2021年4月21日水曜日

わられる数と式数の関係

わり算に出合った子どもたちに,「他の数でもわり算はできるかな」と投げかけます。


これだけで,子どもからは「中途半端な数はわり算のパターンが少ない」と声があがります。わられる数によって,式のパターン数に違いが生まれるという考えが生まれてきました。


そこで,中途半端ではない数でパターン数を考えることにします。最初に取り組んだのは,「8個のあめを□人で分ける」場合です。何人なら分けられそうなのかを考えます。子どもたちは,1人・2人・4人・8人と予想します。4パターンのわり算の式が作れそうです。



2人で分ける場合は,右のように図を描くことで1人分が求められます。図を描き1人分を求める方法について,子どもは「分かりやすい」「面倒」と正反対の反応をしていました。

さらに「数が増えたら,線がごちゃごちゃになって大変なる」と,あめの数が大きくなった場合を予想する声もあがってきました。先を見通したよい見方です。

 

そこで,あめの数を10個に増やした場合を考えます。10個のあめを2人で分ける場合を,図で描いてみました。子どもからは,「線がごちゃごちゃ」「なんだかわからなくなった」と声があがります。一方,「楽しい」という声も聞こえてきましたが,ほとんどの子どもたちは図を描く方法にアレルギー反応を示していました。


あめが10個の場合は,1人・2人・5人・10人で分けることができます。式のパターン数は,先ほどと同じでした。すると,「もっと数を増やせばパターンも増える」と声があがります。


今度は16個に飴の数を増やします。ここまで飴が増えると,もう図で描きたいと思う子どもは皆無になります。16個を等分できるのは,1人・2人・4人・8人・16人です。パターン数は5に増えました。


その後,20個の飴の場合も考えます。等分できるのは,1人・2人・4人・5人・10人・20人となり,パターン数は6です。


子どもの予想通り,飴の数が増えると式のパターン数も増えてきました。果たして,子どもたちが見つけたきまりは,もっと数が増えても当てはまるのでしょうか・・・。


わられる数とそこからできるわり算の式数の関係を考えるという目的意識を子どもに持たせることで,わり算の問題に向き合う意識を前向きに高めることができました。