2023年7月1日土曜日

トランプで計算しよう!

子どもたちに「トランプで計算しよう」と投げかけます。

クラスを2チームに分けます。代表の子どもがトランプを4枚引きます。1回戦の星組は赤3枚,黒1枚を引きました。このゲームではトランプの数字ではなく,色をデータとして使います。次にもう1枚引きます。赤を引きました。この場合,最初に引いたカードと同じ色が没収になります。従って,得点は4−3で1点となります。

このルールで1回戦の月組が4枚のカードを引きます。赤2枚,黒2枚を引きました。この瞬間,「もう負けた」という声が星組から聞こえてきました。子どもの先を予想する声の出現にびっくりしました。一方,なぜ「もう負けた」と言えるのかが分からない子どももいます。1年生ですから,当然です。そこで,「もう負けた」の声の意味を共有していきます。

「もし赤を次に引いたら,得点は2点。もし黒を引いても,得点は2点」

「星組は1点だったから,赤でも黒でも月組は2点だから月の勝ち」

論理的な説明が生まれてきましたが,これを共有するのは時間がかかります。1年生が言葉を理解するにはかなりの時間を要します。この部分はゆっくりと繰り返し進めました。

さて「もう負けた」の意味を全員が共有したことろで,実際に5枚目のカードを引きます。結果は黒。従って,4−2なので2点。予想通り月組の勝ちとなりました。

その後も同様にトランプを使ってゲームを進めていきます。トランプが4枚引かれる度に「えー」「わー」「勝った」などの声が生まれてきました。これらの声の意味を,その都度き共有していきました。

黒のトランプが4枚引かれた時には,「やったー」「えー」の真逆の声が聞こえてきました。5枚目のトランプが黒なら「4-4=0」になり,赤なら「4-0=4」になるからです。このことについても,子どもたちは「もし次が黒なら…」のように次の場面を仮定して説明していくことができました。

「もし」という仮定の考え方を引き出し,さらにその考え方を繰り返し活用していくことができた1時間となりました。

本実践は,東洋館出版社「板書シリーズ1年上」を参考にしています。