2022年9月12日月曜日

三角柱の体積が小さい? それとも・・・

前回の3つの立体の体積問題の続編です。 授業冒頭に,次の声があがります。

「全部,同じ。この前のケーキの問題と同じ。正方形の中に1つの円,4つの円,9つの円が入った面積は,全部同じだった。この問題もそれと同じじゃないかな」

円の面積の学習とつなげたよい考え方が生まれてきました。一方,次の声もあがってきます。

「円は全部が同じ形。でも,今回は形が違うから同じとは限らない」

これもよい視点です。

その後,新たな視点が生まれてきます。

「三角柱は2でわるから,体積は他の立体よりは小さくなる」

「高さが同じだとしたら,直方体の底面の長方形と四角柱の底面のひし形は同じ長さ。でも,ひし形は長方形をつぶした形だから面積は小さくなる。だから,四角柱の体積は小さい」

ここまでくると,子どもたちの視点は底面の面積に焦点化します。代表の子どもが,立体の実物の底面を合わせて大きさを確かめます。その結果,底面が長方形と三角形は面積が同じように見えることが分かりました。そうなると,長方形と三角柱の体積は同じで,四角柱はそれよりも少し小さいと子どもたちは考え始めます。

そこで,辺の長さを提示していきます。簡単に計算できると考えた直方体から考えます。高さ3㎝,縦2㎝,横4㎝なので,2×4×3=24(㎤)と計算できます。

するとここで,「でも,三角柱の体積はどうやって求めるの?」と声があがります。ここでは,「簡単」という声と「どうやるか分からない」と2つの声が聞こえてきました。そこで,三角柱の体積の求め方を考えます。

「もし高さが7㎝の三角柱だとします。底面積が15㎠なら,1段目は15㎤。これが,1段,2段…7段とあるから,15㎤×7で計算できる」

形式的に「底面積×高さ」と考えるのではなく,高さ1㎝の1段目の体積が高さ分あるという考え方が生まれてきました。体積の学習の基本に立ち返った素晴らしい考え方です。

この考え方で三角柱の体積を求めると,24㎤となりました。ここまでは子どもたちの予想通りです。残るは四角柱のみ。こちらは時間切れで次回となりました。

体積の基本的な考え方をベースにした見方・考え方が生まれた1時間でした。