2021年6月15日火曜日

大きい数字はどれ?

3年生の子どもたちに「大きい数字はどれでしょう」と投げかけ,


右の画像を提示します。


子どもたちは,「今の段階では,黄色と緑の3が大きい」と考えています。その根拠を,次のように説明します。


「もしア〜カが全部0なら,黄色は3000000で青は100000だから黄色が大きい」

「青は勝ち目はない」

カードに0を入れる例示で大きい数字は,黄色か緑に絞られます。見えないカードに0という数を例示として代入することで,説明が一気に子どもたちに伝わりました。このような説明の仕方を価値付けます。


さて,ここで「どのカードを開いてみたいか」を尋ねます。ここで聞こえてきたのは,「カ」という声でした。なぜでしょうか?

 

「筆算は一の位から計算するから」


これが,その理由でした。既習の計算経験をもとにした子どもらしい発想です。しかし,ここ

で「アから見た方が早く分かる」と声があがります。この声の意味をクラス全体で考えていき

ます。


「もし黄色のカが8で緑のカが7だとしたら,黄色が大きい」

「でも黄色のアが1で緑のアが9なら,緑の方が大きくなる」

「もし,アが同じなら次にイを見る。また同じなら次々に見る」

「カから見たら,全部見ないといけなくなるかもしれない」


大きい位から順に数字を見たら,早く数の大小が決まるという数の構成に目を付けた声が生まれてきました。よい視点が生まれてきました。


そこで,アから順にカードを開けていきます。十万の位は黄色が8で緑が7です。アを開けるだけで,素早く黄色が大きいと決められました・・・が。

 

その後も残りのカードを開けていきます。黄色のカは空白,青のカ


は0です。教室は大ブーイングになりましたが,こうなると黄色よりも青が大きい数になります。しかし,緑のカに数字があれば,緑が最大値になります。このようにカードに隠された部分に,数値ある場合・ない場合を考えることにも意味があります。


結果は,緑のカも空白でした。従って,青が最大値になることが分かりました。


一の位の位置を意図的にずらすことで,最後までドキドキ感を味わう展開となりました。