2021年1月13日水曜日

廊下の幅は何㎝?

 子どもたちに,次のように投げかけます。

「廊下の幅は何㎝あるでしょう?」

普段,見慣れている廊下ですが,改めて「何㎝でしょう」と問われると分からないものです。子どもたちからは,「廊下を見に行きたい」と声をあがります。

そこで,廊下を見学に行かせることにしました。じっくりと廊下を眺める子,自分の歩幅で何歩分あるのかを確かめる子,廊下の幅に合わせて寝転がる子・・・,子どもたちは自分なりの基準量を決めて,その何倍くらいの長さがあるのかを確かめていました。2年生でも自然に倍概念を使いこなせることが見えた瞬間でもあります。

教室に戻った子どもたちが,自分の予想の長さをノートに書きます。100㎝〜300㎝まで様々な予想が生まれてきました。ところが,予想値の中の「100㎝」に対して,「それは絶対にあり得ない」と声があがります。「絶対にあり得ない」という自信はどこから来るのでしょうか?

「僕は廊下に寝ました。僕の身長は116㎝です。廊下はぼくの身長よりも長かったから,100㎝はあり得ません」

自分の身長の高さを基準量として,廊下の長さを考えたのです。2年生らしい素晴らしい発想力です。

さて,子どもたちの予想値はバラバラです。子どもからは「本当の長さを測りたい」と声があがります。すると,この声に続いて次の声があがってきます。

「30㎝定規を合わせるといいね」

「だったら,何人かでいっしょにやればいいね」

「30㎝定規をつないでいけばいいね」

数人でチームを組んで測定する考えが生まれてきました。そこで,5人1組で測定することにしました。子どもたちは,廊下に30㎝定規をつないでいきます。ところが,5人分の定規をつないでも廊下の端から端までには足りないのです。そこで,子どもたちはミニ定規をさらに付け足したり,30㎝定規の位置を置き換えたりしながら測定を行います。

結果は次のようになりました。

201㎝,233㎝,226㎝,220㎝,238㎝,225㎝

この結果を見た子どもから,次の声があがります。

「みんなバラバラだ」

「数え間違いしているのかな?」

「プラスチック定規は,端っこが0じゃないから間違えているのかもしれない」

「竹(30㎝)定規は端が0だから,竹定規を使えばいいよ」

「でも,5人だと竹定規がたりないから,2つのチームで合体して測ればいいんだ」

竹定規だけでは測定仕切れなかったことが,測定値にズレが生まれた原因だと子どもたちは考えました。そこで,2チームが合同で測定すれば,竹定規だけで測定ができると考えたのです。1回目の測定にズレがあったからこそ生まれて来たアイディアです。

そこで,今度は2チーム合同で測定を行いました。結果は,次のようになりました。

293㎝4㎜,235㎝,236㎝

後半の2チームはかなり近いデータになりました。しかし,前半のチームはかなり結果が異なります。この結果を受け,子どもたちは次のように考えました。

「まだ同じじゃないね」

「なんでかな?」

「定規をつなげていくときに,真っ直ぐじゃなくて,曲がってつなげるから長さが違うんじゃないかな」

「だったら,定規と定規をテープでつなげば真っ直ぐになるね」

測定のズレが,定規の並べ方にあると子どもたちは考えたのです。そこで,真っ直ぐに並ぶように定規同士をテープでつなげばいいと考えたのです。これも素敵なアイディアです。

この日はここで時間切れとなりました。廊下を実際に測定することを通して,長い長さを正確に測定する方法を考えた時間となりました。