2023年7月14日金曜日

ひきざんのきまり発見!

子どもたちに「答えがになる式を見つけよう」と投げかけます。
ホワイトボードに式をたくさん貼ります。その中から,私が言った答えになる式を見つけていきます。
最初に言ったのは「9」です。式は「10−1」の1枚です。するとここで,ある子が「9は1枚だ」と声を挙げます。彼は,答えが「9」のたしざんの場合と比較して考えたのです。だからこそ,「9は1枚だ」と説明したのです。
この気付きをきっかけに,子どもの発想が一気に広がります。
「だったら8は2枚だ」
「階段になる」
「たし算でも階段になった」
「6月10日も階段になっていた」
子どもたちは,過去のノートを振り返り,たし算とひき算の共通性を類推していくことができました。素晴らしい発想力です。
しかし,たし算とひき算は演算がそもそも異なります。そこで,「ひき算も本当に階段になりますか?」と尋ねます。これに対する考えにはズレが生まれました。
ズレが生まれたら,実験を行う必要性が生まれます。そこで,「次はどの答えで実験したい」と,本来は私が提示する答えの数値を子どもたちに委ねることにしました。
「8」
「8,7,6,5を実験したら,階段が分かる」
よい指摘です。
そこで,答えが8〜6と順に実験を進めていきます。その中で,カードを写真の順で並べる理由や,斜めに同じ数字が出現するきまりなども発見していくことができました。
答えが「6」のカードを見つけたとき「10になってる」という気付きの声が聞こえてきました。この声を共有していきます。
「答えが9は式が1個。答えが8は式が2個」
「だから,7は3個,6は4個」
「9+1=10,8+2=10,7+3=10,6+4=10になってる」
答えとその式の枚数の和が常に10になるきまりに気づいたのです。ここから「だったら,答えが5は5枚」と声が聞こえてきます。先を予想するよい声です。
ところが,「でも違う」と声があがります。その声の続きを聞いていきます。
「(残りの)カードがたりない」
「4枚しかない」
「(4枚のカードを並べながら)穴をあけておけばいい」
「階段にしたいから」
本来あるはずの「7−2」のカードを意図的に入れていませんでした。私が仕掛けたトラップを,見事破られてしまいました。しかも,子どもたちは私が隠しておいた「7−2」のカードを捜索し,見事みつけられてしまいました。

想定を超える子どもたちの発想と動きにびっくりした1時間でした。

なお,この授業は会員制講座である授業テラスの公開講座で8月26日に解説付きで公開します。