問題はあまりに該当する1/2の部分です。多くの子どもたちは,1/2Lと考えましたが,それでは正しくはないようです。
すると子どもから,次の声があがります。
「1/2というのは,2/5の1/2なんだよ」
「???」
「そーいうことか!」
「図で描くと,2/5L入るコップがあって,その中の1/2だけ牛乳が入るということ」
「だから1/5Lあまるんだ」
答えの1/2の意味を捉え直す声が生まれてきました。この場面はていねいに展開しました。理解に時間がかかるからです。
この考え方を確かめ算で確認すると,正しい答えであることが分かりました。

そこでもう一度,最初の子どもたちの誤答に戻ります。
「計算の答えの5と1/2から,みんなは5本と1/2Lと考えたね。なにがよくなかったのでしょうか」
子どもたちが考えます。
「答えを5本と1/2Lと別の単位にしてしまったら」
「5と1/2は同じ数だから,まとめて本と考えるのに,別々にしてしまったからだめだった」

1/2は牛乳の量ではなく,2/5Lの中の割合を示す1/2だったのです。この意味を時間をかけて読解していきました。