2025年7月8日火曜日

きまりがあります!

25分ほどの算数です。「次の計算をしよう」と投げかけます。

「3÷0.25」

そのまま計算すれば12と答えが求められますが,0.25を分数の1/4に置き換えて計算する子どももいます。

「その方が簡単」

「わり切れないかもしれないから」

このように分数に置き換えた理由を説明します。なるほど!という理由です。

その後も,「4÷0.25」「5÷0.25」と計算を進めていきます。すると「きまりがある」と声があがります。

「4ずつ答えが増えている」

「÷1/4って×4になるから,4を倍しているから4ずつ増えるんだよ」

答えの増え方のきまりや,そのきまりになる理由を分析する声がうまれてきました。

その後は,別の数字に置き換えて子どもたちが見つけたきまりが活用できるのかを実験していきました。 



 

2025年7月7日月曜日

授業ビデオ講座「脱教師主導宣言」

授業テラス主催の授業ビデオ公開講座が開催されます。テーマは,「脱教師主導宣言」です。6年生「点対称」の授業ビデオを解説しながら,脱教師主導・子ども主体の授業の展開の仕方について学んでいく講座です。

日時:8月9日(土)9時〜11時半

お申し込みは以下のサイトからお願いします。限定50名です!

https://peatix.com/event/4451653/view?utm_campaign=pod-11433527&utm_medium=email&utm_source=follow-organizer&utm_content=5588415&dlvid=44044534-9e7a-4c12-a181-07c1c8ede0ae&sltid=0



2025年7月2日水曜日

1より小さいと小さい

「式を完成させて,答えが大きい方が勝ちゲームをしよう」
このように投げかけます。3/4以降の演算と数字をカードから引いて,式を完成させます。

最初のチームが,3/4×7/8になるカードを引きました。するとこの式を見た子どもから,
「1より小さいと小さい」
と声があがります。この声の意味を読解します。
「1より小さい数をかけると,答えは小さくなる」

演算とそれに対応する数字が1よりも大きいか小さいかによって,答えの大きさが変わるという説明です。この場面での読解が,その後の「÷」の演算が生まれた時にも生きてきました。

合計12回のゲームを通して,分数のわり算のわられる数とわる数とその商の大きさの関係を見いだした1時間でした。


 

2025年7月1日火曜日

あまりが・・・

次の問題を子どもたちに提示します。
「2と1/5Lの牛乳があります。2/5L入りの瓶に分けます。瓶は何本できて何Lあまりますか」
式が2と1/5÷2/5になることはすぐに分かります。計算すると,答えは5と1/2となります。ここからほとんどの子どもたちは,答えを「5本になって1/2Lあまる」としました。この答えに違和感を抱く子どもはいませんでした。

一方,「あまりますか」という問題文から,計算を分母同士・分子同士でわり算する考えが生まれてきました。分母は5÷5で1となります。分子は11÷2なので5あまり1となります。この結果から,答えは「5本できて1Lあまる」としました。

すると,この結果を見た子どもから声があがります。
「あまりの1Lの中に2/5Lがまだある」
「図で描くと,2/5Lが2つあるよ」
「だから答えは7本とれるんじゃない」
「そしてあまりは1/5Lになる」

あまりの大きさに目を付けた鋭い指摘です。すると,この結果を見た子どもから,さらに声があがります。
「それなら,左の式のあまり1/2Lの中にも2/5Lがある」
「図を描いても,1/2Lの中に2/5Lが1つ分ある」
「通分したら,5/10Lの中に4/10Lが1つ分ある」
「だから答えは6本とれて1/10Lあまるだ」

右側の式から生まれが疑問が,左側の式にも当てはまることを子どもたちが指摘していきました。よい学びの連鎖です。
しかし,生まれてきた式は2種類になりました。この答えは正しいのでしょうか?

そこで,確かめ算を行います。結果は,いずれも正しくないことが分かりました。では,一体答えはどうなるのでしょうか。

計算結果は5と1/2となりました。このことから,牛乳瓶5本が取れることは間違いありません。問題はあまりに該当する1/2の部分です。多くの子どもたちは,1/2Lと考えましたが,それでは正しくはないようです。
すると子どもから,次の声があがります。
「1/2というのは,2/5の1/2なんだよ」
「???」
「そーいうことか!」
「図で描くと,2/5L入るコップがあって,その中の1/2だけ牛乳が入るということ」
「だから1/5Lあまるんだ」
答えの1/2の意味を捉え直す声が生まれてきました。この場面はていねいに展開しました。理解に時間がかかるからです。
この考え方を確かめ算で確認すると,正しい答えであることが分かりました。

そこでもう一度,最初の子どもたちの誤答に戻ります。
「計算の答えの5と1/2から,みんなは5本と1/2Lと考えたね。なにがよくなかったのでしょうか」
子どもたちが考えます。
「答えを5本と1/2Lと別の単位にしてしまったら」
「5と1/2は同じ数だから,まとめて本と考えるのに,別々にしてしまったからだめだった」

1/2は牛乳の量ではなく,2/5Lの中の割合を示す1/2だったのです。この意味を時間をかけて読解していきました。

 

2025年6月26日木曜日

倍分から逆

前回の学習では,分数のわり算は倍分を使えば,どんな計算もできそうだということが見えてきました。しかし,まだ実験数が不十分です。そこで,3/4÷2/5になる問題場面で実験を行います。

分母分子をそれぞれ10倍の倍分することで,2/5で割り切ることができます。答えは15/8Lと計算はできます。しかし,その真偽は図で確認を行わないと分かりません。そこで,図で確認します。結果は,図の中に15/8があることは見えました。この答えを導くために,小さな長方形の数を計算で求めました。分母は4×2,分子は3×5で求められます。

すると子どもたちが,「逆数が見える」と気づきます。分母分子の総数を求めるかけ算のかける数の部分に÷2/5の逆数である×5/2が見えるというのです。また,この図が÷2/5に見えると同時に,かけ算の図のように×5/2の図にも見えるという気付きも生まれてきました。

すると今度は,「式の中にも逆数が見える」と声があがります。倍分を行った分子の計算は,3×10÷2でした。式後半の10÷2を先に計算すると3×5になります。分母の4×10÷5の後半10÷5を先に計算すると4×2になります。するとこの式の部分にも逆数のかけ算が見えてきます。

分数同士のわり算を倍分を使って計算を進める中から,逆数をかける意味や形式を見つけていくとができました。



2025年6月25日水曜日

今やったやり方について・・・

次の問題を提示します。
「1/2分で4/6Lのジュースを作るマシンがあります。1分では何Lのジュースができますか」
式は4ます関係表から見えてきます。4/6÷1/2です。しかし、この計算は未習です。そこで生まれてきたのが、「分数のかけ算みたいにするといい」という声です。
この声の意味を読解します。
「分数のかけ算は、分母と分子をかけたから、今度は分母は分母、分子は分子でわる」
「できるかなあ・・・」

先行学習をしている子どもは「逆数」を使う意識しかありません。このような考えの登場に戸惑っているのです。

これは分数のかけ算から類推した考え方です。子どもらしい素直な考えです。これで計算を行うと、答えは出ます。しかし、この答えが正しいか否かは分かりません。そこで、図で確かめます。

図でも答えが4/3になることが見えてきました。この結果から、分数同士の割り算もかけ算と同じように計算ができそうです。

ところがここで,「でも」という声が聞こえてきます。
「今はいいけど、割れなかったどうするの?」
「例えば、10/6÷3/5だったら割れないよ」

割り切れない数値の場合は、この方法の限界が来るという考えです。具体的な数値も提案されました。

すると、「あまりを出したらいいんじゃない?」と声が上がります。

「3あまり1/1あまり1」
「えー,そんな分数はないよ」
「倍分したらいいよ。№21の勉強でもやったよ」

倍分を使う計算は,分数÷整数で経験しています。この既習がここで想起されてきました。
そこで,倍分を使って10/6÷3/5を計算します。10/6の分母・分子を15倍することで,3/5で割れるように式が変身します。

この結果,倍分でも答えが求められそうだということが見えてきました。ところが,「まだ1回しかやってないから,3回やらないと分からない」と声があがります。早急な一般化に警鐘を鳴らす声です。
そこで,3/5÷2/4で実験を行います。このままでは,分母も分子も割れません。
「4倍で倍分したらいいよ」
「なんで4倍?」
「2/4の最小公倍数だからだらよ」

わる数の最小公倍数で倍分すればいいという声です。しかし,本当に最小公倍数でいいのか疑問を抱く子どももいます。
そこで,「最小公倍数はたまたまでしょ?」と投げかけます。
すると,ある女の子の視線が,別の問題を見ていました。彼女を指名します。

「たまたまじゃないよ。さっきの問題も最小公倍数だったよ」

彼女は1つ前の問題を倍分するときにも,わる数を最小公倍数をかけていたことに気付いたのです。このように複数の情報の共通点を見出せることも大切ですね。

さて,最小公倍数で倍分すると,この問題も計算ができました。ここで時間となりましが,ここまでの結果から「最小公倍数で倍分したら,どんな分数も計算できそうだ」ということが見えてきました。しかし,「大きい数になると,最小公倍数も面倒くさそう」という声も生まれてきました。ここは明日の課題となります。


 

2025年6月24日火曜日

京都の小学校を訪問

 今日は京都府南丹市の小学校を訪問しました。全校6学級の小さなが学校です。

全クラスの算数授業を参観しました。どの教室からも,子ども達の素直な声が聞こえてきました。今回の授業訪問では,指導力の向上が著しい若手の先生がいらっしゃいました。これまでの私の訪問での指導や日ごろの勉強の成果が,着実に現れていますね。

やはり教師も常にアップデートが必要ですね。「常にアップデートが必要」あるすごい先生が使われていた言葉です。これはまたどこかの講座で紹介しますね。