2023年7月3日月曜日

どちらがどれだけ多い?

「どちらがどれだけ多いですか」と子どもたちに投げかけます。子どもたちが目を閉じている間に,ペンギンと犬のカードをバラバラに貼ります。目を開けた子どもたちは,2種類のカードを数え始めます。しばらくすると「ペンギンが1匹多い」という声が聞こえてきました。それと同時に,「わかりやすくできる」という声が聞こえてました。
そこで,どうすれば「わかりやすくなる」のかを考えました。子どもたちは,2種類のカードを横と縦を意識して並べました。単に並べるのではなく,「縦に揃えて並べる」ことが大切ということが見えてきました。このように並べることで,ペンギンが1羽多いことが一目瞭然となります。
次に,この問題場面を式に表現しました。「8−7=1」と立式できます。その後,式の各数字の意味を聞いていきます。「8はペンギンの数」「7は犬の数」「1はペンギンが余った数」と考えます。この言葉の部分を何回か確認します。すると,「ん?」「なんか変」という声が聞こえてきました。なにか違和感を抱いたのです。
「ペンギンと犬は引けない」
「たしざんでも違うのはたせなかった」
「似たのを前にもやった」
異種の量同士を計算できないたしざんの学習を想起する声が生まれてきました。8羽のペンギンから7匹の犬を引いても,残るのは8羽のペンギンです。このように考えると,7の意味は異なることが見えてきます。では,7はなにを表しているのでしょうか。
「犬と同じペンギンの数」
「犬とペンギンをセットにしてとればいいんだ」
犬とペンギンの数を同化して考えるという発想です。このように考えれば,具体的なひきざんの操作でも,ペンギンと犬をセットで同時にとればいいことが見えてきます。
違いの引き算を計算すること自体は,それほど難しいことではありません。大切なことは,その式の数値が表す意味をしっかりと理解させていくことです。異種のものをセットで取り除くという考え方が大切になります。