2021年11月27日土曜日

1mよりも短いぞ・・・

3年「分数」の導入場面です。


「紙テープは何mあるでしょう」と投げかけ,右の図を提示します。子どもからは「2m」と声があがります。

そこで「本当に2m?」と念を押します。すると子どもからは,自然にジェスチャーが生まれてきます。両手を使って,次のように説明してきます。

「これで1mの1つ分」

「これで2つ分」


基にする大きさがいくつ分あるのかを考える,算数でとても大切な見方が生まれてきました。

 

次に,右の紙テープを提示します。子どもからは「あれ?」「えっ」と驚きの声が聞こえてきます。2mよりももっと長い紙テープを予想していたのに,子どもの目の前に現れたのは,それとは真逆の物だったからです。

しかし,すぐに子どもたちは再び指を左右に動かしながら,何かを数えています。そこで,「なにをしているの?」とそのジェスチャー表現の気持ちを読解します。

「小さい紙テープが,何個入るのかを調べている」

「小さい紙テープは,1,2,3,4,5個入った」

「でも,1mよりも小さいよ。なんて言えばいいの?」

「だったら分数を使えばいいよ」

「1mを5つに分けた内の1つ分だよ」

「1mの1/5だね。それなら,1/5mと言えばいいのかな」

1mよりも短い長さを,そのまま「m」の単位で表現することはできません。そこで,子どもたちが思いついたのが,2年生で学習した分数と関連づける見方です。分数を使えば,1mよりも短い長さも「m」の単位を使って表現することができるのです。

この後も,1mよりも短い長さを提示しました。その度に子どもたちは,指を左右に動かしながら短いテープが1mに何個分入るのかを一生懸命に探っていました。