2019年4月10日水曜日

3年「かけ算」のその後

前回お知らした3年「かけ算」導入の次時の授業です。

「答えがになる式を探したね。が6のときは2×3と3×2が反対でした。1×6と6×1も反対でした。反対になるのが2ペアあったね」

前時までの学習内容を確認します。そして,次のように投げかけます。

「反対になるペアはいつでも2ペアあるということだね」

子どもたちは,ほぼ全員が「2ペア」「絶対だ」と考えました。ところがしばらくすると,「えっ,違う」「3つのものもある」「1つもある」と声があがってきます。この声を聞いて,最初に判断した自分の考えが揺れ始めます。

そこで,反対になる組み合わせはいつでも2ペアなのかを実験します。「あった」という声がしばらくすると聞こえてきます。そこで,2ペア以外の数を尋ねます。

子どもから生まれたのは,「81」でした。この式は「9×9」です。子どもからは,「1つの式だけだ」「反対はないね」と声があがります。ところが,「他にもあるよ」という声も聞こえてきます。それを聞いた他の子どもからは,「もうないよ」と声があげます。

「81×1は81になるよ」
「かけ算にはないよ」
「かけ算にはないけど,(かけ算九九の範囲を)もっと大きくしていけばあるよ」
「それなら,さっきと同じように反対にすれば1×81ができる」
「これだと反対ペアは1つだけの式になるね」

かけ算九九の範囲を超えれば,「81」には反対ペアが1つあることが見えてきました。かけ算九九の範囲を子ども自らが超えて発想を広げる見方が生まれたことが素晴らしい瞬間でした。

このあと,反対のペアが3つある「12」(1×12と12×1,3×4と4×3,2×6と6×2),反対のペアが4つある「24」(1×24と24×1,4×6と6×4,3×8と8×3,2×12と12×2)を見つけていきました。

授業の最期には,「□の数が違うと,反対のペアの数も違うんだね」と授業全体をまとめた声もあがってきました。

かけられる数とかける数を入れ替えても答えが同じになる式を探すことが,この授業の目的です。□の数を問うことで,子どもたちは楽しくその式を見つけることができました。