「点対称図形の残り半分を完成させよう」
このように投げかけます。これと同時に生まれてきたのが,次の言葉です。
「対角線を引く」
「斜めの線になる」
「中心を通る」
「4本引ける」
「4本? 2本じゃない?」
「昨日の勉強でやったよね。中心からの長さが等しくなるようにしたらいいんだよ」
前時の学習を生かす声が生まれてきました。子どもたちは,前日のノートを見ながら考えを作り上げていきました。
しかし,対角線の本数を巡りズレが生まれました。2本は全員がすぐに見えてきました。中心を通る,斜めの線です。
一方,残りの2本が見えていない子どもたちもいました。すると,「重なるけど」と声が聞こえてきます。最初の図形の底辺部分に2つの頂点があります。そこから中心を通る対角線を引くと,その2本が重なってしまいます。結果的に3本目の中に4本目があるように見えます。また,底辺部分には辺となる直線があるため,そこが対角線には見えにくかったのです。
この底辺部分を対角線と認識できれば,対角線が4本あることが見えてきます。後は,中心から対応する頂点までの長さが等しくなるように点を順に打っていけばいいのです。
2問目は,矢印が半分になった図形を提示します。見た目に騙され,底辺部分の長さをきちんを測定しない子どもたちがいました。対称の中心は,底辺部分の中心にはありません。少しだけずれています。従って,板書のように上下の図形が少し左右にずれた配置になるのです。思い込みで線をつないでしまうと間違えてしまいます。