2020年7月20日月曜日

位分け分けは簡単?

 2年「たしざん⑵」の導入場面です。次の問題を子どもたちに投げかけます。

「ペットボトルを先月は74個,今月は65個拾いました。合わせて何個拾いましたか」

 式が7465になることは,すぐに分かりました。そこで,「筆算を使わずに答えを求めることができるかな?」と子どもたちに投げかけます。「簡単だよ!」という自信に満ちた声が多数聞こえてきます。そこで,ノートに計算をしてもらいました。

 

多くの子どもたちが取り組んだ計算方法が,左写真にあるような「位分け分け」と呼ばれる方法でした。たされる数・たす数をそれぞれ十の位と一の位に分けます。その後,同じ位同士の数値を計算しきますす。これまでにも似たような計算場面で子どもたちが取り組んできた方法です。

 

 この後,次のように子どもたちに投げかけます。

「筆算を使わなくても,位分け分けで計算ができたね。位分け分けならどんな計算でもできそうだね」


 私のこの投げかけに対する反応は,「どんな計算もできるよ」「えー,やりにくいのもあるよ」と分裂しました。

「やりにくい」と考える子どもからは,「繰り上がりがあるとやりにくいよ」と声があがります。しかし,7465も十の位の計算は繰り上がりがあります。

この指摘に対しては,

「十の位の繰り上がりは百の位にすぐに書けるけど,一の位の繰り上がりを十の位に書くのが面倒」

「例えば,4665は一の位が繰り上がるから面倒」

と,具体例をあげた声が生まれてきます。


 そこで,位分け分けがやりやすい式とやりにくい式を発表してもらいました。下のような式

が発表されました。6456に対しては,

「一の位が繰り上がるから面倒だ」

という声が多数あがりました。ところが,実際に位分け分けで計算をした子どもからは,「あれ,簡単だ」という声が次々にあがりました。


 算数では,子どもたちが具体的事例を挙げながらそれまでの解決方法が適用できる場面とできにくい場面に場合分けしていく見方を引き出していくことも大切な学習です。よい見方が生まれた1時間となりました。