2021年9月10日金曜日

あまりは3,4,5・・・

前回の算数授業の続きです。「1÷4」をドーナツの問題文に置き換えることで,答えが「0あまり1」になることが見えてきました。


2問目に提示したのは,「2÷4」です。この問題も「ドーナツが2個あります」と具体的問題場面に置き換えることで,「0あまり2」と答えが見えてきます。

さて,この問題が終わったところで「おもしろいことがあります」という声が多数あがってきました。

「わられる数と答えが同じになっている」

「わられる数が1増えると,答えも1増えている」

「だったら,わられる数が3になれば答えは3になる。わられる数が4なれば答えは4になる。わられる数が5になれば答えは5になる」(F男)

 

「おもしろいこと」の発見をきっかけに,次の問題場面を予想する声も生まれてきました。F男の発見は,その典型的な声です。算数では,それまでの結果を基に先の場面を予想することも大切な力です。F男の発見に対して「途中から違うよ」と声もあがります。しかし,この場面で大切なことは,F男の発見の真偽を明らかにすることではありません。F男の発見の背後にある論理をクラス全体で読解し共有化していくことです。ここをていねいに展開していくことが,算数授業の最大の目的です。


F男の論理をクラス全体で読解しました。果たして,この先は子どもたちの予想通りになるのでしょうか?


「3÷4」を計算します。答えは,「0あまり3」です。子どもたちの予想通りの結果になります。ここまでは順調です。

次の問題は,「4÷4」です。きまり通りに考えれば,「0あまり4」です。確かめ算は「4×0+4=4」です。合っています。これも子どもたちの予想通りと言えそうです。

ところが「違うよ,まだわれるよ」「わりきれるよ」「文にしたら分かるよ」と声が続きます。

「『ドーナツが4個あります。1人に4個ずつ分けます』で考えたら,4個の束が1セットできるよ。だから,答えは0じゃなくて1だよ。だから,あまりはなくなるんだよ」

「わられる数=わる数なら,わりきれるんだよ」

「だから,あまりは出ないんだよ」


先ほどまでは,数字だけの操作で計算を進めていました。ここでも具体的問題場面に置き換えることが有効に働きました。

この後,子どもたちは「『5÷4=1あまり1』だからあまりがリセットする」と,先ほど見つけたあまりのきまりを見直していくことができました。この時間は,「すばらCマーク」が合計7個も出た「すばら祭り」となりました。子どもたちの大発見が続発した愉しい授業となりました。