2021年4月24日土曜日

包含除への違和感を引き出す

子どもたちに,右の8個のチョコの絵を提示し


「わり算の問題を作ろう」と投げかけます。これまでわり算を学んできた子どもたちは,すぐにノートに問題を書き始めます。子どもから,次の問題が発表されます。


「8個のチョコがあります。2人で分けると,1人分は何個でしょうか」


子どもたちは,「8÷2=4だから4個」と答えも求めていきます。この問題の,「2人」の部分を「4人」に変えてもわり算の問題を作ることができます。


さて,ここで子どもから「まだ,問題があります」と声があがります。「もうないよ」と考える子どももいます。果たして,まだわり算の問題を作ることはできるのでしょうか?


「8個のチョコがあります。2個を箱に入れます。箱は何箱できますか」


大人はこれがわり算の問題であることを知っています。ところが,子どもからは素直な声が聞こえてきます。


「かけ算じゃないの?」→分け方を見るとかけ算に見えます

「分けるって書いてないよ」

「箱の問題?」


箱に入れる問題に対して,違和感を抱いたのです。多くの子どもは,モヤモヤしています。


そこで,この問題の答えの出し方を図で確認します。


すると右のように,チョコを2個ずつ順に囲む(箱に入れる)ことになります。一見すると,かけ算のイメージが浮かびます。


一方,最初の問題はお皿に1個ずつチョコを順に配るのです。左の写真のようにトランプと同じ配り方です。箱に入れる問題とは異なります。



ここに多くの子どもたちは違和感を抱いたのです。このように感じられることに価値があります。子どもたちは,この問題の分け方を「まとめて配り」と名前を付けました。


わり算には,「トランプ配り」の分け方(等分除)と「まとめて配り」の分け方(包含除)の2種類があるのです。これらは元々は別の計算として取り扱われていました。従って,子どもたちが違和感を抱くのは自然な姿なのです。

問題作りから新しいわり算の分け方が見えた1時間となりました。