2025年4月26日土曜日

「子どものストーリーでつくる算数の授業」申し込み開始!

お待たせしました。授業テラス主催の対面&ハイブリッド講座の申し込みが始まりました。

日時:5月31日(土)13時30分〜

会場:大阪市エル・おおさか

内容:

13:15 受付

13:30 オープニング
13:45 模擬授業

  • 参加者の希望者による算数模擬授業
  • 協議(感想・意見)
  • 尾﨑先生による講評

15:35 尾﨑先生による講義(”子どものストーリー”でつくる算数の授業)
16:45 閉会、解散

17:15 懇親会(希望者のみ:先着10名限定)

今回は難関単元の模擬授業も開催されます。こちらも楽しみな企画ですね。


お申し込みは,以下のアドレスからお願いします。

https://peatix.com/event/4390444/view?utm_campaign=pod-11433527&utm_medium=email&utm_source=follow-organizer&utm_content=5588415&dlvid=714ffcb8-c8b4-4667-b9cb-4803fa71553d&sltid=0

2025年4月24日木曜日

対称の中心がずれたら・・・

 「分度器を使わずに,点対称な図形の残り半分を完成させよう」

このように投げかけます。子どもたちから,次の声が聞こえてきます。

「NO.8の勉強でも似ているのをやったよ」

「対角線の長さが同じならできるよ」

既習のノートを振り返りながら,子どもたちは作図に対して自信を深めています。

そこで,最初の図形を提示します。対称の中心と三角形の頂点が重なる図形です。この図形は,簡単に点対称図形が完成しました。すると,次の声が聞こえてきます。

「角が2つだから,対角線も2本引いた」

「角は3つじゃない?」

「2つの角はお向かいさんができるけど,黒丸(右下)に頂点は対称の中心と重なるから」

「黒丸の頂点にはお向かいさんがないから,角は2つでいい」

作図に必要となる頂点が2つでいい理由が見えてきました。すると今度は次の声があがります。

「でも,中心が頂点と重なっていないと3本対角線がいる」

「重なっていないと,点対称図形はできるの?」

「できるよ。昨日の矢印はずれていてもできたよ」

「四角形もできた。だから,三角形もできるよ」

そこで,中心が頂点からずれた三角形の作図に挑戦します。今回は,3つの頂点からそれぞれ対称の中心を通る直線を伸ばす必要があります。子どもたちは,写真右下のような図を描くこともなく正しく作図ができていました。


1問目と2問目が子どもの思いでつながったからこそ,2問目が正しく作図に取り組めたのです。ストーリーのある展開が,学びを深化させていくことが見えた一コマでした。


「子どもが愉しむ算数授業講座」開催

 6月14日(土)に兵庫県川西市川西商工会議所を会場に,関西math勉強会が開催されます。テーマは,「子どもが愉しむ算数授業とは」です。

模擬授業対決やワークショップなど盛りだくさんの内容となっています。是非,ご参加ください。詳細・お申し込みは以下からお願いします!

https://www.kokuchpro.com/event/c47c1056a4599ef6d4be4dd4bb9411c3/



2025年4月22日火曜日

点対称の残り半分を作図する

 「点対称図形の残り半分を完成させよう」

このように投げかけます。これと同時に生まれてきたのが,次の言葉です。

「対角線を引く」

「斜めの線になる」

「中心を通る」

「4本引ける」

「4本? 2本じゃない?」

「昨日の勉強でやったよね。中心からの長さが等しくなるようにしたらいいんだよ」

前時の学習を生かす声が生まれてきました。子どもたちは,前日のノートを見ながら考えを作り上げていきました。

しかし,対角線の本数を巡りズレが生まれました。2本は全員がすぐに見えてきました。中心を通る,斜めの線です。

一方,残りの2本が見えていない子どもたちもいました。すると,「重なるけど」と声が聞こえてきます。最初の図形の底辺部分に2つの頂点があります。そこから中心を通る対角線を引くと,その2本が重なってしまいます。結果的に3本目の中に4本目があるように見えます。また,底辺部分には辺となる直線があるため,そこが対角線には見えにくかったのです。

この底辺部分を対角線と認識できれば,対角線が4本あることが見えてきます。後は,中心から対応する頂点までの長さが等しくなるように点を順に打っていけばいいのです。

2問目は,矢印が半分になった図形を提示します。見た目に騙され,底辺部分の長さをきちんを測定しない子どもたちがいました。対称の中心は,底辺部分の中心にはありません。少しだけずれています。従って,板書のように上下の図形が少し左右にずれた配置になるのです。思い込みで線をつないでしまうと間違えてしまいます。



2025年4月21日月曜日

回転したのはどれ?その2

 前回の学習のその後です。

「180°回転すると重なる文字の条件に,Sは当てはまるのかな?」

「Sは対応する辺がないのではないか」という疑問が前時の授業終末に生まれました。そこで,Sに焦点化して子どもたちと考えます。

次の声が生まれてきました。

「Sの上と下を合わせると円になる」

「でも,間はどうなるの?」

「間も,真ん中から上と下に分けたら,回したら重なるよ」

曲線があるからイメージ化が難しかったようですが,Sを分割していくことで対応する部分が見えてきました。

その後,回転して重なる文字にZ,O,I,Xが生まれてきました。さらに,「トランプにも重なるのがある」と声があがります。そこで,トランプを確認します。数字や模様によって,回転して重なるものとそうではないものあることが分かりました。

その後「点対称」の用語を教えます。最後は,提示した図形が点対称か否かを考えました。

最初の提示したS字に近い図形について,「対角線を引いたら分かる」と声があがります。そこで,この声の意味を読解します。

「対応する頂点を結ぶ」

「線対称でも似ていることをやったね」

「対角線の長さが,真ん中の点から同じ長さなら点対称だ」

「これって,前の時間の中心からの長さが同じの考えといっしょだね」

既習の考えを活用した声が生まれてきました。この見方を使えば,回転しなくても点対称か否かを判断できます。



2025年4月18日金曜日

動いたカードはどれ?

 「カードを動かします。どれを動かしたか当てましょう」

このように投げかけ,アルファベットを順に提示していきます。Y,Cが提示された時点で,「全部線対称だ」と声があがります。それと同時に,対称の軸をジェスチャーで示す動きも見えてきました。Yは縦方向,Cは横方向の対称の軸を示す動きが生まれてきました。

その後も同様に,全部で9文字を提示します。

子どもたちに目を閉じさせ,その間に文字を動かします。

目を開けた子どもたちは,一斉に「A」と声をあげます。Aの向きが反対に変わっていたのに気づきました。さらに「180°動いた」と,具体的な角度を使った説明も生まれてきました。

すると,「Hも変わってる」の声が聞こえてきました。そこで,Hを話題の中心にします。

「Hが変わっているという人がいるけど,気持ちは分かる?」

このように尋ねます。

「回しても同じになる」

「2本の対角線の交わっているところで回転すると,重なる」

「平行が2本あれば,回転しても重なる」

「Nも回転すると重なるけど,平行は1本しかないよ」

「回転する中心から端までの長さが同じなら重なるんじゃないかな」

「それならEだって同じ長さになるよ」

「中心の反対側に線があるときは重なる」

「Eの左の縦線の反対には縦線がないから,これはだめだよ」

子どもたちは,180°回転して重なる図形の共通点を探ろうと考えました。その結果が,上記のようなまとめでした。

その後,「他にも回転すると重なるアルファベットはあるかな?」と尋ねます。

「IもOもそうだ」

「これもお向かいがあるね」

「Z,Sもそうだね」

「でも,Sってお向かいさんはあるの?」

「曲がっているけど,あるよ」

「え?それってお向かいさん」

辺がカーブする文字が出てきたことで,子どもたちがまとめかけたきまりが揺れ始めました。この日はここで時間切れとなりました。

点対称につながる図形の構成要素がたくさん生まれてきた1時間でした。この授業の詳細は,授業テラス講座でお知らせする予定です。



2025年4月16日水曜日

線対称図形の作図はできるかな?

 

子どもたちに,「線対称な図形の残りを作図して完成させよう」と投げかけます。
子どもからは,「マス目がほしい」と声があがります。

最初に提示したのは,子どもの要望通りのマス目がある図形です。これはすぐに完成しました。マス目を頼りに対応する頂点の位置を決めた子どもが多くいました。
一方,それとは違う方法で対応する頂点を決めた子どもがいました。そこで,「ここに線を引いた人がいます」と言って,対称の軸に垂直なる直線を1本だけ引きます。そして,「ここに線を引いた気持ちは分かりますか?」と読解活動を行います。次の声があがります。
「対応する頂点の高さが同じなので,横に線を引いた」
「対称の軸から頂点までが7ます。だから右側も7ますのところが頂点になる」
対称の軸と対応する頂点までの関係が見えてきました。この作図方法が,線対称の学習を活用した描き方になります。

すると子どもから,「マス目がないとできない」と声があがります。すると,「昨日の勉強でやったみたいに,辺の長さと角の大きさを調べたらできるよ」と声があがります。既習を活用することで,マス目がない場合の作図方法を探ろうとする声です。

2番目に提示したのは,白紙の上に対称の軸が斜めに引かれた図形です。子どもたちは,先ほどの問題と同じように,対応する頂点を見つけていきます。一方,対称の軸が斜めに位置付くために,戸惑っている子どももいました。そこで,「まず,何をしましたか?」と尋ねます。
「さっきと同じように,対称の軸から垂直に線を引きます」
と説明が始まりました。そこで,「さっき」とはなにかを尋ねます。
「①の問題で,対称の軸から左と右の長さを同じにしたから,それと同じに考える」

子どもの言葉には,既習を活用しようとする中身が含まれています。それを鋭く見つけて,他の子どもたちに投げ返すことも,大切な仕事ですね。

3番目は,自分で線対称の作図を行いました。ノートに斜め位置に対称の軸を書きます。その後,ノートのマス目を使わずに線対称の半分を作図し,その後,反対側を作図する手順で進めていきました。
子どもからは,作図前から線対称になる形が「車」「田」「東」のように次々と発表されました。
授業最後には,「富士山は字も山自体も線対称!」という大発見の声があがりました。