2018年7月10日火曜日

ゲームで小数の計算を創る

4年生の「小数のたし算と引き算」の学習です。

体積の学習で使う1㎤のブロックを用意します。色は2種類用意します。私は黄色と赤を用意しました。それぞれ30個程度のブロックを袋の中に入れます。これで,準備完了です。

子どもたちには,次のように投げかけます。
「赤白対抗でブロックゲットゲームをしよう」
赤白の代表を2人ずつ決めます。彼らが,袋に手を入れてブロックをつかみます。ただし,使っていいのは親指・人差し指・中指の3本だけとしました。これだと,適量がつかみ出されます。

代表の子どもがブロックをつかみます。赤チームの1人目が,赤色12個,黄色7個を取り出します。赤ブロックは1個0.1点です。黄ブロックは1個0.001点です。従って,1人目の得点は,1.207点となります。

0.1が12個で1.2になること,0.001が7個で0.007になることを,じっくりと時間をかけて共有していきます。基準となる小数のいくつ分という見方を育てていくことが,この時間の大切なポイントの一つです。

次に赤チームの2人目がブロックをつかみます。赤色15個,黄色12個をつかみます。従って,この得点は,1.512点となります。

0.001が12個で0.012になることは,新しい学びです。どの位の数字も10個集まると1つ上の位に繰り上がります。この考え方をもとに,0.001が12個で0.012になることを共有していきます。

この2人の得点を合計します。これが赤組の得点となります。この場合は,1.207+1.512=2.719点となります。

続いて白組です。1人目が1.518点,2人目が1.715点でした。2人の得点を合計します。計算をしている子どもからは,「今度は繰り上がりがある」「2回も繰り上がりがある」「赤組は繰り上がりがなかったのに」と声があがります。赤白の計算に違いがあることに,子どもたちは気づきました。

この後も,同様にしてゲームを続けます。何回ゲームをしても,赤組は繰り上がりのない組み合わせ,白組は繰り上がりのある組み合わせのみが生まれました。偶然の結果ですが,不思議な1時間となりました。

このゲームはひき算に置き換えることもできます。また,ブロックの1個分の数を別の数値に置き換えることで,計算の種類が増えてきます。広がりのあるゲームです。