2019年6月16日日曜日

問題の先が見える

1年生とたし算の勉強を進めています。先日は,「こんなたし算はできるかな」と子どもたちに投げかけて授業をスタートしました。

1問目に提示しのは「5+1=6」です。ノートに丸の図を描いて,答えが6になることを確認します。
2問目は「5+2=7」です。これも図で答えを確認します。

2問目の答えの確認が終わると,子どもから「次の問題がわかります」と声が上がります。この声の中身をすぐには尋ねません。「そんなはずはないでしょ。気のせいだよ」と子どもに投げ返します。時間のワンクッションを置くのです。これで,それまで3問目の問題を教師から提示されるのを待つだけの姿勢でいた子どもたちが,「3問目ってなんだろう」と考え始めるのです。子どもたちは,1・2問目の式を見直します。これで一気に「次の問題がわかります」という声が広がります。

「次は5+3です」
「だって,左の数は全部5だったから次も5です」
「右の数は1,2,3と順番になるからです」

3問目のたす数が3になることは,1年生にとっては実は簡単に理解することができないのです。1年生の理解には思いのほか時間がかかります。ていねいに展開することが大切です。

「右の数は1ずつ増えてるでしょ。1から2は1増えたでしょ。次も2から1増えるから3だよ」

「順番」という言葉を「1ずつ増える」と置き換えることで,3問目のたす数が3になることが見えてきました。
3問目を予想できた子どもたちの見方・考え方を絶賛しました。すると,3問目の問題を終わると,勝手に次の問題をノートに書き出す姿があちらこちらで見られます。

「次の問題もわかります。5+4です」
「そのあともわかります。5+5です」
「もっと先もわかります。ぼくは14問目まで考えました」

子どもたちが,目の前に提示された情報からきまりを見つけること,さらにはそのきまりか,まだ見えていない情報を類推する見方・考え方を培うことは算数授業では非常に大切です。この見方・考え方を培うために,1・2問目の式の数値を意図的に設定したのです。きまりを見つけた1年生が,一気に動き出した1時間でした。