2018年6月9日土曜日

円のはしからはしの長さ

 3年生の子どもたちに,次のように投げかけます。
「円が5つつながっています。端から端までの長さは何㎝でしょう」

この段階では,まだ図は提示していません。子どもの頭の中には,様々な円がイメージされています。そのイメージは,子どもによってズレています。そのズレが,子どもの声となって表出します。
「円の直径か半径がわからないとできない」
「重なり方がわからないとできない」
「くっついているの?」
「ベン図みたいになっているの?」

半径や重なり方のイメージが異なれば,正しい長さを求めることができません。どんな情報が必要なのかを子どもから引き出すことができました。

そこで,右の図を提示します。円と円はぴったりとくっついています。この図を見た当初,子どもたちは長さを求められると考えていました。ところが,しばらくすると円の幅が分からないと求めれないことに気付きます。

円の半径は8㎝,幅は2㎝であることを示します。子どもたちは,長さを求められそうだと考え,ノートに向かいます。ところが,しばらくすると「できない」「難しい」という声が聞こえてきます。一方,「できた」という声も聞こえてきました。

ある子どもは,次のような式を書きました。

①8×2=16
②2×2=4
③16−4=12
④12×4=48
⑤16+48=64    答え64㎝

授業では,時間をかけてこの式の読解を行いました。

①は,円の直径を求める式です。
②は,つながっている部分の円の幅を示しています。
③は,上図であれば左端の赤い円の左端の円周上から隣の青い円の円周上までの長さを示しています。
④は,③の12㎝が4個分あることを示しています。これで,左端の赤い円の円周上から右端の赤い円の左の円周部分までの長さが分かります。
⑤は,まだたされていない右端の赤い円の直径をたす計算です。

「難しい」と考えていた子どもも,この式の読解を通して「わかった」「すっきりした」と納得することができました。