2025年6月17日火曜日
体積もできるかな?
2025年6月16日月曜日
大きいのはどっち?
2025年6月15日日曜日
関西math勉強会盛り上がりました!
昨日は兵庫県川西市で関西math勉強会が行われました。
3年生のわり算の模擬授業対決が2本,そして,ワークショップが6本と私の講演が行われました。
関西地区の若手の先生方が大活躍をしてくれました。中でも和歌山県田辺市の先生方のパワーがすごかったですねえ。人口約7万人の自治体にこれだけたくさんの熱心で力のある先生がいることに驚きました! きっとよい学びのサイクルができいるのでしょうね。他地域の先生方もうかうかしていられませんね。
懇親会では次回の企画と担当者があっという間に決まりました。このスピード感は,やる気のあるメンバーがいるからこそですね。これからますます発展していくスタートアップ企業のようですね。
2025年6月14日土曜日
帯分数でもできるかな?
「辺の長さが帯分数でも長方形の面積は求められるかな」
このように子どもたちに投げかけます。多くの子どもは,「仮分数に直したら簡単」と考えます。
そこで,縦1・1/2m,横1・1/3mの長方形の面積を求めます。式から答えを求めることは簡単にできました。答えは12/6mです。しかし,この答えの正しさは図で確かめる必要があります。そこで,図で答えを確かめます。
図に線を入れて分数表記の面積を考えます。今回の問題場面では,分子が長方形全体になります。一方,分母は分子部分よりも小さくなります。これが,これまでの分数の図とは異なる点です。分母は「基準は1」であることから,縦・横1mの正方形部分に当たることを,時間をかけて共有していきました。
式と図を往還する学びが,分数学習では特に大切ですね。
2025年6月12日木曜日
図に面積が見えるかな?
2025年6月11日水曜日
仮分数が混じっていても大丈夫?
2025年6月9日月曜日
分数のかけ算の計算方法はいつでも使えるの?
2025年6月7日土曜日
分母を通分?
2025年6月6日金曜日
関西算数授業セミナー「子どもが愉しむ算数授業とは」来週末開催!
来週末の6月14日(土)に兵庫県川西市川西商工会議所を会場に,関西math勉強会が開催されます。間もなく満席です。お申し込みはお早めに!
さて,大会テーマは「子どもが愉しむ算数授業とは」です。「愉しむ」の意味や本質を探る研修会にしていきますね。
模擬授業対決やワークショップなど盛りだくさんの内容となっています。是非,ご参加ください。詳細・お申し込みは以下からお願いします!
https://www.kokuchpro.com/event/c47c1056a4599ef6d4be4dd4bb9411c3/
鹿児島県算数部夏期研修会開催!
8月7日(木)鹿児島県にある第一工科大学を会場に,鹿児島県・鹿児島市算数部合同夏期研修会が開催されます。
午前は地元鹿児島の先生方の提案,午後は私と田中博史先生の講演や対談が実施されます。詳細は以下のちらしをご覧ください。
鹿児島県外からの参加の可能です。ご興味のある方は,以下からお申し込みください。
2025年6月5日木曜日
高知の学校を訪問します
今日は高知市内にある小学校を訪問します。全クラス約30クラスの授業を参観します。全クラスが公開授業を行うだけでも,志の高さを感じます。
朝ドラ「あんぱん」でなにかと話題の高知です。楽しみですねえ!
2025年6月4日水曜日
3Dならできる?
次の問題を提示します。
「五百円玉,百円玉,五十円玉,十円玉が1枚ずつあります。この中から□枚選んでできる金額はいくらでしょう」
1枚のコインなら,五百円・百円・五十円・十円の4通りです。
では,2枚のコインならどうなるでしょうか。
多くの子どもたちは,樹形図を描きました。完成したのは12通りです。しかし,この中には同じ組み合わせがあります。12÷2で6通りあることが分かりました。
また,二次元表を使って考えた子どももいました。これを見た子どもから「簡単」「だぶりがない」という圧倒的支持の声があがります。
ところが,次の声が続きます。
「3枚なら・・・」
「これはできないよ」
「3Dの図にしたらできるんじゃない?」
「どうやってやるの?」
3枚のコインを選択した場合,二次元表は使えないのではないかという声が生まれてきました。そこで,3枚のコインを選択する場合を考えます。
3Dの表は難しいので,多くの子どもは樹形図を選択しました。この場合,全部で24通りの組み合わせが生まれます。すると子どもからは,「だぶっているのがあるから,24÷2で12通り」と声があがります。
ところが,「そんなにないよ」という声があがります。二次元表をよく見ると,重なっている組み合わせは2組ではないことが見えてきます。500円・100円・50円の組み合わせは6組あります。他の同様に,同じ金額は6組ずつあります。従って,24÷6で4通りしかないことが見えてきました。
この他にも,「使うコインだけに印をつける」「使わないコインだけに印をつける」「のれんみたいにつなげる」の見つけ方も生まれてきました。
授業後,「3Dできました!」と言ってノートを持って来た子がいました。立方体の図から,順に内部の情報を取り出していき,最後は4通りあることを見いだしていました。子どもの発想はすごいですね!
2025年6月3日火曜日
どれ引いたか分かんない!
2025年6月2日月曜日
三角関係?
2025年5月30日金曜日
1が2つあるから・・・
正三角形なら?
2025年5月28日水曜日
最短ルートは?
「最短ルートを見つけよう」
このように投げかけ,正方形の対角線の位置にある2つの頂点を結ぶ最短ルートを探しました。正方形が1つの場合は,2通りあります。
次に正方形の数を4個に増やします。図を見た子どもから,次の声があがります。
「めっちゃある」
「4通り?」
「6通り?」
「もっとある?」
予想にズレが生まれます。そこで,実験します。「6通り」の声が多数を占めました。そこで,最短ルートを確認します。最初に描かれたのは,右に2ます進み,上に2ます進むルートでした。すると,これを見た子どもから声があがります。
「反対がある」
「線対称」
「対称の軸だ」
1つのルートを見た子どもから,線対称と関連付けることで,反対側に同様のルートができるという発見が生まれてきました。この方法を使えば,対称の軸の片方側だけルートを見つけたらよいことになります。この図形では3通りなので,総数は3×2で6通りとなります。
次に,縦・横3ますの9ますの最短ルートを探します。一気に難易度が増します。子どもたちの予想値もバラバラになりました。実験の途中で「面倒」「同じの書いてるかも」と声が聞こえてきます。
そこで,図の中の交点に数字を位置づけます。これでルートの確認がしやすくなります。その後,数字を使ってルートを書き出します。
最終的に,10通りのルートが確認できました。これは線対称の半分のルートなので,実際はこの2倍の20通りあることになります。
同じルートを書き出さないために交点を数値化しましたが,それでも「面倒」という声が聞こえてきました。板書のルートは,同じ数字が固まるように意識して書かれています。この同じ数字の部分を1つに省略することで,樹形図が完成します。
樹形図につながる見方を引き出す最短ルート探しの学習でした。
2025年5月24日土曜日
小松市の3年生ときまり発見授業をしました!
昨日は,石川県小松市内の小学校で3年生にきまり発見につながる授業公開を行いました。虫食い算を解いていく中から,虫食い算の見えている数字とできる虫食い算の種類数の関係を見出していく授業でした。
3の数字で3種類の計算が完成する場面で,きまりを発見し盛り上がりました。元気でかわいい子どもたちでした。
また,訪問した学校では京都の向日市立第二向陽小の研修システムである複数学年の先生方で構成されたメンター制を取り入れられていました。メンターチームでの授業後の協議はとても質が高く深いものでした。他校の参考となる優れたシステムです。是非,先生方の学校でも取り入れられてはいかがですか?
2025年5月23日金曜日
「子どものストーリーでつくる算数の授業」セミナー開催!
来週末は大阪で授業テラス主催の対面&オンラインセミナーが開催されます。テーマは,
「子どものストーリーでつくる算数の授業」
です。詳細は以下の通りです。
日時:5月31日(土)13時30分〜
会場:大阪市エル・おおさか
内容:
13:15 受付
13:30 オープニング
13:45 模擬授業
- 参加者の希望者による算数模擬授業
- 協議(感想・意見)
- 尾﨑先生による講評
15:35 尾﨑先生による講義(”子どものストーリー”でつくる算数の授業)
16:45 閉会、解散
17:15 懇親会(希望者のみ:先着10名限定)
今回は難関単元の模擬授業も開催されます。こちらも楽しみな企画ですね。
お申し込みは,以下のアドレスからお願いします。
石川県小松市を訪問
今日は,石川県小松市にある小学校を訪問します。昨年度からおじゃましている学校です。
石川県は全国学力調査でも毎年高い結果を出している県です。その秘密は石川県を訪問してみると分かります。小松市の小学校も同様です。いろいろな意味でレベルが違います!
今日は先生方の授業参観の他に,私も公開授業を行います。石川の子どもたちとどんな授業が展開できるのか楽しみです!
2025年5月22日木曜日
答えが一番小さい式
「計算をしないで,答えが一番小さくなる式を見つけよう」
このように投げかけます。A・c/b÷dの記号の中に2〜5の数字を1回ずつ代入します。答えが最小になる式を計算をせずに式だけを書いてもらいました。
子どもから生まれたのは,2・3/4÷5と2・3/5÷4の式です。整数部分は同じ大きさです。また,分子部分も同じ大きさです。計算する部分は分母部分の4×5と5×4です。ここまで考えると,答えは等しくなりそうです。
そんなとき,次の声があがります。
「№23で似ている勉強しました。1・2/3÷3の計算で,整数の1を÷4をしないで2/3の分数だけ計算したら正しくなかった。仮分数に直さないと正しくできなかった。だから,この問題も仮分数に直して考えないといけない」
帯分数の計算問題に取り組んだときの考え方を活用する声です。そこで,帯分数を仮分数に置き換えてみます。
すると,11/4÷5と13/5÷4と置き換わります。分母部分の計算は変わりませんが,分子の大きさが異なることが見えてきました。分子が13と11です。明らかに分子13の方が大きな答えになります。半数近い子どもは,2番目に答えが小さくなる式を書いていました。
既習の考え方と関連付けながら論理を組み立てることで,よりよい考え方を作り上げることができました。
2025年5月21日水曜日
途中で約分はできるの?
2025年5月20日火曜日
倍分方式はいつでも使えるのか?
2025年5月19日月曜日
分子が割れなかったら?
「2分で4/5Lのジュースを作るマシンがあります。1分では何Lのジュースを作れますか」
問題に出会った子どもから,次の声があがります。
「かけ算は分子をかけたから・・・」
この声の意味を共有したあと,続きを考えさせました。
「わり算はかけ算の反対だから,分子ではなく分母を計算する」
「分子をかけ算したから,今度は分子をわる」
多くの子どもは,後者を考えました。そこで,分子をわってみます。答えは2/5Lと求められます。しかし,「本当に合ってるの?」と計算に対する疑問の声があがります。
そこで,図で確認します。結果は,図でも同じ答えになりました。ところが,次の声があがります。
「まだ3回やっていないから ,正しいか分からない」
「分子が割れなかったらどうするの?」
早急な一般化を疑う声です。そこで,他の問題で実験します。
6/7÷3は式でも図でも計算が正しいことが確かめられました。
一方,4/5÷3の場合は,そもそも分子が4÷3=1.333・・・となりわりきれません。この計算方法の限界でしょうか。
すると,次の声があがります。
「四捨五入したら」
「約1/5」
「でも,それって正確じゃないよ」
「われるようにしたらいい」
「4/5を3倍3倍して12/15にしたら3でわれる」
「本当だ」
「4/5と12/15は同じ大きさだからできるね」
4/5を倍分するアイディアが生まれてきました。この方法を使えば,先ほどと同じように計算ができます。結果は4/15Lです。図でもこの答えになることが確認できました。
倍分のアイディアを使えば,どんなわり算も計算できそうだということが見えてきました。
2025年5月15日木曜日
分子を計算はいつでも使えるのか?
2025年5月14日水曜日
ジュースの計算
但馬算数セミナー開催のお知らせ
夏休み中の8月21日(木)に兵庫県豊岡市で但馬算数セミナーが開催されます。テーマは,
「愉しさが溢れる算数授業づくり」
「愉しさ」か「楽しさ」か。読み方は同じですが,意味は全く異なります。この部分に焦点化して話を進めていきます。
地元の先生による模擬授業も開催されます。豊岡市はコウノトリの繁殖で有名な場所ですね。また,近くには城崎温泉もありますね。観光のついで?に,セミナーに参加されてはいかがですか。
お申し込みは以下のアドレスからお願いします。
https://www.kokuchpro.com/event/a3b5a0a21cd35100bc3d8c47dfecbee2/
2025年5月13日火曜日
楽しい算数? 愉しい算数? 求める授業像はどちら?
昨晩は今夏出版される全国算数授業研究会企画の出版本に掲載する座談会が開催されました。テーマは「算数授業に必要な愉しさ」です。
「たのしい」という言葉を漢字に置き換えると「楽しい」「愉しい」の2種類があります。私たち全国算数授業研究会が求める「たのしさ」は後者の「愉しさ」です。
学習指導要領が求める「主体的で対話的で深い学び」もこの「愉しさ」がベースとなっています。
「楽しい」「愉しい」の違いはなにか,またそれを授業レベルで考えたら具体的にどういうことなのかを座談会で語り合いました。
メンバーは私の他は筑波大学附属小の盛山先生(会長),大野先生,青山先生です。4人での座談会の内容は今夏発刊される企画本に掲載されます。お楽しみに!
2025年5月12日月曜日
周りの長さは?
グラウンドのセパレートコースは合ってる?
「グラウンドトラックの1m外側を走ったら,内側よりも何m長く走ったことになりますか」
このように尋ねます。子どもから,グラウンドの「直径の長さを知りたい」と声があがります。そこで,直径が20mであることを教えます。
計算の結果,外側を走る人は6.28m長く走ることが分かりました。
次に,地球の表面と1m外側を走った場合の差を考えます。「グラウンドよりも長くなる」と考える子どもも多くいました。
計算の結果は,この場合も差は6.28mとなりました。この結果を見た子どもから,声があがります。
「さっきと同じだ」
「やり方が同じだ」
「+2が同じだ」
子どもたちは,グラウンドと地球の差を求める式を比べたのです。結果は,グラウンドの20mと地球の1280000mの数字が異なるだけで,残りの式は同じ構造になっていることに気がつきました。すると,「文字式にできる」「変わったところを文字にしたらいい」と声があがってきます。
そこで,2つの式を文字式に変身してみます。結果は,次のようになりました。
(x+2)×3.14−x×3.14=(X+2−x)×3.1=2×3.14
文字式に置き換えることで,直径がどんな長さでも答えはいつでも6.28mになることが見えてきました。
子どもたちが運動会で行う徒競走でも内側と外側の差を考慮してスタートラインがずれています。そこで,その実際の長さを確認すると,「そんなに離れていない」と声があがります。最終的には,1人のレーンの横幅は「1mもないよ」と声があがります。0.5mなら,今回学習した長さのズレの半分になります。最後は体育場面と関連させて考えることができました。
切手を切る
2025年5月8日木曜日
何を表している?
2025年5月7日水曜日
必ずしもそうではない!?
「X+7=35の式に当てはまる問題文を作りましょう」
このように投げかけます。問題文作り自体は簡単です。その後,Xの値も求めます。この文字式では,35-7=28と引き算でXの値を求めることができます。
そこで,「たしざんの式になる場合はXに当てはまる数は,その逆の引き算で求められます」とここまでのことをまとめました。すると,この言葉をきっかけに,子どもたちが動き出します。
「だったら,わり算だったらかけ算だね」
「待って,必ずしもそうではないかも」
「わり算でもわり算かも・・・」
「かけ算ならわり算だよ」
「引き算ならたし算だよ」
「これも違うのあるかも?」
子どもたちは,Xを求めるためには必ずしも逆算にはならない場合があるかもしれないと考えました。
そこで,絶対に逆算になると子どもたちが自信があるかけ算の場合を考えます。
「8×X=20」
この場合は,わり算でXの値が求められます。すると,「(Xの位置が)逆なら?」と声があがります。そこで,「X×4=32」を実験します。この場合も,逆算のわり算でXの値を求めることができました。
次に,「必ずしもそうではないかも」と声のあがった,引き算とわり算を実験します。
「X−6=15」→足し算
「15−X=1」→引き算
「X÷4=8」→かけ算
「45÷X=15」→わり算
子どもたちの予想通り,必ずしも逆算ではない式もあることが見えてきました。
子どもの声で次の問題場面が生まれてきた1時間でした。逆算でない式は小学校では扱わないことになっていますが,子どもの思いはそれを超えていきます。
2025年5月5日月曜日
今年も淡路楽しmath講座開催です!
毎年恒例の兵庫県淡路島で開催の淡路楽しmath講座が開催されます。
日時:7月27日(日)13時30分~16時30分
会場:兵庫県洲本市洲本市民交流センター
今年も私の公開授業と講演があります。授業は異学年混合で行います。複式×2のような学級編成ですが,毎年盛り上がっています。淡路島観光を兼ねてお出でください!
お申し込みは,以下のアドレスからどうぞ!
2025年5月2日金曜日
丸は全部で何個?
2025年5月1日木曜日
□番目は誰?
「こぶた・たぬき・きつね・ねこの□番目は,誰ですか」
このように子どもたちに問いかけます。この問題文を見ただけで,子どもたちは「しりとり歌」を歌い始めました。お馴染みの歌ですからね・・・。
最初は「14番目は?」と尋ねます。「1,2,3,4,5,6・・・」と順に数える子どもたちの姿も見られました。一方,式で答えを見つけようとする子どももいました。
式を使う場合は,「14÷4=3あまり2」となります。この式の意味を全員で読解していきます。あまりの数によって,どの動物が□番目になるのかを決定できることが見えてきました。
その後,25番目,400場面の動物を考えます。400番目はあまりはありません。この場合は,「あまり0」「あまり4」と考えることで,「ねこ」になることが見えてきます。
次に問いかけたのは,「□番目と聞かれたら,どんな式を作りますか」です。子どもたちは,これまでに学習した記号を活用して,「□÷4=○あまり△」と式を作りました。的確に記号を使うことができました。
その後,□をxに,○をyに,△をaに置き換えます。文字式との出合いです。文字式を見た子どもからは,「スキッリする」「かっこいい」などの肯定的な声が聞こえてきました。
難しいイメージのある文字式ですが,子どもの身近な題材から導入することで文字式へのハードルを下げることができました。
2025年4月26日土曜日
「子どものストーリーでつくる算数の授業」申し込み開始!
お待たせしました。授業テラス主催の対面&ハイブリッド講座の申し込みが始まりました。
日時:5月31日(土)13時30分〜
会場:大阪市エル・おおさか
内容:
13:15 受付
13:30 オープニング
13:45 模擬授業
- 参加者の希望者による算数模擬授業
- 協議(感想・意見)
- 尾﨑先生による講評
15:35 尾﨑先生による講義(”子どものストーリー”でつくる算数の授業)
16:45 閉会、解散
17:15 懇親会(希望者のみ:先着10名限定)
今回は難関単元の模擬授業も開催されます。こちらも楽しみな企画ですね。
お申し込みは,以下のアドレスからお願いします。
2025年4月24日木曜日
対称の中心がずれたら・・・
「分度器を使わずに,点対称な図形の残り半分を完成させよう」
このように投げかけます。子どもたちから,次の声が聞こえてきます。
「NO.8の勉強でも似ているのをやったよ」
「対角線の長さが同じならできるよ」
既習のノートを振り返りながら,子どもたちは作図に対して自信を深めています。
そこで,最初の図形を提示します。対称の中心と三角形の頂点が重なる図形です。この図形は,簡単に点対称図形が完成しました。すると,次の声が聞こえてきます。
「角が2つだから,対角線も2本引いた」
「角は3つじゃない?」
「2つの角はお向かいさんができるけど,黒丸(右下)に頂点は対称の中心と重なるから」
「黒丸の頂点にはお向かいさんがないから,角は2つでいい」
作図に必要となる頂点が2つでいい理由が見えてきました。すると今度は次の声があがります。
「でも,中心が頂点と重なっていないと3本対角線がいる」
「重なっていないと,点対称図形はできるの?」
「できるよ。昨日の矢印はずれていてもできたよ」
「四角形もできた。だから,三角形もできるよ」
そこで,中心が頂点からずれた三角形の作図に挑戦します。今回は,3つの頂点からそれぞれ対称の中心を通る直線を伸ばす必要があります。子どもたちは,写真右下のような図を描くこともなく正しく作図ができていました。
1問目と2問目が子どもの思いでつながったからこそ,2問目が正しく作図に取り組めたのです。ストーリーのある展開が,学びを深化させていくことが見えた一コマでした。
「子どもが愉しむ算数授業講座」開催
6月14日(土)に兵庫県川西市川西商工会議所を会場に,関西math勉強会が開催されます。テーマは,「子どもが愉しむ算数授業とは」です。
模擬授業対決やワークショップなど盛りだくさんの内容となっています。是非,ご参加ください。詳細・お申し込みは以下からお願いします!
https://www.kokuchpro.com/event/c47c1056a4599ef6d4be4dd4bb9411c3/
2025年4月22日火曜日
点対称の残り半分を作図する
「点対称図形の残り半分を完成させよう」
このように投げかけます。これと同時に生まれてきたのが,次の言葉です。
「対角線を引く」
「斜めの線になる」
「中心を通る」
「4本引ける」
「4本? 2本じゃない?」
「昨日の勉強でやったよね。中心からの長さが等しくなるようにしたらいいんだよ」
前時の学習を生かす声が生まれてきました。子どもたちは,前日のノートを見ながら考えを作り上げていきました。
しかし,対角線の本数を巡りズレが生まれました。2本は全員がすぐに見えてきました。中心を通る,斜めの線です。
一方,残りの2本が見えていない子どもたちもいました。すると,「重なるけど」と声が聞こえてきます。最初の図形の底辺部分に2つの頂点があります。そこから中心を通る対角線を引くと,その2本が重なってしまいます。結果的に3本目の中に4本目があるように見えます。また,底辺部分には辺となる直線があるため,そこが対角線には見えにくかったのです。
この底辺部分を対角線と認識できれば,対角線が4本あることが見えてきます。後は,中心から対応する頂点までの長さが等しくなるように点を順に打っていけばいいのです。
2問目は,矢印が半分になった図形を提示します。見た目に騙され,底辺部分の長さをきちんを測定しない子どもたちがいました。対称の中心は,底辺部分の中心にはありません。少しだけずれています。従って,板書のように上下の図形が少し左右にずれた配置になるのです。思い込みで線をつないでしまうと間違えてしまいます。
2025年4月21日月曜日
回転したのはどれ?その2
前回の学習のその後です。
「180°回転すると重なる文字の条件に,Sは当てはまるのかな?」
「Sは対応する辺がないのではないか」という疑問が前時の授業終末に生まれました。そこで,Sに焦点化して子どもたちと考えます。
次の声が生まれてきました。
「Sの上と下を合わせると円になる」
「でも,間はどうなるの?」
「間も,真ん中から上と下に分けたら,回したら重なるよ」
曲線があるからイメージ化が難しかったようですが,Sを分割していくことで対応する部分が見えてきました。
その後,回転して重なる文字にZ,O,I,Xが生まれてきました。さらに,「トランプにも重なるのがある」と声があがります。そこで,トランプを確認します。数字や模様によって,回転して重なるものとそうではないものあることが分かりました。
その後「点対称」の用語を教えます。最後は,提示した図形が点対称か否かを考えました。
最初の提示したS字に近い図形について,「対角線を引いたら分かる」と声があがります。そこで,この声の意味を読解します。
「対応する頂点を結ぶ」
「線対称でも似ていることをやったね」
「対角線の長さが,真ん中の点から同じ長さなら点対称だ」
「これって,前の時間の中心からの長さが同じの考えといっしょだね」
既習の考えを活用した声が生まれてきました。この見方を使えば,回転しなくても点対称か否かを判断できます。
2025年4月18日金曜日
動いたカードはどれ?
「カードを動かします。どれを動かしたか当てましょう」
このように投げかけ,アルファベットを順に提示していきます。Y,Cが提示された時点で,「全部線対称だ」と声があがります。それと同時に,対称の軸をジェスチャーで示す動きも見えてきました。Yは縦方向,Cは横方向の対称の軸を示す動きが生まれてきました。
その後も同様に,全部で9文字を提示します。
子どもたちに目を閉じさせ,その間に文字を動かします。
目を開けた子どもたちは,一斉に「A」と声をあげます。Aの向きが反対に変わっていたのに気づきました。さらに「180°動いた」と,具体的な角度を使った説明も生まれてきました。
すると,「Hも変わってる」の声が聞こえてきました。そこで,Hを話題の中心にします。
「Hが変わっているという人がいるけど,気持ちは分かる?」
このように尋ねます。
「回しても同じになる」
「2本の対角線の交わっているところで回転すると,重なる」
「平行が2本あれば,回転しても重なる」
「Nも回転すると重なるけど,平行は1本しかないよ」
「回転する中心から端までの長さが同じなら重なるんじゃないかな」
「それならEだって同じ長さになるよ」
「中心の反対側に線があるときは重なる」
「Eの左の縦線の反対には縦線がないから,これはだめだよ」
子どもたちは,180°回転して重なる図形の共通点を探ろうと考えました。その結果が,上記のようなまとめでした。
その後,「他にも回転すると重なるアルファベットはあるかな?」と尋ねます。
「IもOもそうだ」
「これもお向かいがあるね」
「Z,Sもそうだね」
「でも,Sってお向かいさんはあるの?」
「曲がっているけど,あるよ」
「え?それってお向かいさん」
辺がカーブする文字が出てきたことで,子どもたちがまとめかけたきまりが揺れ始めました。この日はここで時間切れとなりました。
点対称につながる図形の構成要素がたくさん生まれてきた1時間でした。この授業の詳細は,授業テラス講座でお知らせする予定です。
2025年4月16日水曜日
線対称図形の作図はできるかな?
2025年4月15日火曜日
「子どものストーリーでつくる算数の授業」対面講座のご案内
5月31日(土)に大阪市エル大阪を会場に,授業テラス主催の対面講座が開催されます。テーマは,「子どものストーリーでつくる算数の授業」です。
難関単元の模擬授業2本もあります。こちらも大変に貴重な機会です。また,私も「子どものストーリーでつくる算数授業」をテーマに講演を行います。
申し込みはまだですが,ご興味のある方は日程を開けておいてくださいね!
紙を折らずに線対称を見つけよう
子どもたちに「紙を折らずに線対称か調べよう」と投げかけます。折る活動に制限をかけます。
すると子どもからは,「辺の長さを調べたらいい」「角度を調べたらいい」と声があがります。両者の大きさが同じなら,線対称だという声が聞こえてきました。
そこで,最初の三角形を提示します。多くの子どもは,見た目で違うと判断しました。一方,「線対称だよ」という声も聞こえてきます。
そこで,実際の長さや角度を実験します。結果は,対応するはずの長さも角度も異なっていました。結果は,線対称ではありませんでした。
次に提示したのは,鍵穴のような図形です。今度は多くの子どもたちが,悩みました。そこで,同じ図形で辺の長さや角度を測定します。
結果はいずれも同じ大きさでした。さらに,対称の軸から対応する頂点に直線を引く子どももいました。軸との交点から頂点までの長さも等しくなっていることを発見したのです。新たな視点の登場です。
最後は,狐の顔のような図形を提示します。これも子どもの判断は分裂しました。この問題は,結論は各子どもの実験結果に委ねることにしました。大切なことは,その結論を支える根拠をどれだけ明確に文章化できるかです。ノートに言葉や数を使って自分の結論を支える根拠をまとめさせました。
これって,全国学力状況調査の問題に似ていますよね。このような問題場面を意図的に適度に設定していれば,学力調査問題もそれほど苦にはならないのではないでしょうか。
2025年4月11日金曜日
軸と辺の数の関係
「線対称な図形かな」と投げかけ,図形を提示していきます。
最初に提示したのは,家の形の図形です。子どもたちは自席から定規や分度器を取り出し,目の前に当てています。そこで,この行動の意味を読解していきます。
「辺の長さが同じなら線対称だから」
「角度の大きさが同じなら線対称」
辺の長さと角度の大きさの両方が同じなら線対称だと子どもたちは考えました。そこで,同じ図形を子どもたちに配布します。子どもたちはそれらの大きさを測定していきます。
その結果,辺の長さも角度の大きさも等しいことが分かります。従って,線対称の図形であることが見えてきました。
2問目は,横向きの矢印のような形です。これを見た子どもたちは,手を横向きに動かしています。そこで,この動きの意味を読解します。
「縦で折ると,重ならない」
「横に折ると重なる」
「下が上に行って重なる」
対称の軸の向きが縦から横に変わった図形である指摘が生まれてきました。調べた結果,この図形も対称の軸は横向きですが,線対称の図形であることが見えてきました。
すると,この結果から次の声が聞こえてきます。
「斜めの軸もあるんじゃない?」
「正方形がそうだよ」
「長方形もだよ」
「長方形は違うよ」
「正方形は4本の軸がある」
「もっとあるよ。少し斜めにしたら,もっとあるよ」
「え,斜めだとできるかな?」
少し斜めの直線を対称の軸としたら,無限に軸ができるのではないかと考えました。しかし,それを疑う声もたくさんあがります。そこで,少し斜めの軸で折ると重なるのかを実験します。結果は,重なりません。従って,対称の軸は4本であることが見えてきました。
すると,今度は次の声があがります。
「辺の数と軸の数は,同じなんじゃないかな?」
正方形は正四角形なので,辺の本数は4本で対称の軸も4本と捉えることで,前述のきまりが生まれてきたのです。すると,この声をきっかけに声が続きます。
「五角形なら5本だね」
「でも,三角形は1本しかないよ」
「そうかな?斜めに引いたら3本あるよ」
「本当だ。だったら,五角形も5本になる」
辺と軸の本数に比例関係がありそうなことが見えてきました。そこで,正六角形の軸の数を調べます。子どもの予想通りなら,6本の対称の軸があるはずです。
しばらくすると,「やっぱり6本だ」と喜びの声が聞こえてきます。さらに,対称の軸が複数あるときは,軸が中心で交わることや,偶数角形の場合は頂点以外からも対称の軸が引かれることなどに気づくこともできました。
線対称な図形を探す活動から,様々なきまりに気づくことができた1時間でした。
2025年4月10日木曜日
若山や はるか光は 山や川
「何が見えるかな?」
このように投げかけ,次の文を板書します。
「若山や はるか光は 山や川」
「若山や」の板書が終わった時点で,「俳句だ」「短歌かも」という声が聞こえてきました。
そこで,残りの文章を板書していきます。「山や川」までの板書が終わった時点で,次の声が聞こえてきました。
「やっぱり俳句だ」
「五七五になっている」
「これって国語?」
「どこから算数になるの?」
「あれ,回文?」
「えっ,本当だ!」
「平仮名にすると分かるよ」
「『わかやまや はるかひかるは やまやかわ』だから回文だ」
「真ん中は『ひ』だね」
「奇数だから,真ん中があるね」
1つの文章から様々な気付きが生まれてきました。すごい子どもたちです。この文章から見えてきたのは,「俳句」「回文」でした。
さて,この視点は次の問題にも当てはまるのでしょうか。次に提示したのは「丸くなるな車」です。これは,明らかに俳句ではありません。一方,平仮名に置き換えると「まるくなるなくるま」なので,回文です。従って,2つの文章の共通点は「回文」ということになります。
そこで,「次も回文かな?」と言って「Ⅰ」が5個並んだものを提示します。多くの子は,「『いちいちいちいちいち』だから,回文じゃない」と声をあげます。一方,「回文だよ」と考える子どももいました。そこで,「回文だと言っている人の気持ちは分かるかな?」と尋ねます。
「左から見ても,右から見ても同じ形が見える」
「真ん中のⅠから見ると,左右の同じ形がある」
「鏡みたいになっている」
文ではなく,「形」で見たら同じ物が左右に鏡のようにあるので回文に見えるという気持ちを共有していくことができました。
すると,次の声も聞こえてきました。
「縦を真ん中にしても重なるけど,横を真ん中にしても重なるよ」
折り目の線を縦方向から横方向へと変えても,回文に見えるという声です。これも素晴らしい視点です。
すると今度は,「だったら回文じゃなくて,回図じゃないかな」との声があがります。確かに,文ではなく図として「Ⅰ」を見ることで,左右が回文の構造になっていることが見えてきました。すると「回図」の言葉をきっかけに,子どもの発想が広がっていきます。
「円も回図だ」
「正方形もそうだ」
「長方形もそうだ」
「二等辺三角形だ」
「正三角形もだ」
「正多角形もだ」
「正とついていたら回図だ」
「平行四辺形もだ」
「え?違いかも」
「斜めに折ったら重なるよ」
「え?斜めでもだめだよ」
「台形は大丈夫」
「待って。跳び箱みたいな台形はいいけど,そうじゃないのは回図にならない」
「ひし形は回図だ」
「左右が合同なら,回図になるんだ」
「ⅠⅠⅠⅠⅠ」が回図であることを共有したことをきっかけに,回図の範囲を子どもたちが拡張して考えていくことができました。対象場面を拡張できる見方・考え方は立派ですね。
その後,2つの三角形を提示し,回図であるか否かを考えました。回図であるかを調べる中から,図形を半分に折るだけはなく,辺の長さや角度を調べる方法も見出していきました.図形の構成要素を探る視点の出現です。
2つ目に提示した三角形は,二等辺三角形と似て非なる図形でした。見た目で回図と判断した子どもたちも多数いましたが,調べる中から「違う」「回図じゃない」と気づいていきました。
子どもたちが名付けた回図とは,線対称な図形のことです。国語から算数の世界へと広がった学習でした。
2025年4月9日水曜日
九九表の秘密
「2年生の復習からスタートしよう」と子どもたちに投げかけます。(今年は6年生です!)
空白のかけ算九九表を配布し,答えを埋めていきます。子どもたちは「ぼくたちを馬鹿にしているのですか?」と声をあげます。
やがて答えが埋まっていきます。そこで,今度は「それでは九九の答えを全部たしましょう」と投げかけます。すると,何人かの子どもから「えー」という声があがります。この声を受けて,次のように投げかけます。
「『えー』と言った人の気持ちは分かりますか?」
子どもからは,次の声があがります。
「81ますたすのは大変」
「だったら,みんなでやったらいい」
そこで,1〜9の段を分担して計算することにしました。この計算途中で,子どもたちは様々なきまりが九九表にあることにも気づいていきました。
各段の答えを両端から順にたしていくと,同じ数が4パターン生まれること。
段数の5倍の数を9倍すると,合計数になること。
各段の真ん中の数の9倍が合計値になること。また,それは平均の考え方を使っていること。
これらのきまりに気づいていていくことができました。いずれも6年生らしいきまり発見でした。
さて,問題は81ますの合計数でした。最後に各段の合計をたしていきます。結果は,「2025」です。子どもからは「すげー!」と歓声があがりました。
2025年度のスタートに相応しい学習でした。
本教材は,田中博史先生の算数講座で教えていただいた内容を活用したものです。