「分度器を使わずに,点対称な図形の残り半分を完成させよう」
このように投げかけます。子どもたちから,次の声が聞こえてきます。
「NO.8の勉強でも似ているのをやったよ」
「対角線の長さが同じならできるよ」
既習のノートを振り返りながら,子どもたちは作図に対して自信を深めています。
そこで,最初の図形を提示します。対称の中心と三角形の頂点が重なる図形です。この図形は,簡単に点対称図形が完成しました。すると,次の声が聞こえてきます。
「角が2つだから,対角線も2本引いた」
「角は3つじゃない?」
「2つの角はお向かいさんができるけど,黒丸(右下)に頂点は対称の中心と重なるから」
「黒丸の頂点にはお向かいさんがないから,角は2つでいい」
作図に必要となる頂点が2つでいい理由が見えてきました。すると今度は次の声があがります。
「でも,中心が頂点と重なっていないと3本対角線がいる」
「重なっていないと,点対称図形はできるの?」
「できるよ。昨日の矢印はずれていてもできたよ」
「四角形もできた。だから,三角形もできるよ」
そこで,中心が頂点からずれた三角形の作図に挑戦します。今回は,3つの頂点からそれぞれ対称の中心を通る直線を伸ばす必要があります。子どもたちは,写真右下のような図を描くこともなく正しく作図ができていました。
1問目と2問目が子どもの思いでつながったからこそ,2問目が正しく作図に取り組めたのです。ストーリーのある展開が,学びを深化させていくことが見えた一コマでした。