2021年12月7日火曜日

これって1/4mなの その後

前回の分数学習のその後です。右図の色の塗られた部分が「1/4m」かどうかで,子どもの考えが分かれました。


 先ずは,全員が納得していることを確認します。「2mを4等分した内の1つ分」が,色が塗られた部分です。

ここまでは,全員が納得です。ところが,これを「1/4m」と考えるのか否かで子どもの考えが分裂しました。


 「2mを4等分した内の1つ分だから1/4m」

 これは前回も登場した「1/4m」と考える子どもたちの説明です。


1/4mでなはい」と考える子どもから,新たな説明が生まれてきます。

「2mじゃなくて1mだけ見ます」

 2mの長さの紙を半分に折ります。1mだけが見えてきます。すると,色の塗られた部分の長さが先ほどまでとは違うように見えてきます。


「1mを2等分した1つ分だから1/2mになる」

「1mをもとにして考えるから,1/2mだよ」

「そういえば,今までの問題も全部1mをもとにして考えていた」

「1mよりも小さい長さを表したいから分数を使った。だからもとにするのは1mじゃないとだめだよ」


 2mある図を半分に折ることで,1mだけに注目させます。すると,先ほどまで1/4mだと見えていた場所は,1/2mに見えてきます。1/2mの幅は変わっていないのに,図を元通りにしたからといって,1/4mになることはありません。図を半分に折るという子どものアイディアで,全員が納得をしていきました。


 単位の付く分数は,基準量は「1」なのです。従って,「2mの1/4」ではあっても,それを「1/4m」とは表現しないのです。2mのテープを半分に折ることで,基準量の「1」を意識する大切さが見えてきました。これで全員が納得しました。


最後に,「多くの人が騙された原因は何かな?」と尋ねます。

「テープの長さをよく見ないで,1/4mと考えたからだ」

「もとが1mなのに,そこをよく見ていなかったからだ」

 分数には,「分割分数」と「量分数」という2つが存在します。2年生では前者を,3年生では後者を学習します。この年代の子どもたちは,この両者の区別が混沌とすることがあります。その自然な姿から,両者の違いを子どもの力で明確化していくことができました。