2022年11月6日日曜日

コピー用紙から比例へ

 子どもたちに「コピー用紙1枚の厚さは何ミリでしょうか」と投げかけます。

子どもたちからは,「厚さはない」「えっ?」「測ればいいよ」「㎜まではないよ」などの声が聞こえてきました。一方,「重ねたらいい」という声も聞こえてきました。

そこで,紙1枚に厚さはあるのかを実際に測定します。全員にコピー用紙を1枚ずつ配布します。子どもたちは定規を当てて,厚さを測定します。すると「測れない」「無理」と声がします。ところが,その声と同時に子どもたちが紙を折り始める姿が見えてきました。2枚折り,4枚折り,8枚折りと折り進め,ある程度の厚さが出た時点で長さを測定しようというアイディアです。子どもは,困った場面に出会うと自然に動き出すのです。

さて,子どもたちの測定結果は大きく2つに分かれました。8枚で1㎜と16枚で1㎜です。1枚当たりに直すと,8枚は0.125㎜,16枚は0.0625㎜になります。これはかなりの差です。

そこで,「全然違うねえ」と子どもたちに投げかけます。子どもから生まれてきたのが,「だったらもっと多くする」「100枚ならいいよ」「200枚の方がきりがよくなる」という,枚数を多くすることで誤差を減らそうとするアイディアでした。

今度は200枚で厚さを測定します。結果は18㎜。1枚当たりに直すと,0.09㎜です。この結果から,今度は「だったら11枚で約1㎜になる」「11枚なら,0.99㎜だから」と声があがります。そこで,11枚が1㎜になるのかを定規で測定します。結果は,どの子どもたちもほぼ1㎜という結果になりました。

上記の考え方は,これまでのどの学習と結びついているのでしょうか。子どもたちは「比例の考えだ」と,その関連先を指摘してきました。比例の考え方が前提条件としてあるからこそ,上記の考え方が成立するのです。