2022年7月16日土曜日

円と正多角形の面積の関係

子どもたちに次のように投げかけます。

「周りの辺の長さが同じ正三角形と正方形,面積が大きいのはどちらでしょうか」

具体的な長さは,この時点では意図的に提示しません。すると子どもたちが話を始めます。

「辺の数が多いから正方形の方が面積が大きいよ」

「でも,三角形の方が辺の長さは長いから,そうとは言えない」

「三角形の面積は底辺×高さ÷2。三角形の高さは一辺の長さよりも短くなるから,三角形の面積は小さくなる」

具体的な数値がなくても,このように子どもたちは論理を深めていくことができるのです。

さて,子どもたちの予想が正しいのか実際の長さを提示し,計算をしていきます。周りの辺の長さの合計は32㎝です。計算を行うと,三角形は49.752㎠,正方形は64㎠となり正方形が圧倒的に大きいことが分かりました。

続いて,「正方形と正五角形では,どちらの面積が大きいかな」と尋ねます。すると今度は,先ほどとは異なる反応が生まれてきました。

「辺の数が増えていくと,角の大きさがとれていくみたいになるから,小さくなるんじゃないかな」

「円に近くなるね。だから,円に近くなると面積大きくなるんじゃないかな」

「えっ,そうかな。円に近づくと小さくなるんじゃないの」

「円の中に正五角形と正六角形が入るとすると,正五角形は隙間が大きいけど,隙間の数は少ない。正六角形は隙間が小さいけど,隙間の数は多い。だから面積はどこかで同じになる?」

円という同じ図形をイメージしているのに,面積のイメージは真逆の反応が生まれてきました。想定外の反応でしたが,子どもの考えはおもしいですねえ。さて,これらの話し合いを受けて,子どもの考えは面積は同じに揺れ始めます。おもしろくなってきました。

そこで,正五角形の面積を求めます。結果は,70.4㎠となります。子どもからは「えー」「なんでえ」という声もあがってきました。予想とのズレに出会った声です。

今度は,この結果から新たな考えが生まれてきます。

「だったら,正〇角形の角の数が増えたら面積も増えるんじゃないかな?」

よい予想が生まれてきました。しかし,ここで時間切れとなりましたが,よい考え方が生まれてきた1時間でした。