2021年12月2日木曜日

同じ大きさの分数にきまり?

分数の学習で,「水は何L入っているでしょう」と問題を出しました。この問題では,色の塗られた部分の水のかさを分数を使って表します。数問目の問題で,右のコップを提示します。「水が入っていない」「空っぽ」の声に続き,「分かったぞ。自分で水を入れるんだ」という声が続きます。鋭い声です。
そこで,自分で水のかさを設定し,色
を塗ることにしました。子どもたちは,様々な水のかさを考えました。


それらの中で,左のコップを紹介し「何L入っていますか」と尋ねます。

「1Lを10等分した5つ分だから,5/10Lだね」

「これって,1Lの半分だね」

「それなら,1/2Lと言ってもいいね」

「だったら,2/4Lでもいいね」


5/10Lの水が入ったコップが,見方を変えると1/2Lにも2/4Lとも表現できるという声が生まれてきました。この結果を見た子どもから,新たな発見が生まれてきます。


1/2の分母と分子を2倍すると,2/4になる」

1/2の分母と分子を5倍すると,5/10になる」

「これは,たまたまじゃないかな?」

5/10Lと同じ大きさの分母・分子の間に,比例関係があるという発見です。さて,この関係は偶然なのでしょうか。他の分数で実験することにしました。


水のかさではなく,長さで実験します。1/4mと同じ大きさは,比例関係を使えば「2/8m」だと分かります。しかし,この関係が本当に正しいのかは図で確認するしかありません。

そこで,ノートに作図をしていきます。左図の真ん中のテープは,2/8mです。間違いではありませんが,この図だと「2mに見えるからダメだよ」と子どもたちは考えました。下のテープのように1mの長さを最上段の図と揃えることで,1/4mと2/8mが同じ長さであることが見えてきました。


子どもたちの発見は,5年生の内容ですが,数に対する素晴らしい見方は3年生でも生まれてくるのです。